第11話:本音

「私は、物心ついた時から孤児院にいた」

 出だしを告げてから一息つく。記憶が戻っても親の顔など分からない。はっきりと浮かんでくるのは、机とベッドと設置されたパソコンがある以外には本当に何も存在していないないような、閑散とした一室だった。

「マンション型の、子どもに個室が与えられた孤児院。渋谷の交差点前にあるんだけど分かるかな? 傍から見たら環境がいいものに見えるかもしれないけど、正直言ってあの孤児院は孤独だ」

 那由は先生という人間にも、同い年の子どもにも馴染めず、孤立をし続けた。

「そんな経緯故か、人の役に立ちたい、人に認められたい、人から褒められたいという思いが人一倍強くてさ、学校ではひたすら勉強して、天才児とまで言われるようになった」

 その「天才児」という言葉が自分を表わしていることに気がつくのには随分とかかったと那由は呟く。

「でもね、天才児とまで言われた私は、気が付いたら人から褒められる立場ではなくなっていた。大人たちからさえ特別視されて。気が付いたら一般市民の輪から外されてしまったんだよ。できるのはもう当たり前……そんな特別な存在になってしまった」

 天才ゆえの孤立。那由を待っていたのはそんな現実だった。

「それから私はプログラムを組むことに夢中になって、自分自身でも社会から外れていった。そんな時だったの。名前のないプロジェクトから声がかかったのは」

 金田たちを睨む。本題はここからだ。

「政府とも関わりがある秘密組織。奴らは孤児院に根回しをして私の居場所を消し去った。当然頼る親もいない。友人もいない。私はプロジェクトに身を寄せるしか生きていられない存在にされてさ。おまけにプロジェクト長なんて名前まで与えられた。こうすることで強制的に私の仕事を増やして、余計に縛り付けていったんだけどね。ああ、名前のないプロジェクトがどんなものかっていうのを知らない人にも説明しておかなきゃね。名前のないプロジェクトは、ひたすら社会に必要とされるプログラムを作り出しては世に売り出す一つのチーム。合法的なものから非合法的なものまで多種多様なプログラムを作っては、各種企業や団体に売り出す。自分たち名義で何かを出すことは決してない。裏組織中の裏組織。そうして……笑うんだ。自分たちのプログラムに依存して、それなしではろくに生きられないような民衆たちをさ。自分たち天才を弾き出したような人間たちをさ」

 那由の冷めきった感情は、この組織に入ったことで余計に荒んだ。

 天才たちの集団は、民衆を見下すのにぴったりの場所だった。

「そんな時、ある事象が起きたとき人間がどのように動きどのような思考をするかをシミュレーションするシステムの作成を求められたんだ。知識をフルに活用して作り出す仮想現実。最初はそれの制作に私もやる気だった。面白そうだから。人の意識に干渉できる電子媒体とか外部の技術も取り入れた。でも、それもほぼ完成した時に、このプログラムの危険性に気が付いた。バグが起きて途中でプログラムがショートしてしまった場合、人々の意識だけがここに取り残される危険性がある。そうするとどうなると思う? 人間の意識の一部分だけずっと切り取られている……想定した二日間なら大丈夫だと判断していたけど、それが長時間続けば必ず本体の方にも影響が出てくる。意識がぼーっとして事故を起こしたり、強いストレスを感じて事件を起こしてしまったり、現実での人的被害は計り知れない」

 だから、止めよう皆を説得した。データも全て消そうとした。けれど、彼らはそれを許さなかった。

「プロジェクトの一部の人間は多少の犠牲は仕方がないだとか言って、計画を実行しようとした。それで……裏切り者の私は襲われた。この組織に道徳なんて求めるのはおかしいし、現に私にも道徳心なんてないけど……現実で人を刺そうなんて非常識すぎる」

