第3話 ニコニコの丹歌

「その甚平。クールポコ王国出身なのか?」


清空がそういうと少年は大きく首を横に振ります。


「そんなに全否定しなくても」


シエラは苦笑いを浮かべながらいいました。


「訳ありというわけか......

深くは聞かない、では帰るぞ!」


「え?行っちゃうの?」


少年は不安になります。


「主もな」


「え?」


少年は驚きました。


「家族がひとり増えたね!」


シエラが嬉しそうに笑いました。


「家族?」


「ああ、少年!名前はなんだ?」


清空の問いに少年は黙ります。


「ん?」


シエラは首をかしげます。

その瞬間、清空は悟りました。


「なら私の詩空をやろう!

詩空丹歌というのはどうじゃ?」


清空はそういって少年の頭を撫でます。


「にか?」


「そうだ、お前の名前はニコニコの丹歌だ!」


少年に名前がつきました。

詩空丹歌。

それが彼の名前です。

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