シックス戦記

ep.22 ザガルゴーダンジョン地下42階層

　ザガルゴーダンジョン、

地下42階層は、

いきなり山の斜面だった。

　底が見えない斜面！

階段出口からは

地下42階層の様子が見えない仕様。

そして、出口あたりから

足が下に流されるほどの

魔力の流れ！

　プールでの、ウォータースライダー

のワイド版だ！

　しかも、末広がり！

そして、下り出すと

後ろから、

モンスターが湧き出てくる！

　やられた!

予想外だ！

ダンジョンだからって

平面床だけではなかった。

しかも、整地されてない

ゴツゴツの何かの金属で

出来たような斜面！

　平地床を念頭に

省負担を狙って作った

網目状の魔法陣を

作り出したのに

果たして役に立つのか？

　いきなり沢山湧き出したのは

ダークスクワーオルという、

真っ黒なリスだ！

　すばしっこい！

そして、ジャンプする。

各個撃破は、無理だ！

数が100をすでに超えている！

冒険者パーティーなら

間違いなくバラバラにされて

急斜面下りをさせられる。

少し気を抜くと、滑るのと

足が下に流される！

　弱点を、探すが火でも凍らすのも

平気みたいだな。

ダークアローでも

跳ね返してきた！

凄い、筋肉の柔軟性と強度をもつリスだ。

　弱点は風だったみたいで

ダークウインドウを放つと

ボロボロと崩れていくのが

見えた。

　ネット状に魔法陣をひいて、

ダークタイフーンを発動する。

　痛い！

魔石がオレに当たってきた！

　討伐してすぐに魔石が

ドロップするからそれが

風に乗って当たってくる！

　く！

こんな状況は、

本当に予想外だ！

　どうすればいい！

　考えたのは、マジックボックスの

収納空間を薄く、広くオレの背面に

展開して、飛んで来た魔石や

ドロップ品をそく収納すると

いうもので、痛くはなくなったけど

いつまで、この下り坂を

こけないように下らないと

行けないのと、

先がわからない恐怖が

あるぞ！

　ホラーゲームのプログラムを

組んだ事があったけど、

　ホラーの怖さよりも、命がかかった

ジェットコースターだよな。

　棒一本に捕まって、目隠しして

ジェットコースターに固定金具なしで

乗らされるような恐怖としか

例えられない。

　涙を出す余裕すらない、

この切迫感あふれる恐怖を

下り続けると、

横からダークバンサーと言う

モンスターが並走してきた。

　パチン！　

うん？

スキル鑑定のレベルが上がった？

え？

弱点属性が、表示されてる。

弱点は、闇の砂属性？

砂属性は平地の罠系のものしか

ラインナップは無い。

作るか！

闇の砂の剣を作るように

魔法陣を下りながらプログラムする。

（仮）ダークサンドカッター！

倒せたが、反動がキツイ！

骨が、悲鳴を上げる。

並走してくる、ダークパンサーが

すでに200を超えている。

これならどうだ！

（仮）ダークサンドカミソリウェーブ！

砂の薄い刃の波が

断続的に発するイメージで

水紋みたいに広がって

ダークパンサーをスライスしていく。

波の幅は調整できるから

飛びかかって来たとしても

対応出来る。

そして波なので、魔力放射は

全身ではなく、

ほんの数ミリの円形なので

かなり楽に使える。

これは、他の魔法陣魔法にも

応用出来るな！

しかし、まだまだ斜面は続く！

オレは、輪っかをいくつか作り

闇の風の輪のカッターが

フラフープみたいに

回転するものを千枚、

かなり薄く積み重ねて

動くものをプログラムした。

（仮）ダークウインドカミソリ

フラフープ！

ネーミング候補が、他にあるかも

しれないが、今は余裕が無い。

ダークタイフーンと、

入れ替えた！

うお！

かなり身体の負担が、無くなる！

そして空間把握でも

しっかりとリスを討伐して言っている。

省力化バンザイ！

そして、先が真っ黒な事から

がけになっても、対応出来るように

スライムボールを

すぐに展開できるように

魔法陣を用意する。

並列思考なんてスキルが

あればいいのだがな〜。

それか、脳味噌の使ってない所を

使えるようになるとか？

ガチャ！

何かのドアが開いたような

音が、頭に響く！

制限解除スキルで

脳の稼働制限を一時解除しますか？

え？

出来るの？

マジか！

どうするか悩む。

発動方法が、分からかったから

使ってないスキルだったが

使ったことが無いスキルを

いきなり使って、すぐに

使いこなせるほど

甘くはない。

失敗は、死である。

しかし、予想外が発生する。

トラップは崖だと、予想したが、

突然、斜面は床が動き出した！

うねうね、小山が出来ては

無くなり、穴がいきなり出来ては

魔力の流れが強くなって

小走りになってきた。

並走する

ダークパンサーのかずが、

いきなり毎秒100くらいの

湧き出しになった。

波を激しくしないと、

とても処理出来ない。

後ろのリスなんて、もうリスが

ぎっしりのスペースが、ない

濁流だよ！

あのゾンビスライムモードだよ！

後ろの回転刃をさらに倍にする。

駄目だ！！

脳の処理が追いつかない！

回転とかは、フルオートに

しているけど、魔法陣を

維持するのに脳の負担が

かなりかかっている。

制限解除スキルで

脳の稼働制限を一時解除しますか？

アナウンスが、また聞こえた。

解除する！

うぉ！

なんか、スーとする感覚で

簡単に処理出来るようになる

が！これってCPUなクロック値を

上げるようなものだよな？

知恵熱が出るぞ！

水の魔法陣を

口の中に展開して

水分補給をし始めると

かなり身体が楽になった。

そして、身体中から汗の湯気が

出始める。

だが、身体は楽だ！

運動しているから

なのだろうな。

かなり水分が枯渇していたみたいだ。

この状況をこれから

デスマラソンと名付けよう！

そして、足場のこかせようとする

稼働しているトラップを

なんとか突破していって、

小走りで進んで行くと、

すり鉢状の底が見えた！

次の階層への階段か通路はどこだ？

見えない!