 金田は相変わらず、だからなんだという顔をしている。一向に犠牲を気にしてはいない。那由の怒りが沸々と湧き上がる。

「刺されたときは痛かった。私の意見が聞き入れられなかったことは悔しかったし苦しかった。唯一私が頼れる組織がそんな最悪な状態だった。私の人生が滅茶苦茶になった一端は確実にあなたたちだ」

 もしこの組織に入らなければ……それは、今となってはただの妄想にしかならないが。

「役立つプログラムを作った時には、少しくらいは認めてくれたってよかったのに。当たり前だという目でしか私を見ない。私はあなたたち能無しよりもよっぽど仕事ができる。頭がいい。それなのに、損してばかり。理不尽なんだよ」

 那由は、今までは言えなかった怒りや文句を吐き散らした。

「今回のプログラムは本当はさ、地震による謎の電波障害が起こるというシナリオだったよね。でも、調べてみたら人工衛星にデータを食すウイルスがくっついていて人的テロかもしれないという流れに移っていった。私が作ったものから改変されているんだよ。しかも、あのデータを食すウイルスって私がこのプログラムデータを消そうとしたときに作ったものだもんね。一体どんな嫌がらせかな?」

 見覚えがあったはずだ。それは自分が全く別の意図を持って作ったプログラムだった。

「単なるつじつま合わせだ」

「それだけじゃないよね」 

 確かにただ地震によって電波障害が起きた、だけだと違和感はあるかもしれないが、それこそ一般市民はそんな違和感には気が付かない。

「もう一つ質問があるよ。何故あの時、私がちゃんと死亡したかどうかを確かめなかったの? どうして、今回私がこの病院にいるということがすぐに分かったの?」

 確かに那由は虫の息であったかもしれない。けれど、確実に死亡したことを確認する前に逃げ去った。さらに言えば、死んだと思っていたならばすぐに病院にいるなどと考えないはず。この病院にいるということなど、当然分からないはず。

「端から殺す気なんてなかったね。私は大事な大事な組織の頭脳だから。それだけじゃない。私は今回実験の道具にされた。記憶喪失……いや、実際は自己の記憶の否定による仮想空間での精神の分離か……それを、あなたは起こるかもしれないと予測していた。そのために、あんな風にわざとらしく追い詰めながら私を殺しにかかったんだ。そして、私がこの仮想現実で生きていることを想定して、私を陥れるような仕掛けまで作った」

 那由は、最初から彼の手の内だった。プログラミング技術に関しては那由の方が上かもしれないが、悪知恵に関しては金田の方が数倍上手だった。

「その通り。因みにお前が倒れていることを通報したのも俺自身だからな。ただ、精神分離が本当に起こるかどうかはかなり半信半疑だったが」

 自分で刺しておいて自分で通報。なんとも卑怯な手口だ。

「本当に悔しい。自分がこんな風に陥れられて、自分のプログラムに困惑させられて、それまで手の内だったなんてさ……はい、これが私の文句」

 恨みつらみを言っていた言葉をぱたりと切る。話から脱線する余計な会話だと分かっていて尚、那由は言葉にせずにはいられなかった。


「で、ごめん、話を戻すね」

 金田に向けていた目を逸らし、一度深呼吸をする。

「えーっと、停止したプログラムの復旧だけど。一番手っ取り早いのは問題となったバグの部分を丸々デリートしまうという方法」

「……さっき、こいつの言っていたことか」

 金田の男が那由のことをバグだと呼び、デリートしなければならないと告げたのは、比喩でもなんでもなくその名の通りのことだった。

 この世に同じ人間が二人いるという非現実的なな状態を解消するには、その人間を消せばいいだけ。

「でも、もう一人のお前が……殺されたところで、変化はなかったようだが」

 兵藤が言葉に詰まりつつ尋ねる。殺されたという言葉にはどうも慣れない。特に、その相手が目の前にいるのだ。

 ベッドの上で眠っていた那由。彼女の命が奪われた今もプログラムは停止し続けている。

「たとえ死んでも、あれが生きていたという事実は消えないでしょ? その死体だって存在する。一度認識してしまった事実は変わらない」

「あれ?じゃあ認識する前は……」

「シュレディンガーの猫と同じ……って言って分かる? 誰の目でも確認されていないものは事実にはならないんだよ。この世に地球外生命体がいるのかどうか、遠く離れた国でこの瞬間どれだけの人が生まれてどれだけの人が死んだか、そんなもの確認しない限り分からないでしょ?」

