第20話 イレギュラー
5階層のラストボス部屋の扉を押し開けた。
そこには情報通りのハイオークが仁王立ちで待ち構えていた。
*鑑定
名称: ハイオーク
ランク: E+
特徴: 2足歩行する豚顔の魔物。オークの上位種。
特技: 強打、身体強化
ドロップ: 魔石、オーク肉、革、宝箱
「俺が魔法で先制攻撃するから弱ったところを2人でトドメを刺してくれ。ライトニング!」
俺の魔法と同時に2人がボス目掛けて走り出した。
「バキバキ、ドカーン!」
稲妻がハイオーク落ち黒焦げとなり、煙となって拡散してしまった。
「はぁ? 何をしてるのよ! 私の出番が無かったじゃない。」
俺の魔法はオーバーキルだったようで一撃で倒してしまい、エミリンがカンカンに怒っている。
俺だって一発で終わりだとは思わなかったし。
だって、ボスだから強いと思うじゃん?
エミリンに叩かれていると、拡散した煙がまた中央に集まり出した。
「エミリン、カリン。何かおかしいぞ。また煙が集まってきている。復活するぞ。」
「今度はアトムは見学だからね! わかった?!」
「わかったから戦闘に集中してよ。カリンもね。」
そして、数秒後に煙の中から一回り大きくなったオークが現れた。
*鑑定
名称: オークソルジャー
ランク: D
特徴: 2足歩行する豚顔の魔物。ハイオークの上位種。
特技: 剣術、強打、身体強化
ドロップ: 魔石、上オーク肉、革、オークの短剣、宝箱
さらにもう一体のオークソルジャーが出現した。
「右をエミリンに任すから、俺とカリンは左に集中しよう。ブースト!」
ブーストによりエミリンのステータスが上昇した。
「わかったわよ。2体はきついから仕方ないわね。」
右側のオークに向かってエミリンが加速した。
俺とカリンは左側に集中する。
カリンの投げナイフがオークの足に刺さり、動きを止めた。
「ファイアスピア!」
そこに炎の槍が着弾し、燃え上がる。
エミリンは、オークの剣をかわしつつ、斬りつけダメージを与える。
ダメージが蓄積し、膝をついたオークの隙を見逃さず、エミリンが首を刎ねた。
そして、3体分のボスドロップアイテムが辺りに散らばった。
「宝箱が3つあるからみんなで1個ずつ開けようじゃないか。」
宝箱からは鋼の剣、疾風の靴、精霊の反物が得られた。
*鑑定
名称: 鋼の剣
ランク: E
特徴: 中級冒険者が購入する一般的な剣。STR+50。
購入:10,000G、売却:5,000G。
*鑑定
名称: 疾風の靴
ランク: C
特徴: 装備すると素早さが上昇する。AGI+100。売却:10,000G。
付与: 風魔法
*鑑定
名称: 精霊の反物
ランク: A
特徴: 魔力を帯びた糸で織った反物。肌触りが良い。汚れない。
蒸れない。肌着に最適。
この布で作った衣服は魔法防御が上昇する。
INT+50、DEF+50。売却不可。
付与: 魔法耐性、風魔法、クリーン
『渚さん。反物を使ってシャツとパンツをお願いね。エミリンとカリンのインナーも作ってやってくれ。』
『了解しました。』
「ボスも倒したし、帰ろうか。」
「そうですね。お疲れさまでした。」
「・・・。」
エミリンは、まだ不完全燃焼らしい。
あれ? 帰還用の魔法陣が現れないぞ?
