ep.19[幕間]ついに怒らせてしまって付いた炎で焙煎した葉で入れた赤い赤い紅茶でございます。

 時は、少し遡って


 シックス(辛党 大助)が、

またまたザガルゴーダンジョンに 

逃げ込んだその日、

迷宮都市ザガルゴーに、

ある4人の者達がやってきた。


 まず1人、グッソ公爵であった。

グッソ公爵は、ザガルゴーの

部下からの伝書バトを

受け取って、どうもシックスが

ダンジョンから出てきたという

冒険者ギルド内のスパイの

情報を見るやいなや、

馬車を出した。


 次の者は、国王ダーベベイダル

であった。宰相と

ギルドマスターと

ドルチェを率いて

もはや伝説のパーティー

「ダイヤモンドソード」の

再結成を思わせる布陣での

迷宮都市ザガルゴー入りである。


 街の者達は、何が起こったのか

不安にもなる。


 そして、次にやってきたのは、

そんなことなんて知らずに

やってきた

ルベイド・フォン・ルットラインだ!


朝から、やってきていた

グッソ公爵が今日は来ない事を

いい事として、生存が絶望的だと

勝手に判断したシックスの事を

確認する為と、


迷宮都市ザガルゴーの冒険者ギルドに

公式にシックスの死亡判定を

公表させて、グッソ公爵の

毎日の訪問を止めさせて、

王宮のはびこる、シックスに対する

自分対応が冷たすぎるという

噂に終止符を打たせて、


落ち着いたら、妻達に対して

この騒動の後始末として

しっかりと裏切った事を

精算させる計画のはじめとして

迷宮都市ザガルゴー入りした。



さて、迷宮都市ザガルゴーには、

辺境伯ビルガーがいる。


辺境伯ビルガーは、すでに王国に

シックスを、幼児虐待など

ルットライン家では育つことが

無理だとして養子に迎えると、

かなり王国のこれまでの

政策の事例を元にした

論理での書類を王国に

提出していた。


実は、これが受理を嫌がる

王城の役人に、辺境伯の

王都屋敷の執事が、ある事を

出して受理をさせたのが、

昨日の夜の

ギルドマスター レオーネ

と、ドルチェの突然訪問の

少し前のことであった。


なので、国王や宰相は、

この事は知らなかったが

この迷宮都市ザガルゴーで

会うことになる。


この4勢力は、ザガルゴーの

中央広場で、会うべくして会った。



辺境伯ビルガー

「こっ!国王陛下!

わざわざ、来てくれたのですか!

昨日の夜中に、出した書類の

内容に嘘はございません!


さんざん虐待されたシックスくんを

我家に養子として受け入れます!

この決意にウソはございません。」



国王ダーベベイダル

「え?何の事だ?」


宰相デスマルダが、今、城から来た

文官から辺境伯の出した書類の

内容を聞いていた。



それを、見てしまったグッソ公爵は

先手を打たれてしまった!

と、焦る!


グッソ公爵

「甥(国王)よ!久しぶりだな。

シックスは、我が孫!

こちらで引取る!

辺境伯は、手出し無用だ!」と、

怒鳴る!


そこへ、やってきてしまった

ルベイドが、ハァ?という顔をして、

わけわからん!というスタンスで

立つ事になった。



カオスである!


そこに、先行していた

第5近衛騎士団が、報告に来た。


「シックスという、子供冒険者の

足取りが掴めません!


その、辺境伯様の隣の部屋に

昨日は宿泊していたようです。


今朝早く、チェックアウトした事は

確認できました。

精算がギルドカードだったので

確かな情報です。」


ルベイド・フォン・ルットライン

「ハァ?シックス?

何を言っているのだ!

死人がなぜ、ホテルに泊まる?」


その時点で、

その場の有力者達の目が

ルベイドに、集まる。


辺境伯ビルガー

「今度は、死んだ事にしたのか!

ルベイド!

君は、自分の子供をなぜ?

そこまで虐待する!


陛下!

このままではいけません!

親戚でもある、私が育てます!」


グッソ公爵

「(いかん!また先手を打たれた!)

何を言う!

親戚だと言うなら、

祖父である、儂が育てる!」



宰相デスマルダ

「待ちなさい!

こんな所で、言い争っても

何もならん!


ここは、本人を連れてきて

よく話を聞く!


これは、陛下の決定である!


異論はないな!」



グッソ公爵は、宰相が苦手だ。

それに、ルベイドの態度が

逆に、自分にも有利に動くと

感じて黙ることにした。





ルベイドは、予想外の

事にどうするべきか

わからなくなってきた時、

最近雇った、

自分の親戚筋出身の

次期筆頭執事候補が、

集めてきた情報を聴く。


シックスが、生きてダンジョンから

出てきたらしい。


そして、深層でしか

ドロップしないものを

かなり大量に冒険者ギルドに

持ち込んで340億ギターに

近い金額が動いた。


深層と言っても、かなり深層!

地下第20階層より地下の

ドロップ品ばかり!


パーティー平均レベル45以上

推奨階である。


ルベイドのレベルは51!

今の近衛魔術師団のトップである。


それでも、苦戦必須の階の

ドロップ品を、340億ギター分だと!


その資金で、かなりの

品を買い占めていったらしい。


○パン屋の在庫全て!


