捨てられたのはそんなひとときのためか

バブみ道日丿宮組

お題:捨てられた靴 制限時間:15分

 どうでもいいことなんて、基本的にはない。

 何事にも意味がある。どこかで死に生きる。それは決まった役割がある。

 運命といってもいい。

 幸せになれる人は最初から決まってて、不幸せになる人も決まってる。

 生まれた時点でもう未来は終わってる。

 僕は、そうした世界で生きてる。

 何度踏まれようと、何度差し込まれようと、我慢するしかない。

 一つだけ良かったことといえば、避妊薬をそいつらが渡してくれることだ。

『お前には孕んでもらっては困る。周りにお前を抱いたとかバレたくないしな』

 痙攣して動けない僕を見ながらそいつらは散々いった。

 脱がされた制服を着直して、外に出る。


 夕暮れーー赤い空。


 まるで血みたいだ。

 僕から血が流れるのはもう終わった。

 はじめてなんて過去のものだし、こちらの痛みなんてものはさほど意味を持たない。

 ただわかるのは、はじめては父親だったってこと。

 今ではそんな父親も家にいない。

 母親も妹もいない。

 家というのは、変わってしまった。

『おかえりなさい』

 裏社会の中に僕は変わった。

 彼らは僕に何が起こってるのかを知ってる。

 今は耐え時というやつらしい。

 娘として買われたというのに、娘が酷い目にあってるのに、親代わりは動かない。

 むしろ耐えてることを褒めてきた。

 わからない。

 なんでそんなことがまるでいいことのようにされるのか。

 家に入ると、僕担当のお抱えが消毒を開始する。

 お風呂に入れ、穴という穴を洗う。

 きれいになったところで、親代わりの前に連れてく。

 今日は何をされたのかをいう時間が発生する。

 最初は恥ずかしさしかなかったが、今ではだいぶ慣れてしまった。

 まるで武勇伝を話すように、口が回った。

 話終えると、頭を撫でてくれる。

 もうここにしか僕の居場所はないんだと、示す。

 家族は彼らしかいない。

 本当の家族はもういない。

 捨てられた家族を家族とは思わない。

 だから、僕がこの世界に生まれた意味を成し遂げようと思った。

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捨てられたのはそんなひとときのためか バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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