第2話「サンクチュアリ聖域〜忖度しない奴、あこがれる」
<注意>ネトフリのサンクチュアリ。
ネタバレあり! まだ見てないかたは、覚悟して!
それと、ちょっと残虐シーンあり、覚悟して!
ミサ:
サンクチュアリ、よかった〜。
ミツル:
スッキリしたよね、言えないことを言ってくれるというか、やれないことをやってくれるというか。
ミサ:
主人公、オゼキヨシ、しこ名が
ミツル:
親方にもタメぐちだからね!
ミサ:
企みがないのよ、他人に。
あの人が企むのは、父親のためにお金を稼ぐ企みだけ。
いいわよね、そこが。
ミツル:
惹かれる?
ミサ:
惹かれる。
ミツル:
惚れる?
ミサ:
惚れるわ、ちょっと。
あの新聞記者の女の子みたいに。
ミツル:
じゃあ、強くなるにしたがって、どんどん礼儀正しくなるのはガッカリじゃなかった?
ミサ:
違うのよ、どんどん礼儀正しく、他者を、伝統を認めることによって強くなっていったのよ。
まさに正統派、王道、カッコいい男なのよ。
そこを、
静内は分かっていたわ。
ミツル:
静内って、あのバケモノ級にゲキ強な巨漢力士だね?
彼は、男前で角界のプリンスの龍貴のことも見抜いていたよね。
猿桜のスキンシップは拒まないのに、肩を軽く叩こうとした龍貴の手は強く払いのけた。
ミサ:
静内のことを考えると、涙が出るの。
ミツル:
あのバケモノは、猿桜の耳を突っ張りでブッちぎっちゃったでしょ?
その立ち会いで、見合ってるときに「ニヤッ」で不気味に笑ったでしょ?
ミサ:
あれは冷酷な殺し屋の笑みじゃないのよ。
ぜんぜん違うの。
あのとき静内は、とても悲しくて苦しかったの。
ミツル:
どういうこと?
ミサ:
静内が少年だったときに、神社の桜の木の下で、お母さんが自殺したでしょ?
静内の弟を道連れにして。
お母さんが自分の首を包丁で切って、それを拾った静内が、ニヤッと笑ったでしょ?
ミツル:
うん。
とっても衝撃的なシーンだったよね。
ミサ:
顔にひどい傷跡がある静内は、
「ほんとに辛いときは、笑いなさい」
といわれて育ったの。
彼は感情をほとんど表情に表さない。
顔の三分の一がヤケドの瘢痕で固いからかもしれない。
でも、本当に辛いときはニヤッと笑うの。
お母さんと弟が目の前で死んだときも、お母さんに教えられた通り、ニヤッと笑ったの。
ミツル:
そうだね。
あの立ち会いは、彼にとってほんとうに辛かっただろうね。
「負けないとあの事件をバラすぞ」
と、ヘンなスジから脅されて。
ミサ:
ずっとお母さんのために頑張ってきたのよ。
お母さんが死んだあとも、お母さんのために勝ち続けてきたの。
弟の悪夢を見るのも、
「なんでお兄ちゃんは一緒に死んでくれなかったの」
って声が聞こえるんだわ。
自分だけ生き残って、自分は何のために生かされてるんだって。
ミツル:
なのに、八百長で負けろと。
ミサ:
どうしようもなく悲しくて。
振り切るために、メチャクチャな突っ張りで猿桜を葬ったの。
ミツル:
でも、それが猿桜を強くした。
忖度しない不良力士は、見事に壁を乗り越えた。
自分の力でね。
ミサ:
最高の男でしょ。
ミツル:
でもさ、ちぎれちゃった耳を縫う外科手術のシーンあったでしょ?
あれ、ちゃんとつながるようには思えない縫い方なんだよね。
ミサ:
そうなの?
そういえば、あんた形成外科病棟の看護師なのよね。
ミツル:
形成外科医は、あんなに荒い縫い方はしないし、上か下の耳介動静脈を吻合しないと、ちぎれた耳は生着しない。
つまり、血管吻合用の大きなオペ用顕微鏡がオペ室に登場しないといけない。
ミサ:
あらま、経費とスケジュールの都合かしらね。
ミツル:
まあ、それはドラマのクオリティをそれほど毀損していないけどね。
あと気づいたのはさ、登場する力士たち、けっこうお母さんがキーパーソンだよね。
ミサ:
そういやそうね、龍貴は最高のマザコン。
その母親自体もすごかったわね。
猿桜のお母さんも、これまた凄いし。
ヒモの黒人系ヤサ男、大好き、笑えた!
ミツル:
男はけっこうマザコンが多いと。
ミサ:
猿桜は、厳密にはマザコンとは違うでしょ。
ミツル:
マザコンの一種でしょ。
ミサ:
違うでしょ!
ミツル:
はいはい、笑。
ミサとミツルのMM対談 第2話 〜 おわり
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