第14話 サンドイッチマン

 今この言葉を聞くと、お笑いタレントグループの「サンドウィッチマン」を連想する人が多いかもしれません。


 しかし、今回取り上げるのは、それではありません。


 サンドイッチマン:「広告版などをからだの前後に下げて(ささげ持って)歩く人」(「国語辞典」)です。


 私が子どものころ、繁華街に行くとサンドイッチマンが歩いていました。ただし、私の記憶の中のサンドイッチマンは、プラカードのような広告板を捧げ持っていました。


 サンドイッチマンの語源となったように、体の前後に広告版を下げるスタイルが本来の姿のようですが、あまり見た記憶がありません。

 人混みなどでは、体に下げるよりはプラカードを捧げ持った方が遠くからも見えるので、「進化」したのかもしれません。

 

 最近は、街中を歩くサンドイッチマンを見かけなくなりました。

 調べていませんが、路上で歩きながらの広告については、法令か何かの規制があるのかもしれません。


 しかし、例えば住宅地の新規販売などの際に、その区画に通じる道路と大きな道路の角、多くは歩道の上で、案内のプラカードを捧げ持ってじっと立っている人は、時々見かけるように思います。


 サンドイッチマンと聞くと、「サンドイッチマン、サンドイッチマン、……」という哀愁を帯びたメロディを思い浮かべる年配の方も、いらっしゃるのではないでしょうか。


「街のサンドイッチマン」

作詞:宮川哲夫

作曲:吉田正

唄:鶴田浩二

発売:1953(昭和28)年


 著作権の関係から、ここでに歌詞を書くことは控えますが、歌詞中に「プラカードを抱いていく」という一節があります。ということは、この歌のサンドイッチマンはオーソドックス・スタイルのようです。しかも、ロイド眼鏡を掛け、燕尾服まで着ています。

  ※ロイド眼鏡:セルロイド製の太い縁をつけた眼鏡(「国語辞典」)

 そのようなスタイルのサンドイッチマンは、私は見た記憶がありません。


 この歌にご興味がある方は、ユーチューブで検索すると視聴できます。

 なかなか味のある、いい歌だと思います。


 最近は、小型トラックの荷台部分が大きな広告版になっている車を見かけることがあります。広告版は液晶ディスプレイなのか、動画も映し出されます。

 これはさしずめ、サンドイッチマンのさらなる進化型でしょう。


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