ep.10 「授かりの儀」とは?
光が、オレを突き抜けて
辺りを飽和していった。
ここは?
あ!思い出した!
白い空間?
少し違うな。
キョロキョロと
辺り一面を見渡すが…
地平線の向こうのまで
真っ白な空間である。
あ、お祈りしろってことか?
オレは、もう辛党 大助に
戻るのだから、手を合わせて
「なんとか、生きて来ました。
元の世界に戻して下さい。」
静かに、雑念を捨てて
一心に拝む!
シーーーン!
アレ?
もう一度?
「なんとか、生きて来ました。
元の世界に戻して下さい。」
アレ?
はて?
と、おもった時
バーーーーーーーン!
と、いきなり白い空間が
割れて、あの時の女神が出てきた。
女神
「あんたさー!
いい加減!諦めろや!」
開口1番が、こんな言葉だった。
オレは、ムカついていたが
思いっきり
「さぁ!早く!元の世界に戻して
元の人生を歩ませてくれ!
それしか、オレは要求していない!」
はっきりと、
思いっきり言ってやった。
女神
「ふざけんなよ!
1つのミスくらい、お前が飲め!
女神の命令だぞ!
お前が黙れば全て
思いどおりなんだよ!」
ハァ?
オレは、その時叫んでいた。
「ふざけているのは、あんただよ!
なぜ、俺が他人の罰を受けて
他人の人生を、送らないと
いけない!
ふざけてるんじゃねぇぞ!
早く、元に戻してくれ!」
その時、女神が
黄金でできたとんでもない
デカい杖をいきなり出して
それを、オレに向けて…
女神
「うるさい!
こうなれば!…」
女神が、なにかを言おうとしたとき
上部の空間が割れて、
とんでもない、デカい剣をもった
間違いなく神様!って方が、女神の杖を
真っ二つに斬った!
だが、オレの身体?魂?が
ゆっくりと、この空間の床に
沈みだしてきたのだ。
大勢の、神様に取り押さえられる
女神!
女神!
「ざけんな!
修正するって事は!
失敗したってことだろうが!
そんなもの、認めるか!
貴様は、そのまま
最弱の身体と魔法能力で…
ぐわーーーーーー!」
沈むオレ!
いくらあがいても浮上出来ない!
女神を取り押さえた神様が、
オレに、斬られた杖の先と
何かと、
後、LANケーブルみたいなものを
オレの両手に握られせた。
は!
ここは?
教会の儀式場だった。
水晶の大玉に手を乗せた状態で
周りの人達は眩しかったのか、
目を抑えて、うずくまっていた。
あの杖の先とか
なにか?とか
LANケーブルっぽい物はない。
玉の前の大司祭様も
目を抑えて、うずくまっていた。
後ろの子供たちもである。
『その場から、早く離脱するのです!』
頭の中に、
声が聞こえたような
気がしたので、
音を立てずに、すぐに
教会から出て一目散に
街の大門をから出て
薬草集めの森に入る。
レーダーで誰もいないことを
確認して、木に登る。
ここなら、大丈夫だろう。
クソッ!
あの女神!
アレって邪神じゃねーか!
何が飲めだ!
ふざけんなよ!
なんで、俺が上司のバツを
肩代わりしないといけない!
なんで、俺が、上司の次の
人生を肩代わりしないといけない!
ふざけんなよ!
ハァハァハァハァハァハァ
少し、落ち着こう。
そうだ、あの手渡されたのは
何だったのか?
そして、思い出したように
ステータスウインドウを
あけてみようと思った。
「ステータスオープン!」
名前
シックス・フォン・ルットライン
(辛党 大助)
ジョブ 最弱者 +(★★★)
レベル 1 +(◆◆◆)
体力 1 +(★★★)
魔力 1 +(★★★)
スキル 無し
状態 呪い201
称号 この世界で1番貧弱な
肉体を義務付けられた者
ムッカー#!
この世界で1番貧弱な
肉体を義務付けられた者?
なんだよそれ!
つまり、あの女神は…
声にならない怒りが込み上げる!
そして、なんだよこの呪いって!
