第24話 蛮カラ(ばんから)
読み方は、「ばんから」です。
「国語辞典」には、「身なりや言動が荒っぽくて、デリカシーを欠くこと(人)」とあり、用例として「蛮カラな気風」が挙げられています。
「語源辞典」によれば、「明治時代、西洋風の意で使われた『ハイカラ』をもじってつくられた語で、バンは野蛮の蛮、カラはハイカラのカラ」だそうです。
「〇〇大学は蛮カラな気風だ」などと使われていたのを聞いたことは、それほど稀ではありませんでした。
今あるか知りませんが、「旧制高校寮歌祭」といったような催しが定期的に開催され、旧制高校生出身の高齢者の方々が制服制帽に身をつつみ、寮歌などを歌っていました。
そうした旧制高校生などには、蛮カラ気風が横溢していたのではないかと思います。
それと、かまやつひろしさんが歌った「我が良き友よ」(作詞作曲:吉田拓郎、発売:1998年)に出てくる「
何しろ、学生服に下駄といういでたちで、腰には手拭いをぶら下げています。おまけに、「男の臭い」まで漂わせています。
しかし、時は流れ……。
昔は蛮カラな校風といわれた大学も、今はまったくそうんな雰囲気はないでしょう。
まあ、もしかすると、応援団あたりに細々と多少残っているかもしれませんが。
以前は蛮カラな校風といわれていた某大学のキャンパスに行ったことがありますが、女子大生が闊歩しており、蛮カラな雰囲気など微塵も感じませんでした。
(もちろん、男女の大学進学率に差がなくなるのは時代の趨勢であり、当然のことです)
キャンパスの建物や設備も垢抜けていて、かつ、とても清潔でした。とても蛮カラ学生が生息できる環境ではありません。
蛮カラの「カラ」に使われた「ハイカラ」も、同じく今は使われません。
しかし、この原稿を書こうとして、パソコンで「ばんから」と入力しても、一発で「蛮カラ」は出てきませんでしたが、「ハイカラ」は一発で出てきました。
そればかりか、変換候補として「はいからさんが通る」(朝のTV連続ドラマの題名)、「ハイカラシティ」(TVゲームに出てくる都市)「ハイカラポップコーン」(菓子名)などと、色々出てきます。
蛮カラに比べると、ハイカラは意外にしぶといようです。
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