ep.23 ザガルゴーダンジョン地下46階層?え?ホントに?

 ザガルゴーダンジョン地下45階層と

地下46階層の間の踊り場にて

テントを貼っていたシックスであったが、


その日は、休んでいた。

はっきりと、わかっているのは

制限撤廃のスキルで

脳みその使用制限を一時的に

撤廃したための反動だと

考えていた。


食欲が止まらない!

元ルットライン家の武器庫から

持ってきた、武器や鎧を

錬金術魔法陣で再成形した

寸胴鍋が今、5つも湯気を出している。


豆を煮ているのだが、

なぜ煮ているというと

すぐに食べられるものを

かなり食べていて、すでにパン屋で

買った食パンは全て無くなった。


糖質はなんとか満たせたが

タンパク質が足りない。


煮えた豆に塩をふりかけて

食べていく。


醤油がない!

砂糖が無い!

塩があるだけましだ。


気がついたら、

一つ鍋が空っぽだった。


ふ〜!

流石に…と、言ううちに

膨れた胃がしぼんでいく。


しかし、確かな手応えはあった。


煮えた豆を、鍋ごと

マジックボックスに入れる。


そして、また豆を煮ておく。

すぐに食べられるものを

量産して作りだめしていた。


フライパンを、錬金術金属整形を

使って形だけでも作る。


そして、水で溶いた小麦粉に

野菜を適当に入れて

お好み焼きもどきを作る。


これは、まぁまぁしおと、

コショウで食べられる味になる。


そして、300キロ分の小麦粉を

このお好み焼きモドキにした。


さて問題は、これから地下に進むが

地下50階層でこのダンジョンが

踏破になった時のことである。


あれから、まだ1ヶ月どころか

1週間足らずである。


恐らくまだ、出口で

待ち構えているだろう。


俺も殺されるか、

奴隷にされるくらいなら

逃げたいが、何人か殺す事になると

思うと気が重い。  


恐らく、向こうは大根を切る程度の

手軽さで、きりつけてくるから

困ったことなのだが…。


ステータスでも


疲労+680(重度疲労困憊)

と、なっている。


よし、休むにしても

暇だから、錬金術の本を読みながら

ゆっくりとしよう。










20日後


ふ〜!

やっと疲労指数が0になったぜ!


その間に錬金術も魔法陣魔法化

することが成功した。 


俺的には、この世界の

錬金術こそ、奇妙だった。


ラノベとか、他の小説通りの

錬金術なら、錬金の魔法陣の上で〜

とかのイメージだったが、

全く魔法陣がなかった。


全て、手作業!

イメージで整形するとか、

ハードすぎない?


金属の整形型とかあっても

いいと思うけど、無かった。


禁止されたのか?


そして、奇妙な書き方をしている

箇所を発見する。


まるで、昔は魔力でマナポーションを

作れたような事を書いてあったり

回復ポーションも上級まで

製造することが出来たようなことを

示唆する記述だ。


このダンジョンだっておかしいのだ。

この世界の魔導士が、

体内魔力だけを使っての

戦闘に限定されているとしたら、

このダンジョンは踏破出来ない!


このダンジョンは、魔法陣魔法を

使える事が前提のダンジョンなのでは

ないのか?


そうとしか思えなかった。


なので、今持っている魔導書内容を

全て魔法陣魔法化して

挑んだ方がいいのではと

思い直して、

ここで研究することにした。







2週間後。

やっと、戦術らしきモノを

開発できたのと、

対人用の状態異常強制付与の

魔法陣の開発に成功した。

麻痺!一時的な毒攻撃!

真っ暗にして視覚を奪う!

そして、空間魔法で一時的に

別の亜空間に隔離!


そして、転移が出来るようになった。


この転移が、難航した。

まず魔石を合成結合させて

大きくして魔法陣を書き込んで

すぐに使えるようにする。


いわゆる、脱出石みたいなものを

作ることが出来たのが

かなり大きな進歩だったと思う。


瞬時に逃げる!

魔力が足りないとか

魔力が、封じられた時とかに

使うとかいろいろと

使えそうだからだ。


将来的には、どこにでも行ける

ドアっぽいものが実現しそうなので

実はワクワクしている。


やっぱり、追われの身だからか

考え方が殺伐としてしまうのは

仕方ないので、こんな楽しみを

見つけて没頭するくらいじゃないと

やっていけないよね〜。


さぁ35日ぶりに、

ダンジョン攻略を再開しますか!


え?

なんだ!

地下46階層に入ったのは

壁とかを鑑定してきたから

わかるのだが、

階段がまだ続いている。


そして階段が、

エスカレーターみたいに

動き出したぞ!


く!

これは予想外だ!

このダンジョンを設計したやつ、

予想外の事ばかり

仕掛けて来るぞ!


闇魔法の暗視と鑑定を

並列起動させて、

闇の防御壁を展開する。


突然!ドーン!と、

後ろに壁が落ちてきて

退路が塞がれた!


次もモンスターハウスか!

デスマラソンか?


