第63話 戦いの準備

翌朝、朝飯を食べていると突然オリビアが跪き祈り出した。


「オリビア、どうしたんだ?」


「しー! 静かにして。」


10分ほどしてオリビアは目を開け、椅子に座り直した。


「神託があったわ。」


「え? 礼拝堂で祈りを捧げなくても神託がおりてくるのか?」


「私も初めてだから分からないわ。今まで礼拝堂に閉じ込めれれてた意味が無くなってショックを受けているわよ。」


「それで内容は?」


「南の世界樹に悪魔が集結しているそうよ。やはり十分に準備してから向かった方が良いわ。」


「わかった。それじゃ、新しい装備に慣れる意味でもダンジョンで狩りをしよう。オリビアももっと強くなってくれ。」


「わかったわ。」


「エミリンとカリンも強くなってくれ。」


2人が頷いた。


「そうだ、サリー様。新しい装備を作ったので使ってください。」


「え? 良いのか? って、お、お、オリハルコンだと?! 目眩がしてきた・・・。」


数分後、復活したサリー様は嬉しそうに装着し、団員の元へ走っていった。

きっと自慢したいんだろうな。


「アリサ、この装備を使ってくれ。」


革の装備と多数の鋼の武器、それと改造した炎の指輪と属性の杖を渡した。

ゴブリンを狩っているぐらいだからそろそろ物理職と魔法職に別れる時期だろう。


「オリビア、どんな悪魔がいたかわかるか?」


「見えたのは、多数のスケルトン、ガーゴイル、アークデーモン、エルダーリッチ、その先に何か巨大な魔力の塊のようなものが居たわ。」


「最低でもアークデーモンを余裕で狩れるくらいにならないと危ないな。よし、行こうか。」


新装備を装着したエミリンとカリンを連れてマイダンジョンへ向かった。


「まずはスケルトンだな。召喚スケルトン100。」


鉄の剣を持ったガイコツのスケルトンが100体現れた。


*鑑定

 名称: スケルトン

 ランク: C

 特徴: ガイコツの戦士タイプの魔物。鉄の剣を使う。

 特技: 剣術

 ドロップ: 魔石、スケルトンの骨、鉄の剣


100体召喚したにも関わらず、エミリンとカリンが草刈りをしているがごとく切り倒してしまった。


「全く手応えが無いわね。次に行きましょう。」


俺の出番なしか?


