第22話 ロマンスグレー

 ロマンスグレーは、「国語辞典」に「和製英語。中年の男性の、(魅力ある)白髪しらが交じりの頭」とあります。


 髪型や手入れの具合は別として、毛髪の状態そのものは「胡麻塩ごましお(頭)」とほぼ同じと考えられそうですが、語から受けるイメージはだいぶ違います。


 この語は、作った人や広めた人がはっきりしているようです。


 ウィキペディアなどによると、ソニーの創立者の一人、盛田昭夫氏がこの言葉を作り、その友人だった飯沢ただす氏が「ロマンス・グレイ」という戯曲を書いて(1954年)、世に広まったそうです。

 さらに、1955年のアメリカ映画「旅情」の主要登場人物の一人が「ロマンスグレー」だったことも、この言葉が一般に定着するきっかけとなったそうです。


 ただし、上記の飯沢匡氏の戯曲「ロマンス・グレイ」については、小説雑誌に連載した小説の名前だとするサイトもあり、そこらへんについては、裏取りしていないので、間違っているかもしれません。


 いずれにせよ、中年男性の白髪交じりの頭髪を、かっこいいと捉えている言葉です。

 しかし、今ではほとんど聞きません。なぜ廃れたのでしょうか? 

 理由はよく分かりませんが、「ロマンス」という言葉自体が、昨今あまり使われないように思います。

 もっとも、「(国際)ロマンス詐欺」は、最近ときどき耳にしますが。


 一方、年配女性の中には、白髪交じりをそのままにしたり、あるいは、白髪を真っ黒に染めるのではなく、白髪交じりのように染めている人も見られます。実は、私の家内もそうなのです。

 こちらは、文字どおり「グレイヘア」と呼ぶらしいです。

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