201?
これも、女神公認ですか?
ホー!
つまり、この世界…
人を、殺すとか
元の世界日本では犯罪でも
この世界では、合法なのですか。
なるほどね。
そういえば、
ルベイドの書斎でも、
この王国な法律の本は
なかったな…。
そして、王国制…
つまり、力があれば全て良しの
世界なのか。
そりゃ〜
魔王とか出て来るよな〜。
当たり前か…。
つまり、力が有るなら
やりたい放題だ!
ハァ、シンプル過ぎるのかって
いえばいいのか…
まぁ、あの女神…
この世界の人間を育てる気は無いと
見たほうがいいな。
つまり、「授かりの儀」って
思い思いに自分の適正を
伸ばして〜とかの行動を
阻害して混乱させて、
苦しめることを主題にしている?
邪神だな。
邪神だろう。
邪神だったんだ。
ハァ…。
なら、この一年…
あのクソ兄弟達から逃れて
あのクソ執事から逃れて
あのクソビスガスから逃れて…
何だったんだよ。
しかし…
アレ?
なにこれ?
俺は、ステータスウインドウの
上の部分に→が有るのを見つけた。
点滅している。
この先に
メールのマークがある。
押してみた。
○○○○○○○○○○○○○○○○○
for 辛党 大助 さん
from 天界世界監査室第○○室
あ!
気がついてくれた!
あの女神は地球の神々に
逮捕されて、こちらの留置所に
今います。
なので、追加での不正は
まず起こりません。
そして、今天界の神々様が
どうするべきなのか、会議中です。
実は、あなたが死んだ事に
された後に、今地球は異世界との
戦争になっております。
そして、今あなたを過去の時間軸に
送り込んで復活させるとなると
タイムパラドックスが発生して
計算では、最低でも152万人が
死んでしまうという事が発生する
事態から回避できなくなると
出てしまい、その犠牲予想者の
担当の神々や守護神、守護霊、
守護精霊から、反対の意見が
出てしまった状態です。
なので、今、こちらが
無理矢理介入して、
過去のあなたの身体に魂を入れると
この反対派が襲ってくるという
そちらの世界以上のハードな状態が
生まれることが確実になっていて、
すぐに戻せない状態です。
ですが、決して諦めろとか
言いません。
諦めないでください!
これは、あなたの日本での
仕事で、物凄く高く評価されている
方々がいまして、
その滅多に口を出さない方々が
今の、会議に介入されております。
あの、取り押さえ現場のときに
その方々の、意向を大変理解
されていた方が、あなたに
いくつかのものをもたせたと
思われます。
それは、今あなたの魂の中で、
眠っている状態です。
そして、恐らく通信ケーブルっぽい
ものも持たされたと思います。
それは、こちらの世界と
通信出来るケーブルです。
あの女神が逮捕されたので
そのための処置です。
会議で決まり次第
こちらから、説明に向かいます。
あと、あの「授かりの儀」の
時の光り方で、
あなたを捕まえて
良からぬ事を、企てようと
する輩と貴族が既に出てきています。
あのときに、司祭達の記憶を
一部一定期間限定の記憶喪失に
しています。
あなたのデーターだけ
名前すらわからない状態です。
しばらくは、宿で休んでいて下さい。
大丈夫です!
あの方々が、動き出した以上
なんとかする方法が、
出てきます。
待っていて下さい。
○○○○○○○○○○○○○○○
へ?
ハイ。
わかりました。
やっぱり、LANケーブルっぽいので
正解だったんだ。
うん。
落ち着こう!
最低でも152万人…
ハイ?
オレの存在ってモブでは
なかったと言うことだと、
一応理解するか?
それでいいのか?
だけど、ここよりもハードって…
それに、戦争か…。
そういえば、俺が本来の
プログラムの調整の本業の
得意先の方で、
異世界に拉致されたかも?
とかの思った事があったな!
そして、
良からぬ事を、企てている
輩や貴族が出てきているって
ことですか…
思いっきり光ったもんな!
あの水晶とか大玉!
