ep.43 シックスの激怒の理由を知った者達は…

 商業都市ヴァッカダロから

かなり遠くの海の孤島。


 シックスの第2アジト


マックスエル

「少し、待っていて下さい。

本人を呼んで来ます。」


と、言って3人を基地内の

ソファに座らせて

マックスエルは、部屋を出た。


(メイド・リリー視点)

風の風龍様のお告げ通り

確かに、いた!

謎の聖女マックスエル!


それが、シックス坊ちゃんだと言う。


抱きついた感触は女性かつ

体臭も骨格も違うが

お告げ通り、逃げなかったし

否定もされなかった。


実は、お告げの事は

王女マーナにしか

報告していない。


なぜか?

それは、話の内容次第で

シックス坊っちゃんと、

バルガード王国は戦争になると

お告げで言われたから。


そして王女マーナは、

全く別の系統のお告げに近いもので

この内容を、知らされているとの事。


あと、二人の女騎士は

後に合流する可能性が有るので

知らせてもいいと、風龍様から

言われている。


戦争になれば、どちらにつくのか?

と、イタズラっぽく風龍さまに

聞かれたが、答は決まっている。


だからこの事は王女マーナにも

言っていない。


王女マーナは、個人的に

なぜシックス坊っちゃんを

求めるのかを聞くと

国王とは別の動機があると話す。


本人に会えば、話すという。


恐らく、風龍さまが

私達双子にお告げを

したと言うことは、

その別の動機も理由に入っている

と言うことだろうから

黙っていたが…


はて、あの円形の動いている

金属の塊は何だろう?

部屋を勝手に回って…

え?ゴミを集めている!


な!なんて魔導具を!


坊っちゃん!凄すぎますよ!



(王女マーナ視点)

思い出せ!

思い出せ!


1.自分よりも、

完璧な女性だったとしても

嫉妬するな!


2.本人の希望があれば

何人でも妻を認めよ!


また、そうしないと

この世界は人口が減って消滅する。


3.自分の正体を、本人に言う事。


4.謝る事。

本人は、あれ以来全く

女性とは付き合っていない。


5.王家と、戦争になれば

どうする?


5.は、約束事ではなく…

どうするのかの選択肢の事だ。


つまり、覚悟しないといけない。


もう、間違えない!



(メイド・ルリー視点)

あの、頭ナデナデは

間違いなく、シックス坊っちゃんの

ものでした!


ハイ!

覚えてますよ!

風龍様のお告げどおりでしたね。


さぁ!戦争ですか!

やってやりますよ!


あと、あの女騎士達は

ついて来ませんでしたね。


つまり、王国と戦争になれば

向こうにつくと…


まあ…国王に拾われたと

言ってましたから

そうなりますか。


ドルチェさんは、私達の事を

覚えていますかしら?


私達は、やっと主を見つけた。


彼女は巫女を戻ったみたいですが

どうするのでしょうね?


まあ…里から訳のわからない事を

言って追い出された

精霊魔法が使えないエルフですから?

相手にしてくれないでしょうね〜。


しかし、風龍様は

なぜ動いたのか?


まあ…、雌伏の時は終わったと

言うことですから

里の奴らも、

覚悟してもらいましょうね!



(シックス視点に戻ります。)


ふ〜!

ルリーは間違いなく

俺だと、確信していたな?


まあ…、後で聞くか?

と、今!栽培を成功させた

緑茶を入れて持っていく。


シックスの姿を見て、

リリーとルリーは、目を潤和せ、

王女マーナは、緑茶を見た途端

何かのショックを受けたように

身体をビクつかせていた。


あれ?

あ〜!毒物と思ったのかな?


この世界では、緑茶飲料は見ない。

どちらかといえば、コーヒー豆に

近いものを飲む。


ケーキも出してみた。


さて、話を聞くか…。


カジっ!

リリー達に、また抱きつかれた!

う〜ん、嫌では無い!