するとダンジョンが揺れ始めた。
そして、部屋の奥にあったダンジョンコアが光り出した。
「え? 何が起こっているんだ?」
「アトム! 何をしたの?!」
「何もしてないから。カリンも近くにおいで。これから何が起こるか分からない。」
何故かダンジョンウォークが発動できなかった。
俺達は、ボス部屋の中心で揺れが治まるのを待った。
背後で激しく発光したので振り向くと、ダンジョンコアがゆっくりと上昇し、床に穴が開いた。
そこに吸い込まれるようにダンジョンコアが落ちていった。
「ねぇ、アトム。ギルドでコアに何かすると大罪人になるって言ってたわよね? これって、私たちの責任かしら? 私、怒られる嫌よ?」
「俺たちはボスを倒しただけでコアを破壊したわけじゃないから怒られはしないだろう。たぶん?」
「アトム様! 見てください。階段が現れました。」
ダンジョンコアがあった場所に下り階段が現れた。
新たに現れた階段を降りるべきか悩む。
「もちろん、行くわよね?」
エミリンが尻尾を千切れんばかりに振り回している。
意外にもカリンの尻尾を揺れている。さすが戦闘民族の白狼族だ。
二人とも新たに現れたルートにワクワクしているようだ。
仕方ないな。行くか。
ゆっくり警戒しながら階段を降りると森林が現れた。
隠し部屋というよりも新たな階層が追加されたという感じのようだ。
そして、現れたのはハイオークとオークソルジャーだ。
一体ずつであれば問題ないが、複数で現れるとギリギリの戦闘となる。
良い訓練になるとエミリンが次々と斬り倒していく。
カリンは投げナイフだけでは不足のため、短剣で応戦している。
俺はもちろん魔法だ。
エアカッターで首を落としていく。
そして、オーク肉がどんどん貯まっていく。
今晩はどう料理しようか悩むな。
振り返り2人を確認するとバーサーカー状態でオークを皆殺しにしていた。
獣化した2人は、魔物を殲滅するまで止まらないんだ。
ケガもしていないようだし、見守ることにしよう。
新たなエリアは魔物の量も多い。
経験値的にもおいしい。
みんなレベルが上がったようだ。
しばらくして狩り尽くした2人が戻ってきた。
「アトム。お腹が空いたわ。帰るわよ。」
「アトム様、階段を見つけました。まだ下に階層があるようです。」
「じゃあ、下の階層を覗いてから帰ろうか。」
7階層を覗いてから帰宅した。
『ステータスを確認してください。職業が進化しましたよ。』
「ほぇ?!」
「アトム、変な声出さないでよ。驚くじゃない。」
「エミリンさん。そっとしておいてあげてください。」
ちょっと! カリンは何と勘違いしているんだ?
*ステータス
名前: アトム・ハリス
称号: ハリス伯爵家長男、ハーフエルフ、Dランク冒険者
職業: 大錬金術師
性別: 男
年齢: 15歳
レベル: 25→30
HP: 420→460
MP: 800→880
STR: 120→150
INT: 750→820
DEF: 110→180
AGI: 150→210
DEX: 580→630
Luck: 100
スキル
錬成、錬金ボックス、神眼、分解、合成改、抽出、付与、解析改、
リスト、複製、魔力操作、亜空間工房、調理、裁縫
魔法スキル
生活魔法:ファイア、ウォーター、ウィンド、ライト、クリーン
全初級属性魔法:火▽、水▽、風▽、土▽、氷▽、雷▽、光▽、闇▽
全中級属性魔法:火▽、水▽、風▽、土▽、氷▽、雷▽、光▽、闇▽
全上級属性魔法:火▽、水▽、風▽、土▽、氷▽、雷▽、光▽、闇▽
空間魔法:スペース、テレポート、ゲート、ダンジョンウォーク
時魔法:ヘイスト、スロー、タイマー
重力魔法:グラビデ、ライト
契約魔法:奴隷契約、眷属契約、主従契約(テイム)
ユニークスキル
異世界言語、全魔法適性、
神眼: 神と同等レベルの詳細を確認できる。隠蔽されていても看破可能。
合成改: 魔石の合成も可能。低級魔石を10個集めれば上位の魔石を合成できる。
解析改: 遺伝子レベルの解析が可能。遺伝子操作で新種を生み出すことも
可能だが、危険な新生物の誕生は規制されている。
裁縫: 布から衣服を作製する。
全上級属性魔法:火魔法▽-
水魔法▽-
風魔法▽-
土魔法▽-
氷魔法▽-
雷魔法▽-
光魔法▽-
闇魔法▽-
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