ep.24 確かな進歩だとは思うが…。

 迷宮都市ザガルゴーのダンジョン

地下第50階層の安全地帯では、


「ウガーーーーーーー!」と叫ぶ

満6歳児が、石畳の床に

叫びながら脂汗をかいて

苦しんでいた。


 腐った物や、毒を食ったのではない。

栄養がやっと追いついたので

ステータスウインドウが

それまで止めていた身体の成長

再開させたことによる

筋肉の形成と、骨の発育などである。


 この1週間は、

この階に来て、

食べては苦しむの連続であった。


□□


名前 

シックス・フォン・ルットライン

シックス・ドル・バルガード

(辛党 大助)


ジョブ リベレーター2

    Liberator Ver.2


レベル 5/100

   (15/100)



体力 2  (+∞) (up!)


魔力 2  (+∞) (up!)


スキル 鑑定(精密)レベル5

    生活魔法  レベルー

    全魔法使用可能 レベルー

           (new!)

    限界撤廃  レベル2

    自動並列思考レベル1

    物質製作  レベル1

    マジックボックス(∞)

    身体強化防御∞(100分)


状態 呪い150

   披露+505

  (重度疲労困憊状態です)


装備 身代わりの腕輪レベル1

称号 「この世界で1番貧弱な

   肉体を義務付けられた者」

   「力そのものの試練」    (new!)

   なる試練を修了した者


   次なる試練を受ける資格を

    持つ者


   バルガード王国

    王位継承権第5位



そして、これが苦しんだ結果!


2!

たった2!

上がった事は喜ぶべきだが

体力と魔力が2とは、

素直に喜べない。


ジョブのリベレーターは、

2となった。


制限撤廃のレベルも2となった。

制限撤廃はジョブのバージョンに

比例してレベルが上がるらしい。


そして…

え?

名前が、増えてる。


名字が、バルガード…。


また、シックス(辛党 大助)の

心の中で再燃する

国王の隠し子疑惑と、

お家騒動鎮圧の為の

シックス抹殺計画疑惑。


そして、物凄く奇妙なのは、

ステータスに、まだルットラインの

名前が有る事である。


おかしい…。

三男の騎士科の教科書での

情報だが、結婚して 

名字が変わると自動的に

ステータス情報も、

ギルドカード情報も、

変わった名字に変わるらしい。


そして、ろくでもない事をして

廃嫡されたある貴族の長男の場合、

その貴族の当主が自分の執務室で

その書類にサインした時点で

名字が、消えて名前だけに

なったという。


ステータスだけでなく、

ギルドカードもだ。


これは?

どういうことだ?


わからない。


そして、疲労のせいで

休む事にする。




3日後、復活した。

転移陣の石柱に進む。

魔力を注ぐのだが

地下40階層の時よりも、

倍の速度で魔力が吸われている。


だが、自動並列思考のお陰で

負担を感じない。


そして、石柱の後ろの壁に

現れた文字を読むと、

魔力パス?機能?よくわからんが、

魔力を注いだ者の特権として

他の階転移陣付近の様子を、見る事が

できるらしい。


つまり、俺なら地下40階層と、

地下50階層の転移陣からなら、

全階層の転移陣付近の

映像が見えるという事だ。


この転移陣、

混んだら、なかなか転移出来ないとか

有るのかもしれないな。


早速、この機能を使って見た。


ほ〜!

地下30階層には、見張り番は

いないな〜。


地下20階層は〜?

あれ?

周りで冒険者達が騒いでいるぞ!

何かあったのか?


じっと見ていたが、わからん。


地下10階層?

ここも、冒険者達が、騒いでいる。


地上では?

ハイ?

騎士と、あれは冒険者ギルドの

マークの制服だから

ギルド職員だよな?


大騒ぎしているな…。


何かあったのか?

まぁ、騒ぎの時に出ても捕まるから

あ!


これで外の様子をみて

誰もいないときに

外に出て、この都市を脱出剃る事も

出来るのでは?


と、おもったが今は無理な状況。


さて、もう一つの

虚弱体質の原因だと思われる

呪いを解こうと思った。


今は、身代わりを腕輪が

有るので、身体が保たないから

できなかった中級解呪を

試そうと思う!


俺の場合、解呪の魔法陣を起動する

負担と解呪に耐える負担が

初級の上の段階で許容範囲を

超えてしまっていたから

できなかったので

今回はリベンジである。


中級解呪魔法陣は、

一つは、呪いに対して一回づつ

発動しないといけないので、

かけた呪いの等級によるが、

だいたい、一日一回が限度。


それも、かなり身体に自信が

ある人の場合である。



一番の簡単なで負担の無い解呪は、

呪いを欠けた本人が、

呪いを解けばいいのだが

まぁ、そんな人はいない。


なので、解呪魔法で強制参加に

解呪するのだが、

無理矢理解呪するので

やはり負担が大きい。


用意は出来た。


5層魔法陣である。


ババババババババババ!

身体中に、電撃が走る!


身代わりの腕輪が魔力で

かなり光っている!

もの凄い魔力消費だが

身体の負担は、

前にやった時とは段違いだ。



うわ、腕輪が熱を、持ち始めた!

大丈夫だよな?


後で、この腕輪を、解析して

複製できないか調べてみよう。


パーーン!


バリン!!


何かが、壊れる音!


ステータスでも、呪い149

と、なっいた。


[神経発育の阻害の

呪いが解呪されました。


これから、神経細胞を 

作り出します。]


神経細胞?

待ってくれ!


うわーーーーーー!


いきなり、全身の感覚が

敏感になり過ぎて転げる事すら

出来なくなり、

ただ、痛い感覚を歯を食いしばって

耐えるしか無い

状態になってしまった。


寝ることすら出来ない!

デスマーチの始まりである。

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