ep.25 [幕間]王都に広がる謎の病…。しかしそれは帰って来たあるものが原因だった。1
バルガード王国 王都
最近、補助魔術師や対敵戦略呪術団の
奴らの欠勤や不調が、
無視できないほど多くなってきた。
宰相デスマルダ
「これは、どういう事だ?
まさか、
また隣国のドドーガー帝国からの
攻撃なのか?
あの禁書魔法の、吹雪のせいで
辺境伯ビルガーや、
ルットライン侯爵ルベイドは、
自領の回復に全力を注がねばならず、
あの、シックスがまたダンジョンに
再突入した時の会議以来
会っていないので
国境付近からの情報は
まだ、入っていない。
すぐに、大量休暇続出の原因を
調べよと、厳命して
嫌な予感を抱えながら
ダンジョンを見張る、騎士達からの
報告を読んでいく。
地下第25階層への階段、通過者無し。
地下第20階層、変化無し。
地下第10階層、変化無し。
出入口、変化無し。
地下第11層と、地下第18層では、
実はドロップ品に食料が出る。
かなり人気の高い、モンスターの
肉や、美肌効果のある果物や
すぐに、腹が満たされる栗などで
高額取引がされるレアドロップ品だ。
シックスは、食料をそこから
調達していたのでは?
と考えているが確証は無い。
グッソ公爵は、まだ諦めていない。
辺境伯ビルガーも、
領地に、帰っているが
王都の教会で修行する娘に
仕送りをする名目で1週間に一度は、
自分の部下を娘に会わせている。
あの、シックスを国王の養子に
した時から、ずっとだ!
これまで2ヶ月に一度の
教会の面会の決まりを
完全に無視している。
なので、何をしているのか
教会の司祭に、辺境伯の娘本人に
聞くと、ダンジョン探索訓練の
打ち合わせだと言う。
まだ、先の話だろうと
司祭はいうが、先日の騒動で
辺境伯は、ダンジョン探索には
辺境伯の兵士を派遣することを
すでに決定したという。
教会の騎士団と王国の騎士団の
合同護衛団とは別の行動になると
はっきりと言ってきた。
どうも、王女・聖女リーナ様の
言動にて、自分が暗殺対象に
なっていると判断したと
言い出して、
なだめて、これまで通りの
方式にすることを説得したが、
駄目だったようだ。
マズイ!
完全に敵対姿勢を出し始めた。
先王の負の遺産は
まだ解消されていない。
それが、重くのしかかってきている。
そして、剣聖や拳聖を
王都の学園に入学させようと
王都学園の学長が、入学召喚状を
辺境伯領に出したのだが
辺境伯のサイン入りで
自領での教育をする。
手を出すな!
この!帝国のスパイめ!
と、抗議文を出してきた。
先王の時は、王都学園学長は
魔導騎士団の団長であって
先代辺境伯の援軍要請を
無視した、先王の側で従軍していた
経歴を持つ。
どうするべきか…。
剣聖と拳聖が、いずれ育つと
強力な戦力となって
このままの状態が続けば
いずれ反逆しかねない
雰囲気になるだろうな。
大事になる前に
説得しないといけない…。
王都学園学長と副学長を
呼び出す事にした。
こいつら、学長と副学長は
元魔導騎士団団長と、副団長で
あり、責任を取らせてこいつらの
クビを差し出させよう。
辺境伯に、先王のやらかした事を
わびて、もう先代とは違う。
その証拠に、先代に入れ知恵していた
二人のクビを差し出すから
殺すなりしてくれと言う内容の
手紙を作り、側近に
学長達が、来たら一緒に辺境伯へ
行って、学長達を引き渡し
剣聖と拳聖を学園に
入学させる事に同意させろと
言って、いろいろ計画を
立てていく。
やれやれ…。
後は、辺境伯の娘自身が
王女・聖女ニーナ様と対立する
ような構図が出来つつある
教会内部にどうアプローチするか…。
そこに、騎士がやってきた。
騎士
「宰相様、報告します。
学園に行きましたが、学長と副学長が
体調不良を理由に、
休暇を、長期取っているみたいです。
それも、辺境伯領へ
入学召喚状を出した3日後から
ずっと休んでいます。」
宰相デスマルダは、最近の
王宮の異変と関係あると
思い、すぐに直接学長達を
確認するように命令して、
自ら向かう事にした。
これは…
何が原因なのかわからない。
関係者達が何か知っているという
事はわかっているが
その事を問うと、全員口を閉ざす。
何が起こっている?!
反乱計画が、すでにかなり進んで
いるとかの可能性も、あるために
自ら調べに行くことにした宰相。
すぐに学長の家に行くと
騎士団がすでに家の者と
言い争っていた。
宰相が、直接聞く。
そして言った。
「学長に、会わせなさい。
いや、前魔導騎士団団長に
合わせなさいと言えばわかるか?」
しかし、学長の妻達は、
頑なに拒否する。
絶対に誰も近づけさせるな!