しかし、鑑定は恐ろしい事を

オレに知らせてきた。


またすり鉢状の空間が見えて、

そこに無理矢理エスカレーターで

俺が運ばれているのだが

ハァ?「闇の鍋」だと!


そういう名前のステージ名みたいだが

鍋の底から、

湿っぽく、そして肌を差すような

熱気が待ち登っていた。


魔力!

それも、闇と火の魔力が

液化されて混合されて、

煮えたぎっている中に

俺を落とそうと

している事に気がついた。


すぐに、天井に逃げようと

すると、天井が降りて来た!


おい!

絶対に殺してやろうと

考えている設計だな。


ダンジョンの壁からは、

高温の液化魔力が鍋に

向って注がれている。


「オレは、煮物でも!

揚げ物でもないぞ!」


いつの間にか叫んでいた。


ダークフリージング!


まずは、鍋を冷まそうとする。


ドーン!


クソ! 

高温過ぎて、反発が発生して

爆発する。


固めるしかないのか。


マナゼリーを作る要領を

応用して、自分の魔力を生成してから

ゼリー状になるように加工して、

鍋に流し込む!


固形になった所から

ダークカッターで切って

マジックボックスに収容していく。


そして、かなり大量に減らして

ついに壁からの魔力の供給が

普通になると今度は、

底に黒い濃い魔力が集まり

黒いナメクジが出現した。


ダークレッサースラッグ

      レベル5


ハァ?レッサー?

どう見ても、15メートル

あるよね?


モンスター?

うん、モンスターだけど

怪獣の分類に足を突っ込んでいる

巨大さで、レッサーとか

納得いかない。


ナメクジ?


塩をかけてみようか?


やってみたが、効いてなかった。


鑑定では、弱点魔法属性無し。

マジか…。


凍らせようと、ダークフリージングを

使ったけど、全く効いてなかった。


そしたら、このナメクジ!

電撃を飛ばしてきた!


負けじと、俺もダークライトニングを

打ち込んだが、効いてない!


アレ?

そうだ、やってみるか?


もったいないけど、小麦粉を

マジックボックスから出して

あたり一面にふりかけて

舞わせる。


何を狙っているかって?

粉塵爆発だよ!!


さぁ、電撃撃って来い!


だけど、なぜかナメクジのやつ

苦しそうに身体をねじり出した!


あれ?

アレって、塩をかけたときと

よく似た反応だよな?


まさか!!


大量に小麦粉をかけると

ナメクジは、沈黙して消えた。


へ……?


あっけなく終わった。


そして、ドロップ品が

大きな魔石と黄金に輝くインゴット

そして何かの腕輪と、

スキル玉が2つあった。


インゴットは、

ダイヤモンドルゴールド合金?


ハァ?

炭素のダイヤモンドと金が

どうやって結合するのだ?


なんて、ずーとそのインゴットを

鑑定で見るとレベルが

あがったのか、金が魔力で

ダイヤモンド形態に結合した

合金らしい。


人の思念と魔力を大量に貯める事が、

出来る合金らしい。


そんなもの…!


あ!


ここ…、異世界だ!


つまり、あってもいいのか。


なるほどね。

まぁ、杖とかの魔導具に

使えそうだな。


腕輪…。


身代わりの腕輪?

すべてのダメージを

込めた魔力の分だけ

消費してこの腕輪が

身代わりに受け付ける?


つ!使えるかも!


そしてスキル玉を使うと、

一つは、自動並列思考

一つは、物質製作

だった。


え?

つまり、精神力を注いで意識的に

使っていた魔法陣を

自動的に勝手に起動させる事が、

出来るってこと?


これは、使おう!

これで、今は自動化は2つまで

みたいなので

生命力生成と、

魔力生成の魔法陣をセットした。


後、物質製作!

これは、物質を無茶な結合とかは

無理でも、ある程度早く

自分で無理矢理合成出来ると

言う事と、

レベルが上がれば、物資を

魔力置き換える事で

作成することが出来るらしい。


しかし、今のレベルでは

少しのものしか

結合させることしか出来ない

みたいだ。


!!!

うどんスープのモトつくれないかな?


やってみた!

出来た!


この、スキル!

恐らく本来は錬金術系だろうけど

料理に使えるぞ!


小麦粉は沢山のあるから

うどんとか、出来るぞ!


そして、闇の鍋の底に開いた

所から階段だったので

そのまま降りた。 


今回は踊り場は無かった…。

休みたい。


そして、降りた先は通路で

その先には広い空間があった。


鑑定では、地下50階層

広域休憩スペースとなっていた。


あの闇のなべ…

4階ぶち抜きのトラップだったのか…


そして、小部屋を見つける。

あ!

転移陣の石柱だ!


しかし、グーと腹がなる!


食事にした。

そして、うどんを食べる。

美味い!あぁ!

まさか、やっと故郷の

味にありつけるコトが出来た!


お腹がいっぱいになった途端に

眠くなったから

結界を張って寝ることを

最優先にした。





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