第62話 新装備作製
『鉱石の採掘が順調に進み、オリハルコンが今回作製分ぐらいはたまりました。』
おお、まずはエミリンの装備を作ってみようかね。
「ねぇ、エミリン。」
「何? アトム。新作おやつの試食なら大歓迎よ。」
「ん-、そうだな。フルーツをたくさんもらったし、フルーツポンチでも作ってみるか。サイダーにカットしたフルーツを入れるだけだしね。って、違いから! これからエミリンの装備を作るから要望を聞こうと思ったんだよ。」
「ん? 別に今のままでも良いけど? 気に入っているし。」
「エミリンが強くなったから装備の性能が着いていけなくなっているんだよ。いつ壊れてもおかしくないし。新調しておいた方が良い。」
「アトムが言うならそうしましょ。で、フルーツなんちゃらはまだ?」
「作ってないから!」
「えー、えー、えー!」
「うるさい! もう、真面目に考えなさい!」
仕方なくフルーツポンチを作った。
「シュワシュワしておいしいわ。」
「エミリンは前衛だからそろそろプレートアーマーが良いんじゃないかと思うんだ。」
「重いし、蒸れそうだし、嫌よ。ガシャガシャうるさいし、動き辛くなったら機動力が失われるわ。」
あれ? エミリンなのにまともな事言ってる?
「じゃあ、急所に金属使って可動部には丈夫な革を使うか。あとは付与で強化すれば良いかな。うん、それにしよう。」
「かわいくしてね?!」
「可愛い鎧って見たことあるか?」
「無いわね。だから、アトムが頑張るんじゃない?」
んー。どうしようかな。
そうだ、前世のファンタジー系のドレスアーマーが良いかな。
胸と肩と背中にはオリハルコンのプレート、お腹にはワイバーン革、下半身はサラマンダー革のスカート風腰巻とズボン、ワイバーン革のロングブーツ、手にはオリハルコンとサラマンダー革でできたガントレットのフル装備ができた。
サラマンダーの赤にあわせて全身真っ赤に着色した。
「できた。ちょっと装備してみてよ。」
エミリンがフルーツポンチを食べていたスプーンを置き、めんどくさそうに着替え始めた。
「可愛いけど、重い。暑い。」
「これから付与するから。キツイとか、痛いところは?」
「ちょっと胸がキツイかな?」
成長していたのか。
「わかった。じゃあ、付与しちゃうぞ。」
「デオドラントとフレグランスは必須!」
「わかってる。」
軽量化、サイズ調整、物理防御UP、魔法防御UP、リペア、貫通阻害、切断阻害、打撃阻害、消音、隠密、通気性、温度調整、属性付与、デオドラント、フレグランス、使用者限定
流石に伝説の金属だ。凄い容量だ。
いくらでも付与できそうだよ。
「エミリン、どうだい?」
「うん、いい感じ。軽いし、動きも阻害しない。赤も可愛い。」
「属性を意識して魔力を込めれば属性付与もできるはずだ。」
「おおお! 燃えた。でも、熱くない。」
火属性を付与したらしい。
火耐性が上がり、力(STR)が上昇した。
ちなみに風属性を付与するとスピード(AGI)が上昇する。
その他、光は生命力(HP)、闇は魔法力(MP)、雷は魔力(INT)、土は防御力(DEF)、水は器用さ(DEX)が上昇する。
後にエミリンは、この装備から『赤猫』や『火猫』という二つ名で呼ばれるようになった。
次に武器だ。
エミリンはバトルマスターなので使用する武器が多い。
エミリンのパワーや魔力に負けない武器にする必要がある。
今の鋼にミスリルコートした武器ではもう限界だ。
大剣、長剣、短剣、斧、槍、大楯、片手盾などをオリハルコン製に更新した。
さらに今までの武器を融合することで強度を増した。
その他、弓にはエルダートレントの枝を使った。
鏃はオリハルコンだ。属性付与も可能だ。
さらに矢筒には矢複製のスキルを付与した。
次はカリンだ。
カリンはスピードアタッカーなのでエミリン程の防御力は必要ない。
スピードを阻害せず、動ける装備が必要だ。
エミリンの鎧から極力オリハルコンの面積を減らし軽くした。
その分、ワイバーンの革を使っている。
付与はエミリンの防具と一緒だ。
色は黒に染めた。アサシンには闇に紛れる黒が良い。
白狼族の白髪のカリンには黒の装備は映える。
後にカリンは『
同じ読みの
武器もオリハルコンに更新した。
特に双剣の短刀と細剣(レイピア)は、切れ味を重視した。
メイン武器の弓はエミリンと同じエルダートレントを使ったが、アーチェリーのような洋弓型にし、握る部分にオリハルコンを使って魔力の矢を精製する魔弓にした。
俺の装備はカリンの鎧に近い。
その上にエルダーリッチから奪ったローブを羽織った。
ローブには魔力上昇の腕輪、魔力回復の指輪を融合させ、魔法攻撃力と魔法回復力を上昇させた。
俺のメイン武器の杖には、オリハルコンを使ったスタッフというタイプの身長ほどある杖にした。
そこにエルダーリッチから奪ったダークマターの杖を融合し、魔力回路をいじって闇だけでなく全魔法を強化する杖にした。
オリハルコンは、硬いだけでなく魔素との親和性が高く、杖にも適した素材であった。
魔道具にも適していると思うので後でサンドラ様にも分けて上げようと思う。
ちなみに2人は格好良い二つ名をもらったが、俺には『ポーション王子』や『ハーレム王』など恥ずかしい名前が付けられていたそうだ。
サリー様には真っ白なオリハルコンのフルプレートアーマーを作った。
それと武器は、オリハルコンの大剣と長剣、盾を作った。
もちろん白に着色している。
全ての装備には使用者制限と王家の家紋が刻んである。
オリビアには精霊の反物を使った聖女風ドレスに俺と同じローブと杖を渡そうと思う。
丁度、オリビアが帰ってきた。
「聞いてよ! あの子、可愛い顔してるのに怖いの! 私にゴブリンの首を落とせって言うのよ! プシャーって、緑の血が噴き出すと笑うのよ?! どっちが魔物なのか分からなくなったわよ。」
「ところで、レベルは上がったのか?」
「上がったわよ。Lv.10よ。そこまで上がらなきゃ終わらないって言うんですもの。必死でゴブリンを斬ったわよ。」
「オリビア用の装備も作ったから明日からこれを装備してね。これなら魔法が使えるから血が噴き出すところ見ないで済むだろう。」
「え? 私にも作ってくれたの? うれしい! ありがとう。大切にするね。」
「おう。」
意外と素直に喜ぶタイプだったのか。
ちょっとドキッとしてしまった。
「汗かいただろ? 風呂入っておいで。」
「え? 私、臭い??」
「ん-。ちょっとゴブリン臭いかな。」
「わかった! すぐに入ってくるね。」
よし、俺は晩飯を作るか。
今日は久々にカレーが食いたいな。
ジャスミンのカレー粉の香辛料の配合が楽しみだ。
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