結界にも、近づけさせるな!
と、言われたと言って拒否をしたので
ついに、騎士達が剣を抜いた。
宰相
「最近、魔道士たちが
休みを取り出して半数以上
動いていない。
わかるな!
わしがここに直接確認に、
来るという事は、
反逆の容疑が出始めていると
言うことじゃ!
会わせよ!
わしが、直接会いに来たことが
最大の譲歩だと言う事すら
わからないのなら、
ここで、手打ちにする!」
ガシャン!
ガシャン!
ガシャン!
宰相の言葉で、剣を抜いて
戦闘体制に入る騎士団。
すでに応援が来て、屋敷を包囲していた。
騎士団が、屋敷に雪崩込んで
執事と妻に案内させる。
そこには、食堂のテーブルを
取り払い、中心に学長を寝かせて
ベッドの周りには
教会の修道女や神官、
そして、欠勤している
補助魔術師や対敵戦略呪術団の
奴らが、何かの魔法を
使っているではないか。
宰相
「何をしている!」
学長の妻は答えない。
執事が、縛り用の鎖を
騎士が持ってきたのを見て
やっと話しだした。
二年前くらいから、
学長が、夜中に奇声をあげだした。
そして、それは段々と
酷くなっていき、
学長の体調が目に見えて悪くなってきた。
なので、こっそりと医者を呼んだり
していたのだが、
なかなか治らなかったらしい。
そしてわかったのだが
過去にした、仕事の反動が
来たのでは無いかとか
学長本人が言い出して
教会に、行きだして
調べだしたみたいだ。
と言った途端に執事が
黙ってしまった。
後は、学長の妻に聞けって事だろう。
しかし、学長の妻は、
言えないという仕草ばかりを
するばかりである。
しかし、目の前には
補助魔術師や対敵戦略呪術団の
者達がいた。
何か呪文を唱えていて、
こちらの言葉を聞いていない。
騎士に、ムチを撃たせて
こちらに向かせた。
対敵戦略呪術団員
「貴様!俺が誰だとわかっているのか!
なぜ?騎士がここにいる?
ここは、前魔導騎士団長の
家だぞ!わかったいるのか!
え?どこかで見たような…。」
宰相デスマルダ
「私が宰相デスマルダである。
元気そうだな!
何が、体調不良だ!
何をしている!
私に隠し事をしている現場を
押さえられても、
怒鳴るとは、いい度胸だ!
それだけ、前魔導騎士団長は
宰相よりも偉いと
位置づけているのだと
よくわかった。
ひっ捕らえろ!
全員、長期勤務放棄現行犯で
逮捕だ!」
しかし無理矢理、
祈祷をやめさせた途端に
苦しみだす学長。
そして、事情聴取をすると
対敵戦略呪術団員が調べた
結果は、呪いをかけられたのではなく
かけた呪いが帰って来たらいしと
言い出した。
その証拠に、その呪いの黒い成分の
中の波長が、学長の魔力と思念波の
波長と一致するという。
思念波まで濃くあるのは
間違いなく、呪いを発射した
側の特徴らしい。
何をやっていたかと言うと、
教会では、解呪されて
呪いが帰って来たと判断されたが
この呪いエネルギーが
物凄く高レベルに膨れ上がっていて
解消することが不可能と
判断されたので、
呪詛を撃ち返す!
つまり、呪った対象にまた、
呪いをかけ直して
学長から、この呪いエネルギーを
引き剥がそうとしたが、
段々とこの呪いエネルギーが
膨れ上がっていき、
撃ち返そうにも、出来ない状態が
すでに1ヶ月間続いているという。
そして、現場にいた者達は
現魔導騎士団長の命令で
派遣されたと、主張し始めた。
学長が、呪いに手を出すなんて…
戦争の時以外、使用禁止の
呪いを誰に使ったのか
問いただしても、学長の妻は
口を割らない。
執事が、命の保証をしてほしいと
言い出した。
待てよ?
現魔導騎士団長の命令?
つまり…。
ルットライン侯爵ルベイドの命令?
と、なると…。
グッソ公爵か?
名前を出して、聞いてみた。
震え上がる、執事達。
対敵戦略呪術団の者達は、
呪詛の解析をした結果、
シックスという対象に
かけたらしいと、
帰って来た、呪詛の一つの
解析データーを見せてきた。
宰相
「どういうことですかな?
説明して、もらおう!」
学長の妻
「私達は、知らなかったのです。
そんな、事を、して、いたとは…。
そのシックスという者は、
どこの者ですか?」
宰相デスマルダ
「少し前に、国王陛下が
養子に正式に迎え入れられた者だ!
なので、この事態をお前たちは
報告する義務があったのに
私の前で黙り、黙秘した!
