第2話 オールドミス

※初めに一言お断りさせていただきたいのですが、本エッセイは一昔前に一般的に使われていた言葉を取り上げます。そのため、現代社会で使うとハラスメントと取られる可能性のある言葉も含まれます。エッセイの性格をご理解のうえ、ご容赦賜れば幸いです。


 今回は、「オールドミス」です。

 国語辞典には、「和製英語。結婚の時期をのがした女性。老嬢」とあります。


 今や、完全な死語だと思います。

 女性の「婚期」そのものが消滅しました。


 男女とも、平均結婚年齢が上昇し、「生涯未婚率」も高まっています。

 「おひとり様」の素晴らしさを謳う書籍なども、多数出版されています。


 この言葉、昔はよく耳にしました。

 特に、「職業婦人」には独身者が多かったように記憶します。

 女性は就職しても、「寿ことぶき退社」して専業主婦になるのが一般的でした。

 しかし、「婚期をのがして」会社に居続けると、陰で「オールドミス」とか「おつぼね様」とか、呼ばれたのです。


 「行かず後家ごけ」などと、もっと酷いことを言う人もいました。


 なお、今では考えられませんが、4年制大学卒の女性は、ろくに就職できませんでした。名だたる大企業でも、その多くは1970年代後半になって、やっと4年生大学卒の女子を採用し始めました。それも、少しずつ。


 「オールドミス」は、消えるべくして消えた言葉のひとつといえるでしょう。

 

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