第4話
8歳になった。
今年も王家からお茶会の招待状が届いた。
行きたくない。
仮病も考えたがアラン1人を行かせる訳にはいかない。
今回も前回と同じように挨拶だけした後は適当にお茶をして帰る予定だ。
辺りを見渡すとあいかわらず王子二人を囲む令嬢たち。
まだ子供だとゆうのにしっかり化粧をして、香水の匂いをさせている。
前世では小学生だよ?まだ子供じゃん!
ま、私には関係ないからいいか。
あらあら、アランてば口のそばにクリームがついてるのに気づかずお菓子を頬張っているわ。
私に言わせればこの姿こそ子供らしいと思うんだけどね!
そっとアランの口もとをハンカチで拭き取る。
照れながら素直にお礼を言うアランは今日も天使♡
せっせとアランの世話をする私も大概ブラコンだ。
今回も何事もなくお茶会会場を後にする。
馬車に乗り込む寸前「おい!待て!」と聞こえた。
デジャビュ?振り向くとやはり第一王子がいた。
「お前を僕の婚約者に選んでやる!有難く思え!」
「嫌です」
速攻馬車に乗り込んだ。
なんなんだ!
ゲームの第一王子はあんな横暴な言い方をするような人物ではなかった。
どちらかと言えば、表情は乏しく寡黙な人物だった。
私には関係ないわね!
今年は両親が留守のため祖父母に泣きついた。
「婚約者に選んでやるから有難く思え」って言われた~
絶対イヤ!絶対にイヤだ~と泣き叫んだ。
もちろん祖父母は、「大丈夫だ!王家になぞ可愛いエリーを渡すものか!」と言ってくれた。
ふふふっ 嫌だと泣きながらアピールするのも今回で3回目。
婚約者候補にさえならなければ断罪されることもないよね?
だいたい好きでもない男のことで嫉妬するはずが無い。
もちろん虐めをするつもりもない。
取り巻きもいらない。
アランがいればいい!
このまま私はモブとして学園を卒業するまでは、目立たず生きていこう。
心配なのはアランなんだよね。
今でさえこんなに可愛いのに、学園に入学する頃には超絶イケメンに育ってるのは確実!
パッケージでもそうだった!
王子とか攻略対象者に近づかずかせないようにしたいが、侯爵家嫡男の立場からして無理だろう。
それに、ヒロインと出会ってしまえばゲームの強制力によって私との今の関係が壊れてしまうかもしれないと不安になる。
今のアランを見る限り大丈夫だとは思うんだけどな。
学園に入学するのは、まだ7年も先だ。
それまでに何かいい手を考えよう。
時間はまだある。
この年から我が家の取り引き先である、近隣の諸外国の言葉と作法やマナーなどの教育も始まった。
アランは次期侯爵家当主だ。
何れにしても商会を継ぐ者として学ぶことは膨大にある。
私もアランと一緒に学んでいる。
どんな知識も無駄にはならないだろう。
考えたくは無いが、ゲームの悪役令嬢には国外追放もあったからね。
本当に追放されても生きていく為に知識だけは身に付けておいた方がいいだろう。
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