ep.40 理想を、そのままやりだしたら…えらいことになってしまった…。

  商業都市ヴァッカダロ


 その港湾区域から、

天気が良ければ見える

入れずの島がある。


ノンエントランス島

この島の中心部にある、

少し大きめの大木のそばに

魔法で隠された、

秘密の入り口があった。


そこには、地下室が多数ある。

その一室で、新聞を読んで

悩む男の子がいた。

少し前に8歳になったシックスである。


シックスは、あのオークションの

騒動後、マックスエルとして

しばらく封鎖された街の中で

大人しく、宿の中で

錬金術の下級ポーションの

作成練習をしていた。


そして、マナポーションの

合成の仕方を開発しようとしていた。


実は、上級錬金術の書の最後の章に

昔は、下級から上級!特級!まで

ポーション!マナポーションを

人の手で作れたとあった。


そして、エリクシールという

不老不死の薬を

作り出したらしい。


作りだした人間は?

そのまま、修行して人を超えたという。


なぜ、作り方が無くなった?

よくわからないが、

作ろうとシックスは思っていた。


はっきりと言うと、人が作った

下級ポーションはゲロマズだった。


なので、美味いジュースの味に

してしまえ!ってやっていると、

魔力をかなり貯えさせたら

マナポーションになることを

発見する。


なるほどね!

生命力を貯えた方がポーション!

魔力を貯えた方がマナポーション!


そして、それから3ヶ月の

研究が、王家の包囲網がなくなるまで

続けられた。


3ヶ月の間は、ずっとマックスエルの

姿でいて、


その後は、昼は商人ロクロウ!

夜は、よなよな徘徊する

謎の聖女マックスエルとして、

スキルを使う事による

修行・鍛錬を、はじめた。


できるだけ、昼は定食など

かなり積極的に食事をして

痩せてガリガリの身体を

健康的な、少し太った7歳児に

することに注力する。


やはり無理をするにも

まずは健康でないと、

駄目だということなのだが…


スキル[制限撤廃]のレベルが

上がって、どうもスキルレベルは

10が最高だとされていたが10以上に

なるスキルがでてきた。


なので、朝と夜の脳みそを使う部分を

分けて、昼はロクロウ

夜はマックスエルとして

活動を、始めた。


昼の活動は、まずホバークラフトで、

ノンエントランス島に入り

島の中を探索して

自分のアジトに作り変えていった。


秘密の研究所と、工房!

そして、安心して寝ることが出来る

寝床!


これは、うまくいった。

そして、週に3日だけ店を開く。

ポーションや、

自作マナポーション入りの

コーラなどのジュースを、

売っていた。


そして、次の商売は

マナポーション入の

出汁(だし)が決め手の

ラーメンである。


やはり、魔力が回復するのが、

すごく身体を楽にするのか

かなり、好評で商売は順調である。



たが、問題は夜だった!


日頃使ってない脳みその

領域を使うのも、

いざ、脳みそ100%稼働の時の

練習だと思って

マックスエルの姿で

変身魔法や、隠蔽魔法とかの

練習をしていたのだが…


うん…、 夜道を歩く7歳の少女…

人攫いが、出てくる出てくる…


初めは、殴って放置だったけど…

何度も襲ってくる…。


そして、そのうちに

神聖魔法の練習台として

ヒールで治して、また襲って来たら

叩きのめして、ヒールで治して

また襲って来て…の

繰り返しになった。


だけど、マックスエルの姿の時は、

設定の、ジョブ聖女を!

そう!いたらいいな!

こんな聖女様!を演じる事にした!


なぜ?

ルットライン家の次女

ニッコメ・フォン・ルットラインは、

ジョブが聖女である!


しかし、やつは極悪魔女であった。


当時2歳のやっと、立ったシックスを

蹴り飛ばし!

3歳になってからは、虐待の嵐!


とこが、聖女なんだ!

と叫んでやりたい!


今でも殺意がすっごく出る!

国王が、あの次女を処刑しなかったら

この王国を滅ぼすつもりでもある。


だから、まあ…その布石として

あんな、内容の

国王への手紙を書いていたのだが…。


話を戻すと、

まず、仕返しに

理想の聖女様を、やっていこうと

考えたのだ!


まあ…夜に理想の聖女なら

徘徊しないのだが、

まあ…それは夜しか、出てこれない

訳あり聖女様ってな設定でする事に

したのだ。


ニッコリと笑って、人攫いを

叩きのめす!


あまり、声を出さない。


だけど、酒を咽んで道端に

倒れていたら、黙って

状態異常回復魔法をかけて

起こして、帰らせる。


あれ?

ケンカで負傷している人?


はい、黙ってヒールで回復!

ニッコリと笑って、黙って姿を消す。


まあ…、初めはそんな感じだったのだが…



病の人とか、放置できなくて

まあ…、この街の治療院は、

治療費が高いの!