そして落ち着いてから、

話が始まった。


メイド・ルリーが、語りだす

あの帝国の禁書魔法攻撃辺りからの

ルットライン候爵家の動きから、

話が始まった。


シックス

「あの執事は、

俺を事故死に見せかけて

殺そうと何度もしていた。


ビスガスもだ!

そして、ビスガスの部下ども!」


あえて、兄弟とは言わずに

部下と言う。


そして、ビスガスと言う。


そして、目の前の王女マーナに

ビスガスが、生きているのは

俺を殺そうとしている方針の

国王意向の現れなのに

なぜ、王位継承権第5位なんて

ものを設定した?


俺は、ルットライン侯爵家の存続は

俺を殺そうとしている姿勢を

黙認している証拠だと

しっかりと認識しているぞと

言った。



リリーとルリーは、

黙って、首を縦に振った。


そして、国王がなんと言おうとも

俺(シックス)についてくると

言うのだ。


もう、ルベイドは主ですら無いと

はっきりと言う。


王女マーナは

「国王陛下に、

会ってもらえませんか?


一度、あのダンジョンから

出られたときに、

騎士が迎えに寄越されたのですが、

何かの手違いで、

あなたは、あのダンジョンに

再び入る事になりました。


あなたが、虐待を受けていて

引き取りたいと言い出したのは

辺境伯ビルガー

グッソ元公爵

を、筆頭にする貴族達でしたが、

あなたの母親のビスガス夫人には

王家の血が流れていました。


王位継承権が、

あなたにもあったのです。


なので国王陛下は

それを重視して、国王陛下が

あなたを引き取ることにしました。


恐らく、ステータスプレートに

書かれている王位継承権5位は

引き取る事が本当だという事の

あらわれです。


ルットライン侯爵家は、

今は実質的に活動していません。

侯爵自身は、3年以上に渡る

謹慎処分になっています。


あなたの兄弟達も、床に伏してます。


国王陛下は、あなたが望めば

すぐに、沙汰を下すでしょう。」



その時、おれはこの眼の前の

王女マーナ(7歳)が

[床に伏す][沙汰を下す]の

言葉を使った時に

かなりの違和感を感じた。


チッ!

もう、心の底に眠っていた

嫌な思い出が、蘇ってきたぜ…。


俺を弄び!

俺の心を踏みにじり!

告らせておいて、振るを

繰り返して!

それ時の顔を、チェキ(当時のカメラ)

で写して印刷して遊ぶ…。


そして、死んだらしい

幼馴染の曲苗(マナ)…。


ショック

「曲苗(マナ)そっくりだ!

その喋り方!

は〜、嫌なことを思い出した。


あ、すまん。

この世界では関係無いことだった。


あれから、調べさせてもらった。

まぁ3歳児の情報収集能力なんて

微々たるものだからな。


[ダイヤモンドソード]だったか?

そいつらの、意思はよくわかった、

といえばいいのかな?


はっきりと言う!

俺は、奴隷になるつもりは無い!


あの冒険者ギルドマスターの

レオーネが国王と懇意にしていて

俺を脅しても効かなかったから

拘束しようとして、 

蔦をサラダにされたら、

今度は、国王に報告して

騎士を連れてきた…。


これだけで、国王の意志は

よくわかったよ!


ルットライン侯爵ルベイドは

自分の血を引く者が俺だけと

知ってもなお、他の奴らに対する

処分をしていない。


つまり、ルットライン侯爵家は

俺を殺す方針だとみなして

間違いが無いと、この都市に居て

情報を集めたが、確信した。


そして、その事に対する

王家の黙認に勝手な王位継承権の

設定だと?


俺は、ものではない。

奴隷でもない。

会って話せだと?


う〜ん、今は断る。

本当に話すつもりなら

この王位継承権を外せ!

そして、用意するべき物を、

用意してから言え。


それでも、奴隷にすることを

前提にする方策を押し進めるなら、

こちらも動く。


話し合い(戦争)?

いいだろう!


派手にやろうぜ!

あんたの話し方で気がついた。

別に、俺が遠慮することなんて

なかったことに!」



目の前の、王女マーナは

青ざめていた。



つづく







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る