そういえば、剣聖とか、聖女とか
拳聖とか、騒いでいたけど
遠くから、少し強く光ったな〜
程度しか、光ってなかったからな…。
ま!
まさか!
あれだけ光ったから
なにかとんでもない
凄いジョブが出たから
恐らく平民に枠での儀式だから
攫って調教?
いや、奴隷?
にして、オレをロボット化
するつもりだな。
あの上司や部長の類か!
捕まらないようにしないとな…。
さてと、
もうすぐ日が暮れるな。
薬草を素早く探知魔法を使って
素早く集めて
できるだけ気配を消して
街に帰り、ギルドに納品する。
ギルドは、夕方でごった返す
状態であった。
受付嬢さんに、
納品する。
(仮)ギルドカード(木製)
を見て受付嬢さんが、
「ハイ!納品規定量達成と、
今日、「授かりの儀」受けたわよね?
では、このギルドカードに
血を垂らしてね!」
と、言われたので
するしかなかった。
どうしよう?
確か、ギルドカードには
ステータスウインドウの
情報が一部コピーされる
仕様になっていて、
まぁ、討伐情報とかの
不正防止なのだが、
オレのフルネームとジョブが
バレる可能性がある。
だけど、不安そうな
顔をしていたのだろうか…。
受付嬢さんが言ってくれた
言葉で、オレは救われた。
「ギルドカードには、
顔の似顔絵と、名前と、
ギルドランク、そして
モンスター討伐履歴
ギルドクエストの履歴しか
表示されません。
名字がある方も、名前しか
表示されません。
実力主義なのと、
身分差別禁止なので
そうなっています。
例え、貴族出身でも、
貴族であっても、
冒険者は皆冒険者っていう
ステータスなのです!
えーと、ただA級ランクになると、
王国とかでは伯爵扱いになります。
AAランクで侯爵扱いですね。
だから、シックス君も頑張ってね!」
シックス
「ハイ!お姉さん!
ありがとう!」
あ〜よかった。
しばらく休んでくれって
言われていて、
いきなりの名前バレの
危機とは!
教会での事もあるけど、
ルットライン家も警戒しないとな。
そして、屋台で買い食いと
いろいろな、果物を買って
宿に、巣ごもりする事にした。
さてと、結界を念入りに張る。
誰かにつけられていないかも
確認済みだ。
コテン!
ベッドに横になった途端に
かなり疲れていたのだろう。
すぐに寝てしまった。
□□
その頃、
シックス(辛党 大助)が
いる宿の3軒隣の
高級宿では、辺境伯が
情報を集めていた。
辺境伯
「なにか、わかったか?」
シックス(辛党 大助)が、
教会の現場から逃走した時
辺境伯も、その現場にいた。
優秀な者を取り立てる。
領地経営には、不可欠な事である。
今年は、領地が壊滅したが
その穴を埋めるがごとく
優秀なジョブ持ちが
沢山出てきた!
拳聖! 剣聖!
そして、わしの娘が聖女!
騎士や、聖騎士もいた!
騎士は100人に一人!
聖騎士は200人に一人!
そして、剣聖や拳聖は聖女は
もう!レア中のレア!
そして、それよりも光を
発した者がいた!
間違いなくレア!
だが、思い出せない。
なぜだ!
司祭達も、思い出せないらしい。
そして、困ったことに
「授かりの儀」の申込者の
名前リストが、
元本、写し、全て真っ白に
なった!
どういう事だ!
教会は、神の奇跡だと言って
そのリスト元本を、金庫に入れた。
なので、今日儀式を受けた子供達を
片っ端から探して、
ステータスウインドウを
見せてもらっているが
それらしき者は、
まだ見つかっていない。
そして、困ったことに
その情報が、
あのグッソ公爵に漏れた。
グッソ公爵は、
隣のルットライン侯爵の
妻ビスガスの実家で、
本当にろくでもない奴だ。
あいつよりも早く、
謎レアスキル持ちの者を
探して、こちらの陣営の
一員にしないと…。
すでに、迷宮都市ザガルゴーでの
水面下の戦いは
始まっていたのだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます