ep.12 逃亡のはて。
今、オレはザガルゴーダンジョン
地下31階の安全地帯と
呼ばれるモンスターが寄り付かない
場所にいる。
「授かりの儀」から
3年間が過ぎた。
今、7歳だ
騎士が、あのダンジョン初日の
次の日から増えだして
あれから1週間、
全く諦めるような事なく
騎士が手当たり次第
4歳位の子供を捕まえて
ステータスを、見せろと
強要していた。
そして、8日後
宿の下で騒がしい音がする。
まさか!
今度は、宿の宿泊客を
調べだしたようで…
ドタドタドタ!
うわ〜!
階段を、あがって来たよ〜。
そして、極めつけが
ここの子供冒険者で最後だ!
って声が聞こえた。
前の日に、大門の検問が
ステータスの開示に変更されていて
すべての子供すら、
真贋判定玉って魔導具を
使ってまで探し出して
いるみたいだ。
都市の城壁を登って
乗り越えろ?
4歳の身体では無理!
なので、もうダンジョンの中には
逃げ込むしかなかった。
気配隠蔽を使い。
宿の部屋のドアを開けた騎士達と、
入れ替わって外に出て
ダンジョンに向かう。
しかし、ダンジョンは
異空間なので、入口の所で
どうしても闇魔法が解けてしまう。
堂々と、ダンジョンの検問を
ギルドカードを見せて
入った時に、「待て!」と
向こうから、騎士達が
追いかけてきた!
「その子供を捕えろ!」
やばい!
しかし、オレは気づいていない
フリをしてダンジョンの闇に
闇魔法を使って溶け込み
ゆっくりと、足音を消して
地下二階にたどり着き
そこから、ジェットスケボーで
ダンジョンを爆速して…
あぁ、それからずっと
ダンジョンにこもりっぱなし!
時々出てくる、
食料のドロップアイテムを
時々楽しみにししている
生活を送っている。
今のステータスは
こうなっている。
□□
名前
シックス・フォン・ルットライン
(辛党 大助)
ジョブ 最弱者 +(★★★)
レベル 99/99
(9999995862/10000000000)
+(◆◆◆)
体力 1 +(★★★)
魔力 1 +(★★★)
スキル 生活魔法
状態 呪い150
称号 この世界で1番貧弱な
肉体を義務付けられた者
□□
恐らく、レベルの下の
カッコ内の数字は、
経験値みたいだな。
そう!10億!
まぁ、暇だから
毎日毎日モンスターを討伐
していたから、なんとか
稼げた。
そして、横の数値 /99 だ!
恐らく限界値?なのだろうな。
レベル50を越えた辺りで
表記されるようになった。
だが、いくらレベル上げても
虚弱体質は、変わらなかった。
体力 1
魔力 1
マジか?
本当に、この階層が
スケルトンとかの
アンデット系じゃなかったら
ほんと詰んでた!
魔法陣魔法の反動が無い
神聖魔法の魔法陣化したモノで
[ターンアンデッド]が
本当に面白いほど無制限で
撃てるから、ここまで来れた。
だいたい、地下25階から
下は全てアンデッドワールドだった。
火魔法では、焼けるが
ゾンビ系だと毒ガスが
発生する。
とか、かなり戦い方が
制限されるから、最深部の
記録が地下32階層止まりと
なっていた。
あいつら騎士はひつこかった。
地下10階層まで、追いかけてきた。
そして、それからは冒険者を使って
追いかけてきた。
地下24階層で追い詰められたが、
地下25階層からが
オレのターンだった!
ゾンビの大群が、やってきた!
オレは、その中をジェットスケボーで
駆け抜けて、ターンアンデッドを
使いまくった。
それで、奴らをやっと振り切った。
あー!
冒険者達に追いかけられて
本当に地獄だったな〜。
来たな!
スケルトンの、
大群が通路向こうから
やってくる。
しかし、床には俺が設置した
設置発動式の魔法陣がある。
「ターンアンデッド!」
「ターンアンデッド!」
よし!
すぐに、安全地帯に逃げ込む!
ハァハァハァ?
アレ?
息が上がってる?
これはレベルが上がるときの
症状だな。
一応、結界を貼っておく。
そして、ステータスを見たら
カンストしていた。
[おめでとうございます!
種族ジョブスキルの
限界点を突破された事が
確認されました。
ジョブが選べます。
魂の内なるものが
起動を、始めました。
特殊プログラムの存在を
確認。
おめでとうございます。
あなたは、人間種族を
卒業しました。
基本的な試練・修行を
収めた事を、確認。
今から、新たなステータスと
肉体を構成します。
ダンジョン内であることを
確認。
安全の為
絶対防御結界を構築。
成功しました。
では、はじめます。]
え?
