第8話 魔剣錬成

*ステータス

 名前: アトム・ハリス

 称号: ハリス男爵家長男、ハーフエルフ

 職業: 錬金術師

 性別: 男

 年齢: 7歳

 レベル: 10


 HP: 250

 MP: 650

 STR: 50

 INT: 630

 DEF: 60

 AGI: 50

 DEX: 400

 Luck: 100


 スキル

  錬成、錬金ボックス、鑑定眼、分解、合成、抽出、付与、解析、リスト、

  魔力操作、隠蔽


 魔法スキル

  生活魔法:ファイア、ウォーター、ウィンド、ライト、クリーン

  初級火魔法:ファイアボール、ファイアストーム、ファイアウォール

  初級水魔法:ウォーターボール、ウォーターカッター、ウェーブ

  初級風魔法:ウィンドカッター、トルネード、エアカーテン

  初級氷魔法:アイスニードル、アイススピア、アイスウォール

  初級光魔法:ヒール、キュア、ホーリーアロー

  空間魔法:スペース(空間拡張)、テレポート(空間転移)、

       ゲート(空間接続)

  時魔法:ヘイスト(加速)、スロー(減速)、タイマー(時間管理)

  重力魔法:グラビデ(加重)、ライト(軽量)

    

 ユニークスキル

  異世界言語、全魔法適性、共に歩む者



『名前、職業、性別、年齢以外は鑑定不可状態に隠蔽しておきました。あなたのスキルやステータスは7歳児としては異常です。見られたら騒ぎになること間違いなしです。自分の異常性を自覚しましょう。』


「俺もそう思うんだけどさ。おそらく転生特典だろうけど、神様からのメッセージが無いから不安なんだよ。」


晩御飯の時間になったので借りた父さんのマジックバッグを持ってリビングに向かった。


「父さん。先程お借りしたマジックバッグですが、時間経過を半分にする魔法を追加付与しておきました。」


「お前は本当にとんでもないことをサラッとやるな。食糧が2倍長持ちするってことか。凄いじゃないか。ありがとう。これで王都への旅が楽になるよ。」


本当は時間経過無しにしてあげたかったのだが、今の俺の力では半減が限界だった。


「王都まではどれぐらいかかるのですか?」


「何事もなければ馬車で2週間だ。途中、魔物や盗賊に遭遇することもあるんだ。それに天候の影響もある。だから予定通りには行かないんだよ。アトムも行きたくなったのか?」


「いや、僕は中級ポーションをたくさん作って普及させる使命があるので。」


神からのメッセージが無いのでポーションの普及が自分の使命だと勝手に決めました。

じゃないと不安で潰れそうです。


「そうか。伯爵になると度々王都に行かなければならないので次の機会にしよう。」


「考えておきます。ところで、母さんがいつも付けている指輪に付与魔法をかけても良いですか? 試したいことがあるんです。」


「ええ。構わないわよ。良いわよね?」


「それは母さんと結婚するときに俺が贈ったものだから壊さないでくれよ。」


結婚指輪だったのか。

父さん、まだ愛されているみたいで良かったね。

母さんの指輪に触れ、付与魔法を発動した。

渚、アイテムボックスの付与をよろしく。


*鑑定(付与前)

 名称: 幸運の指輪

 ランク: C

 特徴: 装備者に幸運をもたらす指輪。Luck+50。

     ダンジョン産アイテム。価格100,000G。作者不明。

 付与: なし


やばいぞ。結構なMPを消費している。

まだアイテムボックスの付与は難しかったかな。


*鑑定(付与後)

 名称: 幸運の指輪(改)

 ランク: B

 特徴: 装備者に幸運をもたらす指輪。Luck+100。

     亜空間(各2mの立方体)に収納可能。時間経過半減。重量不感。

     状態異常に強くなる。

     簡易的な物の鑑定ができる。

     スーザン・ハリス専用。アトム作。

 付与: アイテムボックス、状態異常耐性、簡易鑑定


『さらに2つ付与しておきました。MPを半分使いましたね。リスト化したので次回からはもっと楽になります。』


「母さん。指輪に魔力を流すイメージでスプーンを収納すると考えてください。」


「え? わかったわ。スプーンを収納と。」


母さんの手にあったスプーンが消えた。


「え?? どういうことなの?」


「説明不足ですね。指輪に収納魔法のアイテムボックスを付与したんです。今の僕の力では、そこのクローゼット程度の広さの容量しかできませんでした。それと状態異常耐性と簡易鑑定も付与しました。指輪を鑑定してみてください。」


「本当に鑑定ができるようになったわ。アトムちゃん、凄いわね。ありがとう。お着換えとかを入れておくわね。」


「さすが俺の息子だ。」


「いや、アトムちゃんは私の子よ!」


欲しそうな顔で隣で見つめているチョロミンの口のそっとチョコを投げ入れた。

途端に笑顔になった。


「サラ母さんには明日付与しますね。今日はMPを消費し過ぎてしまったので。」


「私にもアイテムボックスを? 有難いけど良いのかしら?」


「もちろん。サラ母さんも僕の家族なのですから。」


「ありがとう。エミリンと結婚すれば本当のお母さんになれるんだけどね。」


後半、声が小さくて聞き取れなかったが嫌な予感がしたので聞き返すのは止めておいた。

エミリンは猫耳なので聴力が高い。

そのため、エミリンには聞こえたらしく、モジモジしていた。


「渚、母さんがとっても喜んでいたよ。ありがとう。」


『それは良かったですね。ところで錬成の熟練度は十分なのですが、魔法の方は全く成長していません。そろそろ魔法の方も頑張っていただきたい。』


「錬成にも影響するって言っていたね。戦闘職でもないから魔法はそれなりで良いかなって思ってたんだが、練習しようかな。強くなれば自分で素材を取りにいけるか。もし、エミリンが冒険者になるって言った時も手伝えるし、頑張ってみるか。」


生産職で良いかなと思っていたが、ちょっと冒険もしてみたくなってきた。

せっかく剣と魔法の世界に生まれ変わったんだし、冒険しよう。


「そうだ。武器って錬成可能かな? 父さんが王都に向かう前に作ってあげたいんだ。」


『可能です。今、倉庫にある材料では鋼の剣が作製可能です。全MPを消費すれば表面コートぐらいのミスリル銀を確保するぐらいはできますが、どうしますか?』


「じゃあ、寝る前に全MP使ってミスリルを錬成して。」


『了解しました。それではお父様の剣を鑑定しておいてください。それに長さや重心位置に要望があるか聞いてみてください。』


リビングに行ってみるとまだ父さんが寛いでいた。


「父さんの剣を見せてもらっても良いですか?」


「構わんよ。この剣はダンジョンボスからドロップしたんだ。メンテナンスしながらもう10年ぐらい使っているんだよ。」


*鑑定

 名称: ミスリルソード

 ランク: B

 特徴: 鉄の剣にミスリル銀をコートした長剣。STR+200。

     ダンジョン産アイテム。価格3,000,000G。作者不明。

 付与: なし


10年じゃ、そろそろ限界に至って折れるかもしれないな。

やはり新たな剣を作ってあげよう。


「もう少し長い方が良いとか、重心が先端にあった方が良いとかありますか?」


「ん? まあ、この剣に慣れているからな。でも、もう少し長さが欲しいのと軽すぎるんだよな。そのくらいかな。あと、前より切れ味が落ちてる気がする。もしかして、俺に新たな剣を買ってくれるのか?」


「いいえ。もしかしたら、僕に作れないかなと思いまして。期待しないで待っていてください。」


「おお、わかった。無理しないで良いからな。」


その夜、全MPを消費し、ミスリル銀を錬成した。

かなり無理をした。


翌朝、全回復したので早速剣の錬成を始めた。

渚、よろしくです。

まずは鉄から鋼を錬成し、父さんの剣の形をイメージした。

ミスリルをコートし、形を前世の魔剣のイメージに修正。

鞘も作ってと。

鍛冶師さん、ごめんなさい。

僕は簡単に剣を作ってしまうようです。


次は付与だ。

切れ味UP、貫通力UP、魔力伝導率UP、クリティカル率UP。

このぐらいで良いかな。

鞘に自動修復を付与した。

クリティカルヒットは、攻撃時に稀に2倍のダメージや致命傷を与えるものだ。

その発生確率を上げるのが、クリティカル率UPだ。


収納から剣を出す。

渚、素晴らしい出来です。

超カッコイイです。

ありがとうございます。


*鑑定

 名称: 魔剣ミスリルソード

 ランク: A

 特徴: 鋼の剣にミスリル銀をコートした長剣。STR+300、DEX+100。

     魔力を注ぐことでさらにSTRが100アップする。

     属性魔法の付与が可能な魔剣。アトム作。

 付与: 切れ味UP、貫通力UP、魔力伝導率UP、クリティカル率UP、


朝練をしていた父さんに剣を試してもらおう。


「父さん。微調整するので剣を振ってみてください。」


「おお! すごい剣じゃないか! もらっても良いのか?」


「もちろんです。」


父さんが舞うように俺の剣を振る。


「長さは丁度良い。もうちょっと重いと良いかな。重心はもう少し根元に。」


再度、剣を錬金ボックスに収納し、重力魔法を使って重さと重心の調整をした。


「今度はどうですか? それとこの剣は魔剣ですので魔力を注ぐと切れ味が増します。斬撃も飛ばせます。さらに折れても欠けても鞘に入れて魔力を込めれば自動修復が発動し直ります。だからメンテナンス不要です。あと、父さんは火魔法の適性があるので火魔法を付与すれば炎の剣にもなりますよ。」


先程、父さんを鑑定したら火魔法の適性があった。


「なんだって!? 俺に火の適性があったのか! そうか、火魔法の適性が。。。 今から習得できるだろうか? それにしてもアトムは凄いな。魔剣まで作れちゃうんだな。剣はとても良い感じだ。手に馴染む。それにカッコイイな。」


こんな近くで父さんが剣を熱く語り、子供のように燥いでいるのにエミリンは興味無しで欠伸をしていた。

エミリンにも剣を作ってあげようと思っていたのだが、この調子では喜びそうにないな。

ケーキを作ってあげた方が喜びそうだ。


数年後に父さんは炎の魔剣豪という2つ名で呼ばれるようになる。



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