第3話 インテリ

 「インテリ」は「インテリゲンツィア」(「インテリゲンチャ」とも)の略で、国語辞典には「知識階級、知識人」とあります。

 ロシア語由来の外来語です。


 私が子供のころは、よく耳にしました。例えば、

「あの家のご主人、インテリらしいよ」

といった具合です。


 別に学者や研究者でなくても、大学卒で言動などが知的に見えれば「インテリ」と呼ばれたように記憶します。

 背景に大学進学率が低かったことがあり、大卒はいちおう社会のエリートと見なされていたのでしょう。


 そのご大学進学率が大幅に上昇し、大学が「大衆化」すると、この言葉もいつの間にか聞かれなくなりました。


 とはいえ、「知識人」を有難がる風潮は残っているようです。

 出版物の広告や、TV番組のタイトルなどに、「知の巨人」とか「東大王」とかいった文句を見かけます。

 物事を見る場合、そうしたレッテルに惑わされないようにしたいと思います。


 余談ですが、ロシア語由来の日本語で、現在も普通に使われているものは少なくありません。例えば、次のような言葉です。 ※語義は国語辞典に基づく。


 アジト(秘密本部、隠れ家)

 イクラ(サケの卵を一粒ずつ離した食品)

 カンパ(資金の募集運動)

 コンビナート(工業地帯に設置した企業結合)

 セイウチ(オットセイに似た大型の海獣)

 ノルマ(割り当てられた仕事の基準量)



 


 


 

 

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