第3話

7歳になった時も王家からお茶会の招待状が届き参加させられた。


まだ幼くても婚約者がいる令嬢は参加は任意になるが、王家には王子が2人いる。

その為、令息たちは参加せざるを得ない。


どこで攻略対象者たちに遭遇するか分からない会場では、挨拶を済ませてしまえば目立たないようにアランと茶菓子だけを堪能して過ごしていた。


義務も果たした事だし、そろそろアランと帰ろうと、お茶会の場に付いていた王宮のメイドに我が家の馬車を呼ぶようにお願いしてから会場を後にした。


馬車に乗り込む寸前に後ろから「おい!待て」と声をかけられた。

振り向くと第一王子がいた。


その王子が私に指をさしながら言ったのが「見つけたぞ!お前は僕の婚約者になれ!」だった。

「嫌」

と言って速攻で馬車に乗り込んだ。


冗談じゃない!

断罪されるのが分かっていて婚約者なんかになる訳が無い!


アランが心配そうに見てくるが、「大丈夫よ」と微笑んで頭を撫でてあげる。

安心したのか、アランのふにゃ顔が本当にかわいい!


その後の王子のことは知らない。



そして今回も両親と祖父母に泣きつくことは忘れない。


「王子に婚約者になれ!」って言われた~

イヤだイヤだ~と大泣きした。

もちろん両親も祖父母も王家が何か言ってきても守ってあげると今回も約束してくれた。


ふふふっ、これは王子の婚約者が決まるまでは続けるつもりだ。



来年のお茶会までに、王子たちの婚約者が決まりますように!

どこかにいるかもしれない神に祈る。




それからも、アランとの仲良し姉弟ライフを楽しんでいた。


相変わらず甘やかしてくる両親と祖父母だが、我が家は大商会を営んでいる。

ずっと人任せではいられない。

父だけは数ヶ月留守にすることは今までにも何度もあったが、私達も7歳になった事で母も父について行くことになった。


父と母は結婚して何年も経つのにいまだにラブラブだ。

安心して祖父母に預けられるのだ、そりゃあ数ヶ月も離れているのも辛かろう。

そこは私達も納得している。

もちろん両親からの愛情を疑ったことはない。


ついて行くといっても、年に何度かは両親揃って帰ってくるそうだ。


祖父母との留守番になってしまうが精神年齢18歳の私は平気だ。


心配なのはアランだったが意外と両親を恋しがることも無くいつも通り私にベッタリだ。



私たち双子は髪色と瞳の色は同じだが、アランは父に似て、私は母に似ている。


紫がかった銀髪、赤みがかった紫の目、私は母に似て目が少しキツイ。

対して、アランは父に似て目が垂れ下がり気味の優しい顔立ちだ。


アランは笑った時の顔は天使かと思う程可愛いのだ。

そして、アランは攻略対象者だけあり将来はイケメン確定だ。


今の可愛いアランから嫌われるなんて有り得ない!


生きる気力さえ無くすかもしれない。


だから、私は悪役令嬢にはならない!


イザとなったらここから逃げてやる!

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