「召喚ガーゴイル100。」


*鑑定

 名称: ガーゴイル

 ランク: C+

 特徴: 鳥の顔、鳥の翼を持つ2足歩行の石像。

     石像に化け、近づく者を待つ。

     目から石化光線を出すので注意。

 特技: 石化、飛翔、擬態

 ドロップ: 魔石、石材、石斧


大剣を力いっぱい振り下ろすエミリン。

ガーゴイルは崩れ落ちた。


「アトム、ハンマーが欲しい。」


すぐにオリハルコンで作った巨大ハンマーを渡した。

エミリンが楽しそうに次々とガーゴイルをハンマーで砕いていく。

時々石化光線を浴びているが、状態異常無効のエミリンには効かない。

カリンと俺は見てるだけ。

俺達では固すぎて効率が悪い。


「いよいよアークデーモンだ。エルダーリッチは俺の聖魔法で一発だから強敵はこいつになると思うんだ。召喚アークデーモン。」


*鑑定

 名称: アークデーモン

 ランク: A

 特徴: 悪魔を統率する上級悪魔。三又の槍の形をした金属の杖を持つ。

     牛の顔、ゴリラの身体、悪魔の翼、大蜥蜴の尻尾を持つ。

 特技: 火魔法、闇魔法、幻術、飛翔、統率、眷属召喚

 ドロップ: 魔石、三叉槍の杖、魔力水晶


「全力で行くよ。カリン、牽制よろしく。魔法行くよ! ゴッドスパーク!」


上級魔法の雷を食らったがあまり利いていないようだ。

悪魔なので魔法耐性があるのだろうか。

すると三又の杖が光った。

お返しだと言わんばかりに炎の槍が飛んできた。

俺が水の槍で相殺する。

カリンが矢を連射しているのでその場から動けないアークデーモン。

その隙にエミリンが間合いに入った。

剣を上段から振り下ろした。

オリハルコンの長剣はアークデーモンの皮膚を切り裂き、深い傷を負わせた。

膝を着いたアークデーモンにすぐにエミリンが斬りかかったがギリギリ交わされ、近距離でファイアボールを食らって吹き飛ばされた。


「ヒール。エミリン大丈夫か?」


「うん、大丈夫。ちょっと油断した。」


「アークデーモンは、魔法には強いが物理には弱いようだ。エミリン中心の攻撃で行こう。ブースト!」


エミリンとカリンが黄金に輝いた。

さらに鎧に風魔法を付与し、弾丸のようにアークデーモンに迫った。

2人での攻撃に対応できず、次第にキズが増え衰えて行くアークデーモン。

遂に力尽き消えていった。


「今の俺たちではアークデーモン1体が精一杯だ。複数の敵に襲われたら対処できない。もう少し鍛錬を積んで強くなってから南の世界樹を目指そうと思う。」


魔力水晶は、魔石よりも純度の高い魔素が何十倍もの濃度で詰まっている水晶だった。

高出力が必要な大型魔道具の動力源になりそうだ。

だが、今は俺の武器の強化に使う。

俺のオリハルコンの杖に魔力水晶と三叉槍の杖を融合した。

魔法攻撃力がもの凄く上がった。


その後、エミリンとカリンには引き続きアークデーモンを狩ってもらった。

俺はエルダーリッチを狩り、レベルとステータスを上げることにした。

同じ部屋で狩っているのでエミリンとカリンにも経験値が分配されている。

そして、俺たちは3日後にはレベル50を超えた。

俺は16歳になった。

ちょっとだけ早く産まれたエミリンも16歳だ。



*ステータス

 名前: アトム・ハリス

 称号: 伯爵、ハーフエルフ、Cランク冒険者、ダンジョンマスター

 職業: 大錬金術師

 性別: 男

 年齢: 16歳

 レベル: 40→50


 HP: 660→800

 MP: 999→1200

 STR: 320→360

 INT: 999→1300

 DEF: 320→380

 AGI: 360→420

 DEX: 850→980

 Luck: 100


 スキル

  錬成、錬金ボックス、神眼、分解、合成改、抽出、付与、解析改、

  リスト、複製、魔力操作、亜空間工房、調理、裁縫、

  


 魔法スキル

  生活魔法:ファイア、ウォーター、ウィンド、ライト、クリーン、

       デオドラント、フレグランス

  全初級属性魔法:火▽、水▽、風▽、土▽、氷▽、雷▽、光▽、闇▽

  全中級属性魔法:火▽、水▽、風▽、土▽、氷▽、雷▽、光▽、闇▽

  全上級属性魔法:火▽、水▽、風▽、土▽、氷▽、雷▽、光▽、闇▽

  空間魔法:スペース、テレポート、ゲート、ダンジョンウォーク、

       セレクトバリア

  時魔法:ヘイスト、スロー、タイマー

  重力魔法:グラビデ、ライト

  契約魔法:奴隷契約、眷属契約、主従契約、眷属召喚

  聖魔法:ターンアンデット、ドレイン、コンテイン、リカバリ、リペア

  精霊魔法:火精霊魔法、水精霊魔法、風精霊魔法、土精霊魔法、

       光精霊魔法、闇精霊魔法

  :メテオストライク(火土重)、エクスプロージョン(闇火重)


 ユニークスキル

  異世界言語、全魔法適性、使徒apostle、仲間の絆、ユグドラシルの祝福、

  ダンジョン管理、上限解放リミットブレイク



レベル50で上限解放のユニークスキルを獲得した。

それで、ステータス値999の上限が開放させた。

渚さんもランクアップ?

俺が使徒じゃなく、渚さんが使徒なの?

謎が深まる。

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