 しかし、確認してしまえば事実に変わる。

「てっとり早い方法は確認した全員がこの世界からいなくなってしまうことだね。そうすれば、今度こそなかったことにできる」

「いなくなるって……」

「死ぬってこと。まあ安心しなよ。所詮ここは仮想現実。こちらの世界で死んでしまっても本当の世界では生きている」

 だから、金田は臆することなく人を殺した。否、別に人を殺したわけではない。その人間は現実では生きているということだから。

 皆が息を飲む。現実では生きている……そう分かってはいても、命を絶つ経験はそうそうしたくはない。あまりに重い。

「ごめんね、私の所為で……みんなを巻き込む」

「そんな……そもそも那由同士が会ったのは俺が妙な作戦を立てたからで……」

「そうです。私たちも自分から那由さんたちに協力しようと……」

 皆のフォローも那由には痛かった。


「ははっ今になってお前に他人を気遣う感情が芽生えるなんてなあ」

 静かになった部屋に、嘲笑う言葉が響いた。金田だ。

 彼の隣に座る岬の方は、知らなかった金田の所業にガタガタと震えていた。岬には問題なくシミュレーションが開始されたことしか伝えられていなかったのかもしれない。時折「もう帰りたい」などとブツブツ漏らしている。

「何がおかしいの?あなたって……」

 事実を知った者の一人。共に命を絶つ必要がある。けれど、それに対する恐怖は見られない。やはり、人間的な感情が欠けてしまっているのか。

「必要ないんだ、そんなことは」

「え?」

「もっといい方法を用意してある。お前が考えられなかったバグ解消法だ」

 そしていつもの、嫌味ったらしい笑みを浮かべた。

「何?」

「要は、意識をリンクするプログラムだけが動いているこの状況が問題なわけだ」

 金田は徐に立ち上がった。いつの間にか彼を拘束していた電子手錠は外れており、立ち上がった衝撃でかちゃりと床に落ちてしまう。

「ちょっと……」

 愛奈が慌てて手錠を拾う。一体何をしたのか……手錠を見ても分からない。ただ絶対開かないはずの電子キーが開けられていることだけは確かだった。

 金田は愛奈の呼び止めなど気にせず、続きを話す。

「なら、このプログラムも強制的に停止させてしまえばいい」

「どうやって……」

 その方法はないはず。現に那由は思い浮かばなかった。

 すると金田は那由の前に立ち、何の前触れもなく彼女の頭をがしりと掴む。

「人の脳と脳を繋いで作ったネットワーク。それは即ち大きな蜘蛛の巣。一点を中心にして結びついている。ならばその中心となる一点を壊してしまえばいい」

「だからどうやって……だって脳に干渉するあのシミュレーターはこちらからは干渉不可能で」

「だったら、別の中心を作ればいいんだ」

 金田の言葉に那由の表情が固まる。彼の言葉で何かを察してしまったようだ。

「この意識のリンク、実はシミュレーターからある人物の脳を経由する形で構成されている」

「まさか……」

 那由は東京のある地点に設置した高性能シミュレーターの電波が直接人々の脳に作用していると……作用するよう作られていると思っていた。しかしその間に一人の脳を媒体として挟んでいる。無線lANのルーターのように。