その罪は重い!
全員ひっ捕らえよ!
国王陛下の決定に対する
反逆と、シックス殿下呪殺未遂容疑!
現行犯だ!」
呪いの撃ち返し、
つまり、また呪いをかけるって
事だから現行犯逮捕だった。
もちろん、呪いをかけると
知っていた神官と修道女も
逮捕された。
そして、副学長の屋敷にも
騎士団が雪崩込んで
逮捕していったら。
全く同じ事をしていたらしい。
すぐに、国王ダーベベイダルに
報告する宰相。
執務は、停止されて
一斉捜索が始まる。
補助魔術師や対敵戦略呪術団たちは、
ルットライン侯爵ルベイドの
命令で、休んでいる事にして
グッソ公爵の命令で
グッソ公爵の傘下の魔導士や
呪詛師の看病と呪い対応に
派遣されていたという。
国軍が編成されて、
ルットライン領に派遣された。
教会にも、騎士団が雪崩れ込む!
ついでだ…
辺境伯の娘と会談して
今回の事を説明した。
先代辺境伯を見殺しにした
首謀者の何人かは、
すでに、自分の発した呪いで
死のうとしていると。
そして、こうなる事を
解決するために、国王が
養子にしたことしにして
説明する。
辺境伯が、こんな騒ぎに
なるような事に
できるだけ巻き込まないように
するために仕方なかったと。
決して辺境伯の事を軽んじていないと
6歳児の聖女に、真摯に説明する。
側で聞いていた新大司祭は、
頭を抱えた。
教会のグッソ公爵派を
禁止呪詛ほう助容疑で、
逮捕することを容認する。
すぐに、今から宰相が、
辺境伯領に、行くから
行くかと辺境伯の娘に聞くと
同意したので、
軍と共に、急行することになった。
3日後…
辺境伯領
辺境伯ビルガー
「そんな事になったとは。
グッソ公爵の娘ビスガスの
仕業だな。」
宰相デスマルダ
「なんとなく、こんな事に
なる嫌な予感が
シックス殿下が、ダンジョンから
一度出てきた時のあの時から
あったから、養子にした。
だが、ここまで酷かったのは
予想外だ。
本来なら、前魔導騎士団長達の
首をここに持ってくるはず
だったのだが、
すまん!
あの呪いが、どこに飛ぶか
わからん以上、特設牢屋に
入れるしかない。」
辺境伯の、聖女の娘さんも
見せられた学長達の
黒い呪いの霧に包まれた状態を
報告した。
宰相デスマルダ
「すまん。6歳児に見せる
ものではないが、
あの呪いに耐性を持つ者は
もう聖女くらいしかいない。」
辺境伯ビルガー
「そこまで、酷いのか…。
仕方ないか…。
で?あの軍は?」
宰相デスマルダ
「決まっとるだろう?
ルットライン侯爵ルベイドと
その妻ビスガスを捕まえる。
そして、先王派の残党、
グッソ公爵は、国王陛下自ら
手を下す予定じゃ!
すでに動いている。
辺境伯…。
国王陛下は、先王とは違う!
その証明をこの機会に
行動で証明する。
偉そうに言った、
王女ニーナ様は…」
辺境伯ビルガー
「いや、いい!」
言葉を、遮る辺境伯。
辺境伯ビルガー
「王女ニーナ様の、お咎めは
なしでいい。
だが、うちの娘の自由は
保証してもらう。
そして、剣聖と拳聖のうちの
騎士団少年部の者達もだ。
先代の失敗は、
俺の言葉を無視して軍備を
強化していなかった事も
原因なのだ!
だから、ドドーガー帝国が
攻めてきたときに死ぬ事になった。
先王の側近やグッソ公爵が
ドドーガー帝国に買収されていた
事は、既に情報として入っていた。
なのに、先王の救援体制を
整えているからという嘘を
信じた先代も悪い。
なので、過去の間違いを反省して
こちらは、軍備を増強して
復興事業を拡大する。」
宰相は、ため息を出すしか無かった。
これ以上、亀裂を広げるわけには
いかない。
ルットライン領をどうするか
王都で会議しようと合意して
宰相は、王都の教会の騒乱の
目処が立つまで、
里帰りしたほうがいいと
言って、辺境伯の、娘を置いて
ルットライン領に、向かった。
しかし、そこで見たのは…
□□□
[呪い返し]とか、の言葉があるから
呪いは、返るである。
と、言われる方もいますが、
呪詛系のや、陰陽道などの古書には
呪いは、自分から発する思念を、
分離して発射したようなものだという
概念説明があり、
元々自分のものが、
呪いが成就してしまうか、
まぁ結界とかで阻まれるとかで、
帰ってくる。または帰ってきた。
という、概念が、あるらしい。
まぁ帰宅の感覚なのでしょうね。
なので、この作品では
[返る」と[帰る]を併用します。
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