○服屋の既製服、6〜10歳児用まで

なぜか、女性用まで全て。


○果物売りの露店の売れ残り

全て。


○ドルチェの店のほとんどの

品物10億ギター少し越える

ほぼ買い占め。


○武器屋と防具屋で既製品を

少し買った。


○小麦粉問屋の在庫全て!


○乾物問屋の在庫全て!


○豆問屋の在庫全て!


○果実水の素の在庫全て!


○行商の露天商からスパイスと

塩をその場現金で全て。


○バルガード王国の

簡単な地図と、馬車情報の

本を買った。


計20億ギターを少し上回る

買い物をしている。


そして、目撃者がいた。

ある家族連れが、

自分の子供が騎士に

ステータスを開示するように

言われて、もたつきながらも

開示しているときに

物陰から、冒険者風の

6歳児にしては、かなり痩せた

シックスとよく似た子供が

それを見ていたらしい。


迷宮都市ザガルゴーの

領館執務会議室では、

このことを聞いた、

ルベイドや、

同じ情報を聴く

辺境伯ビルガー

グッソ公爵

国王ダーベベイダル

宰相デスマルダ

ギルドマスター レオーネ

魔女ドルチェ


達で、領主は

いつ気絶するのかわからない

状態で、接待する。


宰相デスマルダ

「地図を手に入れた?

どこに行くつもりだったのか…。」


ルベイド

「生きていた?

どうやって?

あの吹雪を?


しかも、ダンジョンでも

生きていた?

どうすれば?」



辺境伯ビルガー

「隣の部屋にいた?

それも、かなり夜中の

チェックインだった?


つまり、それまで食料と

服と道具を買い込んでいた?」


迷宮都市ザガルゴー

冒険者ギルド

レオーネ

「しかし、呼び出しに

全て拒否する姿勢は

なかったから、

なぜ、地図を買った?」


グッソ公爵

「どういう事だ?

どうやって、そんな荷物を持つ?

誰か、荷物持ちがいたはずだ!

探せ!まだこの街にいるはずだ!」


国王ダーベベイダル

「乗り合い馬車は、

全て強制運休。


しかも、今日は人は、入れるが

出ることは、見つけるまで

禁止したよな?


朝に地図を、買った?

つまり、予定を変えた?」


魔女ドルチェ

「マジックバックかね?

恐ろしい容量のモノを

持っていたよ。

自前だと言っていたな。」


グッソ公爵

「クソ!倉庫捜索は中止!」


ルベイド侯爵

「ハハハハハハハ!

朝、ここから出ようとして

だめだったから

まさか、またダンジョンに

潜ったとか、言うのでは

ないだろうな!

ハハハハハハハハハ!」


全員の目が、

ルベイド侯爵にあつまる。



そして、

この街全体の捜索が始まった。

探知魔法使いが、魔導騎士団から

集められ、

家の住居なども、問答無用に

水瓶の中まで徹底的に

捜索された。


捜索は昼の3時で完了する。


グッソ公爵

「どこに行った!

ルベイド!

貴様!部下の魔導士に命令して

隠したのではないだろうな!」


宰相デスマルダ

「ルットライン侯爵?

何か言ってくれ。」



ルベイドのほおを、冷や汗が

流れていった。


その時である!


冒険者ギルドの職員が

血相を変えて、

ギルドマスターの

レオーネを呼びに来た。


レオーネ

「どうした?

落ち着け!何があった!? 

言っていることがわからん?

開放?

何を言っている?」


水を飲んで、

話しだした、職員が言い出したこと。


それは捜索が終わる頃、

ダンジョンの転移陣の石の柱が

光りだしたらしい。


そして、アナウンスが聞こえたという。

[転移陣機能、地下40階層が、

開放されました。]


そして、転移陣の柱の後ろの

看板で隠していた、

転移階表記に、40が追加されている

事が、確認されたという。


ハァ?


その場の全員が、

一斉にハァ?と言った。


ダンジョンに籠もったとしても、

地下32階層は無理だと

全員思っていた。


捜索が終わった時点で

国王達は、[ダイヤモンドソード]を

一時再結成して、

即死階層の地下25階層前の

階段にルベイド達を配置。


そして、[ダイヤモンドソード]が、

地下30階層まで、ショートカットして

地下31まで行き、シックスを

なんとか捕まえる計画だったのだが…


まさか、あのわけわからん

すべてのモノを、溶かす

濁流を越えて

地下40階層?!



そして、全員で確認にいく。


本当だった。


40の表記が増えていた!


一応、地下30階層まで

確認に行く国王達。


そこで見たのは、散乱する

魔石であった。


アンデッドの大群を、

急いで討伐して駆け抜けた事が、

見てわかった。


宰相デスマルダ

「儂らが、来る事をすでに想定して

先を急いだのか?!」


安全地帯を少しでも出ると

スケルトン達が、らわらわと出てきた。


ドルチェ

「決まりだね?!

どうする?」


一行はすぐに戻り、

見てきたことを、

レオーネが報告した。


ザガルゴー ダンジョンの

最深探検階層の更新…


そして、それ以上の

問題は、それがソロの子供。


ルベイド

「ヒァーーーーーー!

今度こそ死んだ!

冒険者ギルドは、早く死亡

認定して、この噂を…」


最後まで、言えなかった

ルベイド…


始めに殴ったのはグッソ公爵らしい。

そして、辺境伯…


怒る国王の、前で床に叩きつけられ

赤い赤い血を、ダンジョンの

床に流しているルベイド。


それはそれは、赤い血であった。

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