第4話 和国へ
3人がその場所を去ろうとしたとき。
ひとりの少女が現れました。
「待ってください」
歳は丹歌と同じ歳くらいの少女です。
「ん?なんだ?」
清空がその少女の方を見ます。
「あの、私は玉藻といいます。
和国の港への道わかりますか?」
玉藻となのる少女の頭には耳がちょこんとあり尻尾がふたつ可愛くありました。
「ああ、わかるぞ!
私たちはそこからの船で砂の国へと戻るところだ」
清空が白い歯を見せて笑いました。
「ついていっても......」
不安そうな玉藻をよそに清空がいいます。
「構わんよ」
「ありがとうございます」
玉藻は涙を流して喜びました。
「あと……」
玉藻はなにかをいいかけたのですかやめました。
「ほれ、握り飯だ。
丹歌も食え、お腹空いてるだろ?」
「え?」
「玉藻、お主はこの盗賊団に誘拐されたのだろ?」
「はい」
「実は水さんとは知り合いでな、玉藻を探しにここに来たんだ」
「あ、母と知り合いなのですね」
「ああ、丹歌も手配されてる」
「え?お父さんとお母さんが?」
「残念ながら違う」
「そうですか」
丹歌はがっくりとした表情で肩を落としました。
「どちらにせよ、和国の港に急ぐぞ」
清空はそういって歩きだした。
そして丹歌は気づきました。
周りが盗賊だらけのことに。
「この人たちは?」
丹歌がそういうと清空がいいます。
「ミグルミ盗賊団さ。
子どもを誘拐しては売る、最悪の盗賊団さ」
そして一同は和国の港へと向かいました。
雨が降り始めています。
雨のなか船を出すのは難しいため暫く和国にて滞在することになりました。
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