ep.9 待ちに待った「授かりの儀」
あ〜!
いい朝だ!
シックス(辛党 大助)は、
目覚ましが鳴り出す、
少し前に起きた。
すぐに、水と火の魔法で湯を
作り出して、身体を拭く。
頭も洗った。
そして、服を来て
伝言の引き継ぎの手紙を
懐に入れてすべての
物を、マジックバックに
入れておく。
服も、新しくクソ兄弟の物を、
リメイクした物に着替えておいた。
新開発の魔法陣を編み込んだ
手袋もいつでも使えるように
しておく。
この手袋は、
俺にしか使えず
右手と左手には、
8種類の初級魔法の魔法陣を
仕込んである。
腕にも、仕込みの剣と
上着の下には、鎖かたびらを
着ている。
ズボンの内部にも、プロテクターを
仕込んでおいた。
もちろん、防御結界を薄く張る
魔法陣を内蔵済みだ。
靴には、魔力生成、生命力生命の
魔法陣を内蔵している。
後は、闇魔法で精神乗っ取り対策と
精神攻撃対策をして
結界も張っておく。
ふぅ〜!
思いつくだけは、
対策をしておいたぜ。
ルットライン家の奴が
俺がここにいると嗅ぎつけて
殺しにくるという想定で
動いたほうがいいと
ずっと用意だけはしておいた。
まぁ、これだけ用意しておいたら
魂の入れ替えのあと、
あの上司が死んだとしても
俺のせいではない!と
はっきりと、胸を張って
言えるぐらい用意した。
辛かった…。
はっきりと言うと、辛かった…。
だが、それも今日まで!
では!行きますか!
食堂で食事をしてから
ゆっくりと、歩いて行く。
警戒を怠らずに
歩いて行く!
え?
派手な馬車だな?
大通りを、貴族の派手な
馬車が通り過ぎる。
あの紋章はルットライン領の
お隣さんの辺境伯の紋章だ!
なぜ?迷宮都市ザガルゴーに?
あ〜。
そういえば教会の人が言っていたな。
雪害で、辺境伯領とルットライン領の
人も「授かりの儀」を
受けにここに着ているって。
だけど、ルットライン家は
去年、あのクソ双子が
「授かりの儀」を受けたから
妄想、今年は来ないはず。
辺境伯の所の情報なんてない!
屋敷の人間の話題にも
登らなかったから
全く知らない!
だけど、あの方向に
馬車を走らせたって事は
やはり、「授かりの儀」を
受ける人がいるのだろうか?
つまり、同い年?同級生?
ふ〜ん?
まぁ、あまり関係ない。
アレ?馬車がまた来たぞ。
今度は、子爵家?それと男爵家?
あ〜!
辺境伯の部下の貴族かな?
確かそうだったな。
あの、クソ兄弟を見ているから、
貴族なんかと関わりあうなんて
ほんとごめんだよ!と、
ため息をまた吐いて
歩いて教会に向かう。
教会が、見えてきた。
うわー!
人が多いな。
付近の村からも
人が集まって来ているな。
そして、教会入口に向かう列に
ならんだ。
かなり早めに来たつもりだったが、
遅かった?
なんて、思いながらならんでいたら
村から来ただろう集団の
会話が、聞こえてきた。
戦闘向きのジョブを
授かった者は、村に帰らないで
そのまま冒険者になるらしい。
そして、働き場所が
村に無いものも冒険者登録に
行くという。
なるほどね。
どこの世界も就職活動は
キツイな〜。
それも、4歳の頃からだよな?
この世界、ハードすぎない?
列の向こうのでは、歓声が上がる。
なんだ?
望遠鏡魔法を使って見てみると…
へー!
美人だな?
同い年位かな?
きれいな服を着て
かなり実用的な動ける服を
着ているな?
あ!
あの紋章!
辺境伯家の紋章だ!
やはり、同い年の人がいたのか。
そんな事があって
まぁ、鐘が鳴り
「授かりの儀」が始まった。
なかなか列が進まない!
なぜ進まない?
オイオイ!
こんなスピードだと
オレの頃だと夕方になっちまう!
まさか徹夜か、
ずっと待ちっぱなしで
朝まで待つのか?
ピカ?
