第7話 : アクロバット
ベータが死んだ。
だが止まっては居れない。
再びNo,2率いるユーラシア隊は日本へと戻る。
飛空挺の中はやはり静かだった
日本領空内に入るまで何も会話は無かった。
「みんな...? 次は、オートラリアに飛びます。それまでの準備を...整えてください」
......。
No,2の指示に対して返事は無い。
だが、
「返事!」
「...はい!」」」」
[[本機はこれより着水します。お忘れ物の無いよう...ご注意ください]]
もう忘れて来たのだ...。
アフリカに......
タラップから降り、
グラウンドにて集合。
.........。
「くよくよしないッ! 前に進む為にッて! ベータも言ってたでしょうが! 彼は勇気をもって、決意を持って行動したんだよ? 私達も習うんだよ! 立派な彼に! 生き延びる為に......、だから...! そんな顔しない...! 失礼だよっ!」
言っている彼女、2も少し泣きそうだ。
だが、グッと堪えて...
「準備を終えて解散ッ!」
「はい!」」」」
皆、それぞれの機体の整備にかかる。
「...ねぇ、ガンマ...パラシュートパック、つけた方がいいかな...?」
「るッさい! 勝手につけなさいよッ」
「あっ...、ごめん...」
アルパは下がる。
デルタが近づき...アルパの肩に手を置く
アルパは頷くと、自身の機体に戻る
新受注のOst-Richのコクピットに、
ガンマは飛び込むと...
そのままハッチを閉めてしまった。
「ガンマ...?」
声をかけたのはイプシル
「今、フォーマット中ッ!」
「あ...、ごめんなさいぃ...」
首を傾げて、イプシルはダメだ...と
ジェスチャー。をする。
デルタは
「今日はゆっくりさせよう」
と伝えて、自機に戻った。
それぞれが成すことを成し、
寮へと戻る...。
そしてくつろいでつかの間、
[[アナウンスです...アナウンスです...ユーラシアPD隊の方は至急、第七ケージ
「何だ?」「なんだろうか...?」「大信...」
第7ならさっき出たばっかだが...
見れば既にガンマは居た。
そしてNo,2と...
「みんないるかな?」
「居ますが...」
「この人が...カラさんです?」デルタが聞く
「あ、この子は違うわ、新しくユーラシア隊に入る事になった...」
「ラムダです...。よろしくお願いします」
その少女は控えめに挨拶をすると、
No,2とアイコンタクトを取る
「....ま、まぁね新しい仲間だから! 優しくしてあげて!」
アルパ達はガンマをちらっと見るが、
そっぽを見ている。
だが、外に出ているという事は...
決意が決まったのだろう。
「了解」」」
遅れてガンマが...「りょーかい...」
「じゃ、今日は終わり! 寝る事! いいね?」
「了解...!」」」」
また遅れて「りょーかい...」
寮でアルパはデルタに聞く。
「ガンマ大丈夫かな...、新しい子の...」
「ラムダ?」
「それ! ラムダに強く当たらないかなーって」
「アルパが気にする事じゃないだろー」
「まぁそうだけどさ〜...これから生活する上で...特に戦場で喧嘩になっちゃったら...」
「それはこれからじゃん、分かんないでしょ」
「うーん...まぁそうか」
「ほら、寝るぞー」
「あっ! 電気消さないで!」
早朝。
滑走路に着陸している飛空挺に
機体が積み込まれて行く。
2機の飛空挺にそれぞれ2とデルタ、アルパ。
そしてガンマ、イプシル、ラムダだ。
飛空挺は、まだ日の昇りきらないその空を、
容易く登り上がり飛び立った。
「隊長....」
「なに〜?」
「もう飛び降りませんよね」
「分かんないよ〜?」
「じょ、冗談はよして下さいよ?」
ヴぃー! ヴぃー!
「何だ!?」
[[こちらこの飛空挺のパイロットだ...! 前方より未確認飛行体を確認した! PD隊は全員機体に乗り込んでいてくれ!]]
「飛行体?」
アルパが聞く前に、No,2は
船のコクピットに向かって走り出していた。
アルパ! 僕達はアストに乗り込んでおこう」
「う...うん!」
「未確認飛行体の情報は?」
『サーモレーダーに映るのみです。未だ目視で確認できず...』
「少し触らせて?」
2はサーモレーダーを
「解析、解析っと......あら」
解析レベルを上げることで、
だんだんと形が顕になる。
『どうか?』
「こりゃ不味いね」
翼竜型怪獣、それも前回の二倍サイズだ。
そして距離的には
もう見えていてもおかしくない...。
そもそも雲ひとつないはずだ。
そして、何故陸地外を飛行している?
「光学迷彩でもひっつけてんの?借りるわ、マイク!」
『ちょ!』
インコムのマイクをONにして、
機長の襟首をグッと引き、
その機長の付けているマイクに顔を近づけ、
[[みんな!いい?ユーラシア隊はこれからこの船の上で敵怪獣の撃退を図ります。準備出来次第、船のハッチを開けて船外へ、落ちないように上に乗るのよ?いいわね!]]
そうして襟首から手を離し、
「では行ってくるので...落ちないように!」
そうして飛び出して行った。
2が行ってから副機長はヒュウと口笛を吹く、
『前向け! 落ちるぞ!』
『へーい』
ガコォン....ハッチが開く。
先程のアナウンスはもう一機の船にも入る。
見ればハッチが開いているのが見える。
「行くわよ!」
「了解!」」」」」
ゆっくりと足の握力だけを頼りに、
飛空挺の上に登っていく...
アストリーチが3機乗っても、余裕がある。
やはり巨大な飛空挺に驚かされる。
サーモレーダーを頼りに、索敵。
敵は...
「真下です!」
「ありがとうアルパ!」
下方にマルチミサイルランチャーが火を噴く。
ばひゅうるるるるるっ!!
着弾!同時に怪獣は姿を現す。
「でかいなぁ...」
「隊長...」
「ガンマどうしたの?」
「降下しますッ」
「...了解。デルタとイプシルは上から頼みます。他も続いて」
かなり高度はあるが...
ガッ!
降下を始める。
相対速度は割とあっている為、
目標へ、ただ飛び降りるだけだ。
「怖いなぁ...」「ほら行けアルパ」
「うっ...行きます!」
ガッ!
ガンマ、2、アルパ、最後にラムダが
怪獣の上に飛び移る。
「ラムダ...頭をつぶすよ!」
「はいっ!」
ガンマとラムダが頭の方向へ進む。
ラムダ機の装備はプラズマスピア。
2は久々にそれを目にして、
懐かしさを覚えるが...。
首を振って集中し直す。
と、翼竜は突如身体を傾けた。
「こいつ!」
振り落とされないよう掴む事を優先する。
急に始まったバレルロールに抵抗する。
元の姿勢に戻り前進する。
頭付近までラムダとガンマが辿り着く。
ガンマ機が4連機銃を一点に集中砲火...
鱗を弾き飛ばす。
「頼んだよ!」
「はいっ!スピア展開!」
ばじゅううッ!
「でぇぇえい!」
じゅあッ!!!
深深と突き刺さる。
飛ばした鱗の分深く刺さり、
ぎゃあああああああああ!!!
翼竜は叫びをあげる。
「レールガン入ります?」
デルタから通信。
「撃ってッ!」ガンマはすかさず言い、
「了解」
未だ落ちる気配の無い翼竜。
その脳天を稲妻が突き抜ける。
ぎゅあああぁぁあっ!!!
痛みに耐えかね、
翼竜は滅茶苦茶な急上昇を始める。
その先には....!
「飛空挺ッ!」
「もしもし? 機長さん聞こえる? 回避して! 早く!」
『なっ...! 了解っ!』
間一髪の所で避ける。
「落ちてくれッ! ここに居たくない! 高いから!」
アルパが翼に砲撃...。
翼膜を剥がしていく。
No,2もミサイルを当て、翼膜を潰しに掛る。
次第に高度が下がってくる。
ガンマとラムダが首を切り落とし、
落ちる速度も速くなっていく。
飛空挺が後ろから近づき...
「みんな飛空挺に飛び乗って!」
ガンマとラムダが先にイプシルの元へ、
そしてデルタの所に2とアルパが戻る。
水面がかなり近づいて来ているが、
無事に撤収に成功。
2機の飛空挺は機首を上げて離脱する。
そして翼と頭を失った翼竜は海へと沈んだ。
「皆無事ね?」
「アルパ大丈夫です。」「デルタ問題ない」「ガンマOK」「イプシル無事です!」「ラムダ大丈夫ですっ!」
全員ちゃんと生きてる、
「ガンマ...いつの間にラムダと仲良くなったのよ?」
2が問う。
「一緒に風呂入って来たんだけど...趣味が合っちゃってさぁ! 好きな漫画一緒だしさぁ! これはもう仲良くなる以外無いっしょ!」
ガンマは元気でした。
「ですっ!」ラムダも元気に返事をする
「先輩に全力でついて行きますっ!」
「ほほぉ〜ラムダぁ〜この戦争生き延びるぜぇ〜!」「はいっ!」
「まぁ...立ち直って良かった...」
アルパはほっとする。
「復活してくれて天国のベータも喜ぶだろうな...」
「そうですね」
そうしてオーストラリアの陸地が見えて来る。
滑走路に着陸、
出迎えたのは何機かのOst-Rich
その中の一機の足元に居るのは...
「久しぶりッす! たいちょうさん!」
ユーラシア内陸部、
創造主軍本部"レヴィアサン"
〈分かった、〉〈海から来るか〉〈翼竜では落とされる〉〈あぁ、〉〈
------------------------------------------------------------------------------------------------怪獣紹介はこちら
怪獣
https://kakuyomu.jp/users/notunayo-exe/news/16817330651849976342
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