第21話 声帯模写
「
なお、「こわいろ」は「声色」と書き、「物言う際の、その人独特の音質や抑揚、間の取り方や言い回しなど」(同上)です。
声帯模写といえば、私は
おそらくテレビで見たのだと思いますが、俳優の
桜井氏がおられなくなってから、声帯模写という言葉も、その芸そのものも、見聞きすることは、ほとんどなくなりました。
声帯模写はものまね芸の中の一分野だったと思います。一方、「ものまね」自体はは衰退するどころか、今でもテレビなどで人気があります。
私が面白いと思うのは、大衆芸なのに、「声帯」、「模写」という、やや堅苦しい言葉が使われており、語の意味をよく考てみると、少々奇妙な点があることです。
「声帯」:のどの中央部にある発声器官。弾力のある二条の
「模写」:本物の通りに写すこと。
※いずれも「国語辞典」より。
二つの単語の語義から素直に考えると、声帯模写とは、発声器官である声帯を模写することになりはしませんか?
たとえば、こんなことが実際あるかどうか知りませんが、医学部学生が解剖の授業で、摘出した声帯の外観をノートに模写している、などという場面を想像してしまいます。
そんな想像は、私だけかもしれませんが。
書いているうちに、桜井氏の「声のスタイルブック」が、もう一度聴きたくなってきました。拙宅にあるCD集『昭和の演芸』に収められているので、あとで聴いて楽しみたいと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます