第6話
帰るなり祖父母に訴えた!
王子に毎日会いに来いって言われた~
行きたくない!イヤだ、イヤだ、イヤだ~泣きわめいた。
祖父母は今回も「大丈夫だ!王家が何を言ってこようが行かなくていい。」と言ってくれた。
嘘泣きだが、もう今回で泣いて訴えるのも4回目だ。
あの生意気な言動は王子としてどうなんだ?
ゲームの第一王子は表情の乏しい寡黙な青年だったが、ヒロインに出会ってからは照れた笑顔をヒロインにだけは見せるようになっていくんだよね。
今の王子を見ていると寡黙な青年に育つイメージには見えない。
それとも悪役令嬢の私が婚約者候補だったのが原因で、そうなってしまったのか?
それなら余計近づかない方がいいだろう。
泣いて嫌がる私を見ているアランも第一王子の言動には、いい印象がないようで自分からは近づこうとは思わないそうだ。
いつ悪役令嬢が第一王子の婚約者候補になったのか、ゲームでは分からなかったが学園に入学した時には既に婚約者候補になっていた。
それまで逃げ続けていればいいだろう。
それからも私とアランの教育は続いていたが、特に力を入れたのが近隣諸国の外国語と各国のマナーだった。
地頭がいいのか、まだ若いからかエリザベートの脳ミソはどんどん知識を吸収することが出来た。
最悪、ゲームの強制力で逃げるしかない状況になったとしても、この国から脱出した後のことを考えると必ず必要になると思ったからだ。
もともと我が家の営む商会が各国にあるのだから、行先には困らないはずなんだが、もし家族からも見捨てられた時には商会に頼ることも出来なくなり、1人で生きていくしかなくなる。
大好きな両親、祖父母、それにアランと離れるのは嫌だが、もしかしたら悪役令嬢の幸せはこの国では得るとこが出来ないのかもしれない。
私(悪役令嬢)が幸せになる為の努力は惜しまない。
何が修道院だ!
第一王子のルートしかクリアせずに売ってしまったのが今になって後悔している。
他のルートを選んでいたら悪役令嬢の結末も修道院だけでなく、娼館送りや、平民落ち、毒殺、陵辱、撲殺、刺殺、乙女ゲームあるあるの結末があったかもしれない。
そんな結末冗談じゃない!
攻略対象者からも断罪からも逃げ切ってやる!
今はゲーム開始前の準備期間だ。
名前しか出てこない悪役令嬢のように、金遣いが荒く、傲慢、優しさの欠片もない令嬢にはならない。
断罪されると知っているのに、同じことをするバカはいない。
アランを除く攻略対象者だけで、勝手にヒロインとラブラブ、イチャイチャしてくれ。
私とアランを巻き込むな!
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