何か光った?
ウォーーーーーー!
歓声が上がる!
聖女様が出たぞーーーーーー!
どうも、ジョブ聖女の
人がいたらしいな。
周りの奴らが、ヒソヒソ話し出す。
「いいな〜聖女様だと
教会にすぐ引き取られて
修行が始まるのだろう?」
「私は、いやよ!
家に帰れないじゃない!」
「だけど、3食メシ付き
部屋付きだろ?」
「修行は、厳しいらしいよ!」
へー?
そうなんだ~。
アレ?
なにか引っかかる…。
なんだろう?
あ!次女のニッコメだ!
あいつ、ジョブ聖女だって
ずっと自慢していたよな?
だけど、あいつずっと
領地の館にいたぞ?
どういう事だ?
今持っている神聖魔法の
教科書も確かに発行所は
教会本部となっている。
まさか、ニッコメは、
自称・聖女のニセモノ?
まぁ、いいか。
これでヤツとは、おさらばだから
気にすることも無い。
ハァ、早く進めよ!
そして、また歓声が上がる。
剣聖が出たぞ!
へーそうなんだ~!
早くしてくれ〜!
そして、大魔導士が出たぞ〜!
へー?
あの長男ワンと同じか〜。
周りの奴のヒソヒソ話しが
かなりヒートアップしている。
「いいよな〜。
就職先保証されたような
ものじゃないか!」
なるほどね。
確かに、保証されるなら
いいのかもしれないが
あんなワンみたいな奴が
魔導士として、街を歩かれてもね〜
迷惑なだけだよ。
見本が、
あまりにもクソな奴しか
見ていなかったから、
ため息しか出ないね。
泣いて、走って行く男の子や
女の子もいた。
希望するジョブでは、なかった模様。
ハァ〜
職業選択の自由くらい
保証してやれよ!
なんか、ムカついて来た。
まぁ、全員が全員大魔導士
とかになったら、
まぁ…
平等だからいいのじゃないか?
まぁ、ジョブ変更可能とかでも
いいような気がする。
また歓声が上がる!
どうせ、この流れだと
勇者とか?
武聖だって!
なるほどね。
拳法家か!
なんだかんだ言って
結構、有名なジョブとか
出るものなんだな〜
なんて、完全に他人事である。
まぁ、今から他人になるから
本当に他人事である。
やっと少しずつ動いて来た。
あ〜!なるほどね!
初めは、貴族とか有力な
商人とかから、儀式を始めるのか。
あのクソ双子の時、去年は
ルットライン領だったのと
人数が少なかったから
全く、気にしなかったな。
あれ?
うわー!
進みだした途端に、
悲壮な顔をした同い年の
子供が、かなり出口から
出始めたぞ!
コレ…
本当に
祝福の儀式か?
葬式よりも酷いぞ!
しかし、時々ガッツポーズをして
俺は戦士だー!
って叫んでいる奴とか
魔法使いだー!
って喜んでる女の子が入るな。
だけど…
圧倒的にすくないぞ。
やっぱり、この世界…
おかしくない?
あと少し!
もうすぐだ!
なるほどね!
まずは祈って、
前にある水晶の大玉に
両手をつけると
司祭さんと、子供の前に
半透明の板みたいな物が
出現するな。
ほんと、PCのウインドウみたいだな。
なんか、あの玉がピカピカ光って
目に悪い。
あの双子の時とは、かなり違うな。
あいつらの時は、
小部屋に籠もってやっていたから
全く知らなかった。
そういえば、なぜ籠っていた?
これを見ると、そんな必要は
無いよな?
さっきの辺境伯家の儀式でも
オープンみたいだったから、
変だよな?
「農夫」
「歩き」
「料理人」
「小豆洗い」
「騎士」
「ヒーラー」
「神官」
︙
︙
︙
へー?!
いろんなジョブが、有るんだな〜。
よくわからないジョブも
あるけど、何をしろと言うんだ?
そして、ついにオレの番に
なった。
あ〜長かった。
ここまでの旅路を
思い出して、祈る
いかん、涙が出てきたぞ。
つらかったな〜。
そして、水晶の大玉に
手を乗せたと同時に、
物凄い白い光が溢れる!
つづく
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