 一体誰の脳か。そんなこと、金田の表情を見れば一目瞭然だ。

「松井那由。お前の脳だ。お前の脳の……脳波の動きが停止すると、意識のリンクプログラムが停止し、俺たちの仮想現実での意識も消滅するように仕組んである」

「それって……」

「この仮想現実において那由さんだけが死んでしまえばいいと……」

「いや、違う」

 愛奈の推測に、恭人は僅かに声を荒げて否定する。

「那由の脳を中心に仮想現実が作られているなら……脳波を止める必要があるのは仮想現実だけじゃなく……現実世界の那由も含まれる。そちらも止まらなければ意味がない」

 即ち、仮想も現実も含めこの世界の全てにおいて松井那由が死んでしまえば、万事解決というわけだ。

「……ははは。はは、そうか」

 那由の口から乾いた笑いが漏れた。

「誰か一人を軸にしてそれを殺せば、バグは解消される……それは、思いつかなかった」

 それは非人道的な行為だが、確実にバグを解消できる行為だった。

「馬鹿馬鹿しいほど簡単だね」

 屈辱だった。ここまで、自分は利用されていた。結局自分は殺される予定だったのだ。

「あの病室で寝ている私を殺したのは、その脳波を止めるため……でも、止めるためにはあっちじゃなくてこちらの意識のある私を殺さなければならなかった。だから、私を狙った……」

 彼は、確実に意味のあることをしようとしていた。そのことに、全く気が付かなかった。

「で、でも待ってください! この空間で那由さんを殺したとしても、現実世界とは関わりが……」

 ここで肉体的に殺されても所詮それは仮想世界のこと。現実の本体の命が奪われるわけではない。そう思ったのだが、那由は首を振った。

「通常ならね。でも私は核となる存在。今は仮想現実に意識を預けているから力を拡散させられるけど、そこから意識を放した後プログラム全体の力が脳にかかってしまえば……それが大きな負担となって現実でも脳は死ぬ。結局私はここで殺されることで現実でも死ぬようになっていた。要するに、頭に爆弾を埋め込まれているようなものだよ」

 那由の声が擦れる。

「そうか、私一人が今すぐここで命を絶てば解決かあ」

 笑っているのか泣いているのか、那由にももう分からない。

 皆に残酷なことをさせなくて済む。

 このプログラムを無事に終わらせることができる。

 しかし、悔しい。

 それ以上に……言葉にできないもやもやとした感情が渦巻く。


「離せ」

 那由の頭を掴んでいた金田の手が、隣から伸びてきた手によって振り払われた。

 パシリ、と乾いた音がする。

 聞こえてきたのは、憎悪に満ちた低い声だった。

「恭人……」

 那由は強い力で引き寄せられ、恭人に抱きしめられた。強引な動作に多少身体が痛いと思ったが、それより驚きがまさりどう反応していいのか分からない。

 視界に映るのは彼の身体のみで、自分の体勢がどうなっているのか、彼がどんな表情をしているのかも全く分からない。

「怖いなら怖い、嫌なら嫌……そう、はっきり言えばいい」

 頭に乗せられた彼の手は、強引な抱きしめ方とは一転、優しく那由を撫でる。

「言ったところで……」

「言ったところで結果は変わらない。もう選択肢なんてないから。そう言いたいのか?」

 言いたいことは、全て先読みされた。

「でも例えばお前が我儘を言えば……俺たちがお前を庇えば、お前は死なずに済む。命続く限りずっとこの夕日が沈まない世界にいるって選択肢もあるんじゃないのか」

「でも、それじゃあ多くの人が苦しんで……」

 恭人の手が止まる。彼もまた震えているかのようだった。

「そんなの、自分の命と天秤にかけることじゃない。一人の命は世界とは何の関係もない、切り捨ててはいけないもの。どれだけ絶望しても、周りにはその命を大事にしている人がいて……死んでほしくないと思っている。それを分かって欲しい」

「……それは、お母さんに言いたかった言葉?」

 恭人は自分と彼の母親を照らし合わせている。那由はそう感じていた。それに彼の言葉は全て母親相手の言葉に入れ替えることができる……むしろそちらの方が正しいような気がした。