クソ！

罠か！

ゴゴゴ！

え？

斜面が、いきなり大きく変形を

始めた。

うわ！

まるでお椀の底近くに

いるような地形になった！

嫌な予感しかしない!

ハイ？

魔力が、底に溜まりだした？

モンスター達の濁流が！

各属性のカミソリの波を

放射して行くしかない。

駄目だ！！

膝まで、ダンジョンの魔力が

溜まりだした！

吸収するのが、

間に合わなくなっている。

ダンジョンの魔力を、変換しないで

口から飲むことになると

恐らく、モンスターに変質するか、

身体が破裂するか、

やばい事しか浮かばない！

マジックボックスを、

試しに床に展開したが、

すり鉢斜面から落ちてきた

ドロップ品の輝く剣とか、

マナポーションの大降りとか、

魔石の土砂降りは、

収納してくれるが、

魔力は、収納出来なかった。

どうするべきか！

このままだと、魔力におぼれるぞ！

魔力をペットボトルの

ジュースみたいに入れて

しまえば、マナポーションみたいに

収納出来るのだろうけど…。

これだけ、濃い魔力なんだよな…。

固形化できないか？

すぐに、プログラムを組み立てる。

圧縮する？

煮詰める感覚？

そうだ！

固めるテンプルみたいに、

俺の変換した魔力を、混ぜて

固形化とか出来ない？

やってみた。

ゼリー飲料になったね。

収納も出来たよ！

もっと濃縮する。

正方形のゼリーが出来た。

各属性に分けて

変換させて、固形化させていく。

後は、これを全自動化させる。

おお！

脳の処理が早いから

簡単に組み上がる！

後の反動が怖いな〜。

うわ！魔力が滝のように、

注がれ出したぞ！

モンスターも、土砂降りだ！

これ、マジックボックスが

無制限容量じゃなかったら

積んでたぞ！

そして、慣れてきたので

脳の処理を元に戻した。

すぐにできましたよ。

制御出来て良かった。

そして5時間は、この状況が

続いた。

完全に殺しに来ているとしか

思えないのだが…。

そして、いきなりモンスターの

湧き出てくる事が、無くなり

魔力の激流の滝も、止まった。

ガコン！

すり鉢状の斜面が、長方形に

倒れ込み、通路らしき物が現る。

中に進むと階段だった。

鑑定では、地下45階層から

地下46階層への階段とでてくる。

つまり、３階層ぶんの下り斜面

だったということだな。

あ！

踊り場があった。

鑑定でも休憩スペースと出ている。

助かった。

あ〜、

筋肉はないけど、身体が

固まっているのが

よくわかる。

オレの身体はまだ6歳児が

始まったばかりだ。

は〜。

少し、マジックボックスが

気になったので

内容をみて見る。

□□

数が1000個を超えた物は、

重さ表示に、切り替えております。

□□

うわ！

つまり、1000個超えるものが

沢山あるわけね。

□□

重いもの順　収納物リスト

小麦粉　　　　　　10t

ダークスクワーオルの魔石　5.1t

ダークパンサーの魔石　　　5t

ダークレッサースパイダーの魔石　3.5t

ゾンビスライムの魔石　3.3t

︙

︙

︙

□□

あ…！

確かに、小麦粉倉庫買いしました。

魔石だけで、15t超えたか。

ふ〜。

え？

マナゼリー　3t

ハイマナポーション　2.5t

マナゼリーは、恐らくあの

魔力を、ゼリーにしたものか。

ハイマナポーションって

中級の上ってことだよね。

あのドルチェの店主に

オレの情報を国王に売りやがった

仕返しに、マナポーション屋を

店の前でやって見るか？？

やめておこう。

また、あの近衛騎士団が

出てきそうだからな。

だけど、一矢報いても

いいのではないか？

とも思うけど、どうしようか？

それよりも寝るか？

グー！

う！

お腹が空っぽだ！

そうか！

脳みそをフルしたから

栄養が空っぽだ！

急いで、いろいろ乾燥野菜を

入れてスープを作る。

出来るまでに、食パンにかじりつく。

駄目だ!一斤食べても

すぐに消化されていくのか

よくわかって、まだ足りないと

感じた。　　

果物にかじりつく。

身体が暖かくなっていくのが

わかってきた。

身体を生活魔法のクリーンで

きれいにする。

そして、スープというよりも

おでん鍋な煮物を

とりあえず食べていく。

しまった！

塩が入ってない！

スパイスで少しマシになるか？

なんとか食べられる味になったので

食べるのだが、

まだまだお腹が空いていく。

結局、大鍋に作った分を

食べてしまった。

そして、休む事にしたのだが…

眠る前に、食料が保つかな？

と、不安になった。