ミサとミツルのよもやま対談

瀬夏ジュン

第1話「最後PKで決めるなら、はじめからPKすれば」

ミツルくん:

日本おしかった! 

涙腺崩壊した。

みんな良くやってくれた。

ありがとう!


ミサちゃん:

もう、最高にアタマくる。


ミツル:

まあまあ、そういわないでよ。

たしかにPK悲惨だったけどさ。

でも、あれは運だから。

オシムさんも母国で監督しててPKになったら奥に引っ込んだらしいよ。

全く見なかったって。

あれはサッカーじゃない、って。

選手がかわいそうすぎるって。


ミサ:

PKで優劣を決められるわけ?

日本が劣ってたなんて、あたしは思わない!


ミツル:

セルビアの監督してたストイコビッチさん、現役時代は「妖精」っていわれてて、すごい選手だったんだよ。

そのひとが、かつてWカップでファーストキッカー志願して、外したらしいよ。

南野選手と同じだよ。

メッシもPKは、4本に1本、しくじってるってさ。

あの史上最高の選手でさえ、そんななんだよ。

優劣じゃないよ。

ここは頑張った代表選手たちを、暖かくねぎらおうよ。


ミサ:

ぜんぜん納得できない。

PKの結果で日本が負けたなんて、ぜんっぜん思わない!!!。


ミツル:

あなたの負けず嫌いは知ってるけど、これはしょうがないでしょ。

延長でも決着つかなかったらPKってことになってるんだから。

PKで外しまくったら負けなんだから。


ミサ:

じゃあ、あんたはこの勝敗に満足してるの?

PKで決まったこの試合結果を尊重するの?


ミツル:

そういうことになるね、これがサッカーなんだよ。

延長で決まらなかったら、再延長、さらに再々延長、なんてこと不可能でしょ。


ミサ:

どうしてダメなの?

何時間でもやったらいいじゃない。


ミツル:

選手の身体のこと考えなよ、死んじゃうでしょ。

あと、時間がかかると他の試合にも影響する。

スタジアムが足りないとか、日程変更とか、人員、経費、もろもろ。


ミサ:

そういう都合でPKするわけね?


ミツル:

そうだよ、当然でしょ。


ミサ:

PKが至極まっとうな理由で行われて、その結果の勝敗を尊重するんなら、PKは合理的な立派なシステムということね?


ミツル:

その通り。


ミサ:

じゃあ、サッカーは最初からPKで勝敗を決めればいいわ。


ミツル:

はあ?


ミサ:

選手の健康のこと、サッカー場のこと、FIFAと開催国の日程計画、大会スタッフ、お金、もろもろのことに関して、一番合理的なのは、プレイをしないで勝敗を決めること。

ケガもしないし、お金もかからないし、時間内に終わる。

プレイなんてしないで、PK合戦だけのが一番いい。


ミツル:

なにアホなこといってるの。


ミサ:

もしも今、Wカップを宇宙人が見に来てたら、きっと同じこというわよ。

「最後PKで決めるのなら、はじめからPKすればいいですな」

って絶対いう!


ミツル:

頑張った選手たちを見て、悲しいんだね。

声上げて応援してたからね。


ミサ:

…………。(泣く)






PS:

昨日ブラジルを撃破! クロアチア、あなたがたは強い!!!(ミサ)

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