「確かに母さんにも同じようなことを言いたかったかもしれない。でも、今はお前……那由に言っているんだよ」

 しかし、そんな予想に反して少しふてくされたような言葉が返ってきた。

「そうだね、怖い。怖いし、嫌だ」

 自分の感情に素直になるならば。

 一度生死の淵をさまよった那由にとって、再び死を受け入れるというのは尋常でない恐怖だ。そもそも死が恐ろしくない人間などいない。

 正直になれば見えてくる、心の奥底に渦巻く感情。

 ゆっくりと涙が零れ落ちてゆく。

「怖いよ……理不尽だと思う。別の選択肢があれば縋りたい。でも、どうにもならないんだ。このまま粘っても結局ここで餓死でもすれば終わりでしょ? 正直、こんなのを何で私が背負わなきゃいけないんだって……思うよ……でも、どうしようもないんだって言い聞かせて、そうしないと、どうにもならないから……」

 少しだけ、本音が漏れる。

 しかし、それ以上は口を噤んだ。

 このまま全て吐き出してしまえば自分は離れられなくなる。

 彼から伝わるその温もりにずっと身を寄せていたくなってしまう。

 今更、自分の気持ちに気が付いてしまった。


「あ、あの、もっと他の方法を探しましょう」

 愛奈が提案する。けれど、誰もそれに賛同できない。

 おそらく他の方法などない。

 諦めている訳ではないが、浮かばない。

 プログラムに関して人一倍詳しい名前のないプロジェクトの三人が何かを思いつけない限りは何か新しい案が出てくることはない。

「こんなことって……」

 愛奈の瞳からもぽろぽろと涙が零れる。ただ、残酷すぎる現実が辛かった。

「色恋沙汰は済んだか?」

 金田が懐から十五センチほどのナイフを取り出した。

「ナイフは取り上げたはず……」

 兵藤は慌てて取り押さえようとする。

「これしか術はないとまだ分からないのか」

 呆れられたように言われても、心では分かっていても、目の前で人が人に凶器を向けている様子を無視できるわけがない。


「重要なことを言い忘れていたけど」

 那由は恭人から離れ、兵藤に捕まった金田の手からすっとナイフを奪った。迷いのない手つきだ。涙はとっくに拭ってある。

「この仮想現実は人の潜在意識下で成り立っている。夢みたいなものなの。だから、これが崩れたとき、私たちの記憶に今回のことは残らない。薄っすらそんな夢を見たような気がするな……と思う人はいるだろうけどね。誰と話して、どんなことをしたのか……多分大部分忘れてしまう」

 ナイフを、しっかりと握りしめる。

「だからさ、全部忘れてしまうから大丈夫。ここであった辛いこととか恐怖とか、全部消えてしまうから。出会いも……全部、ね」

 那由は恭人の方を見て、精いっぱい笑って見せた。それが、最後の強がりだ。

 自分の気持ちは言わない。彼の気持ちも言わせない。

 誰の静止も聞かない。

 何かを考えてしまえば、怖くなってしまうから。再び泣きついてしまうだろうから。

 何も考えず、全て終わりにしてしまえばいい。

 那由は精一杯の力でナイフを自分の腹へ深く突き立てた。

 直後、擦れるような、くぐもった声のみが漏れた。


 今更痛みに対する恐怖がせり上がってきて、あの夜金田に刺された場面が嫌という程にフラッシュバックしてきて。薄れてゆく意識の中、恭人と出会ってここまでくる間のことがまるで走馬灯のように頭をよぎって。

 それから叫ぶ愛奈の声、笑う金田の声などがどんどん遠くなっていき。

 世界が、消えてゆく。

 情報は情報へと戻り、全ての偽物は消え、繋がれた意識は消失する。

 全てが途絶える冷たさの中に、僅かな温もりを感じた直後、那由の意識はぱたりと途絶えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る