なので、黙ってヒールの

練習をしていく。


なので、ヒールだけで

段々と、身体欠損とかも

治療出来るようになっていった。


辻ヒールだな。

何か言わられたニッコリと笑い、

そのまま去る。


子供がケガで泣いていたら、

ヒールかけて、頭をなでて

「よく頑張ったね」と言って

家に帰すとか、

やっていただけなのに…


ふと気がつくと、

通りでお祈りする人が出始めた。


初めは、何かあったのか?


とか思っていたけど…

どうも、マックスエルを

拝んでいたらしい…。



そして、最近は物凄く

数が増えている。


そして、今年の「授かりの儀」の

丁度1ヶ月前だ!


マックスエルの身体の俺の前に

近衛騎士団ではない、

近衛暗殺者団がやってきた!


ハァ?

あ!

バレた?!


オレ

シックス

ロクロウ

マックスエル

ってバレた?


だが、言われた言葉が、

「貴様が、秘密教団!

 [マックスエルの祈り]の教祖!

マックスエルだな!

さぁの罪を認めて、お縄につけ!」


「今なら、串刺しで

許してあげる。」



まあ…シックスの状態なら、

「何を言っている、この

キチガイ共め!」


なんて言うが、


マックスエルは、理想の聖女!

なんとか貫かねば!

と、考えて


マックスエル

〈何を言っているのです。

目を覚ましなさい。

そうやって、無差別の人殺しを

楽しむ事を止めないと

自分が、生きていることすら

楽しめなくなりますよ〉


なんて、言ったことが無い

セリフを言いながら、

相手の足を払い、転倒させるとか、


本当の強者が速度で分身を

作って、襲ってきたときは

幻影魔法で、ゆっくりと動きながら

こちらも分身を作り

相手の本体を捕まえて

一本背負いを食らわしたり

して、戦闘不能になったら、

ヒールで全快にして

帰ってもらおうとしたが…、


やっぱり、襲って来るんだよな!


その時は、ニッコリと笑い

〈殺す事に、囚われたのですね…。〉


なんて、言うが

また戦闘再開だ…


そして、夜明けになった時に

引き揚げ出したが、

「なぜだ!」

なんて言うから、

〈自分に、囚われるから

捕らわれたのですよ〉と、

自分でも、何を言っているんだ!

と、心で叫びながら

マックスエル・スマイルで

ニッコリと笑いながら

自分も、転移で姿を消すように

その場を離れた。


そんな事があって、どうも

マックスエルを教祖とする

組織が勝手に出来たらしい…。


困ったぞ…。

完全に予想外だ!


いや…

もしかして…

俺は見たことがないだけで

これが本来の姿なのか?


理想の聖女を演じて

まあ…神聖魔法のスキルが、

今現在レベル31である。


まあ…癒やしまくって?

絶対にブチギレず?

ニッコリと笑って?

何か、相手が得心するまでやる?


それを続けたら…

いつの間にか、組織が出来ていた。


は〜!

俺がみた聖女ジョブ持ちのサンプルは

あの次女…だけ…


は〜!

俺ですら、こうなったのに

本職のあいつは…


ピンポンパンポン♪

ピンポンパンポン♫


は?

頭に、何かチャイムメロディーが!


[スキルアナウンスです。

真理に近づいた事により、

【ジョブ廃止・停止】スキルと、

神聖魔法【聖なる手錠】を

使えるようになりました。]


え?

そんなスキルがあるの?

それに元々自分が、男だから

【聖なる手錠】の神聖魔法が

使えないと思っていたが

レベルだけでなく、

習得条件が有ったのか!


まあ…【聖なる手錠】は、

謎多き神聖魔法で、

聖女の教科書でもそのスキルの

概要はわからない状態だった…


まあ…なるほどね。

聖女の真理というか…

うん…真理を知覚できないと

いくら魔法陣魔法用に

プログラム化しても

使用出来ないのか…


なんか…

[制限撤廃]で男女の制限すら

撤廃した感覚だな…。


さて、明日はいよいよ

「授かりの儀」である。


俺の予想が正しかったら、

大騒動になる。


まあ…あの国王への手紙には

あの女神の事は書いてないが…


ハズレたら、ハズレたで

子供の戯言として処理されるから

心配ない!


それに、オークションには

ハイパーマナポーションを

出しておいた。


あのダンジョンのドロップ品!


それを使っての

この街の復興を手助けして、

俺は、次の国に向かう事にしようか。


そこで、新生活を送って

そうだな…、

学校にでも行く?

それか、ここでの商売は

週一にして 

別の所で商売をするか?


商業ギルドの奴が

俺の屋台を破壊したから

報復に、決済システムを

凍結してやったけど

そろそろ反省していかな?


さて、様子を見に行くか。


□□□

この時、シックスは

予想以上の予想外が

発生している事を全く知らなかった。


ついに、第3章始まります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る