いきなり、目の前が
真っ暗になった。
□□
その頃
王都のルットライン邸では
グッソ公爵が、
ルットライン家当主ルベイドと
向き合っていた。
グッソ公爵
「娘が、不倫していたことは
私から謝罪してやる。
だから、シックスを出せ!」
グッソ公爵は、
ルベイドの妻のビスガスの
父親である。
と、同時に今の国王ダーベベイダル
の叔父であり、
権力はかなりデカい。
そして、一時的に白紙になった
「授かり儀」の参加者リストが
元に戻った事で
一人一人確認していって
シックスという者しか
残らなかった。
辺境伯でも、その結論に至った。
しかし、最後の目撃は
ザガルゴーダンジョンに
入るところ。
その後で、辺境伯は
地下10階層まで、
手下の者を向かわせたが
シックスを逃してしまう。
そして、冒険者達を雇うが
そこで、グッソ公爵との
競争になってしまった。
しかし、辺境伯は
今でも、諦めず兵を
ダンジョンの入り口に置いている。
だが、グッソ公爵は
違った。
脱出石という
ダンジョンから、すぐに外に
転移出来る石のアイテムが
あるのだが、それを使って
すでに実家に帰っていると
考えたのだ。
グッソ公爵はシックスという
名前を、どこかで聞いたことが
あると思っていたら、
自分のバカ娘の産んだ孫の
名前だった。
そして、冒険者ギルドに赴く。
身分証明書を作るとしたら
迷宮都市ザガルゴーの
冒険者ギルドだと。
実は、「授かりの儀」のあとで
ギルドカードを作る時
確かに名前しか、表記されない。
だが、討伐履歴を見るときに
名字があれば、冒険者ギルドの
端末画面に名字が、
出てくるのである。
祖して、グッソ公爵は
金に物を言わせて
その情報履歴を手に入れて
確信したのだ。
自分の孫だと!
しかし、ルベイドは
返事をしなかった。
まぁ、いないからいないと
言うしかない。
はっきりと言うと生死不明だ。
しかも、殺したと言える犯人は
妻のビスガスである。
ビスガスが、
呼ばれたが出てこないので
引きずられ連れて来られた。
グッソ公爵
「久しぶりだな、ビスガス!
今、ルベイドに言ったが、
孫のシックスに会わせろ。」
ルベイド
「シックスは、ビスガスが
殺したらしい。」
ルベイドは、物置小屋の
ダイイングメッセージ?を
見ていた。
しかし、死体が無い。
家は無茶苦茶…
しかし、なぜか
そのダイイングメッセージだけ
鮮明に、残っている。
本当に死んだのだろうか?
わからない。
なんせ、仕事が忙しくて
一度しか、見たことがなかった。
父親である、ルベイドにすら
殺そうとしているのではと、
シックスは疑うような事を、
書いていた。
もし、生きているとすれば
どうしたらいいのだろうか?
「授かりの儀」の騒動の事は
王室にも知らされていた。
もちろん、国王は
連れてくるように
命令した。
だが、成功していない。
そして、どうも自分の息子だと
なった時に物置小屋の
事とか、国王に報告すると
連れてくるようにとしか
命令されなかった。
もうあれから
一年が経った。
しかし、ルットライン領にも
帰っていない。
妻?ビスガスは、
自分の父に、なんとか
諦めるように説得していた。
殺してしまったと、
心にもない涙を無理矢理絞り出して
泣く真似をして
公爵を騙そうとしていた。
しかし、公爵の強欲さは
そんなものでは揺るがなかった。
「さわるな!」
公爵に、怒鳴られるビスガス。
返って来た呪いで、既に腕が
真っ黒になっていた。
グッソ公爵
「なぁ、なぜ隠す!」
完全に、帰って来ていて
隠れていると思いこんている。
ルベイド
「あの、執事に聞けばいいのでは?
あなたの命令で、シックスを
殺そうとしていたみたいですから
よく、知っているでしょうな。」
執事は、顔を横に振って、
シックスはいないと伝える。
グッソ公爵は、ビスガスを
蹴り倒して
「この役立たずが!」と
自分の娘に、言って帰っていった。
ルベイドは、どうしようかと
頭を抱える。
グッソ公爵は、娘の産んだ子で
シックス以外の子供は
ルベイドの子供では無いと
認めて、公爵家公認だったと
言い放った。
あの物置小屋に買いてある
事は本当だったな…。
嫌な汗が流れる。
床に転がる、ビスガスを、みて
決断の時が近づいている事を
感じていた。
ビスガスは、欲望という逃亡の
果てに何を得たのだろうか?
ルベイドは、
自分に騙し続けたビスガス達に
プレゼントを贈る事にした。
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