ep.7 迷宮都市ザガルゴー初日。

 ヘトヘトになって、宿のベッドに

倒れ込む。


 疲れた…。


 宿には、1週間分の宿代を先払いして

とりあえずの居場所を確保した。


 ここは迷宮都市ザガルゴー!

あのあと、改造ジェットスケボーで

あの御者が、村に入った頃合いをみて

一気に通過した。


もちろん、

闇魔法で姿を見えないように

して移動したよ。


都市の入口は、都市に入場希望者の

長い列があった。


俺は、身分証明書が無いから

入場税を払ってのザガルゴー入だ。


さて、途中の屋台で買った

料理や、果物をマジックバックから

出して食べる。


ふ〜!

美味い!

トマトだと思って、かぶりついたが

まさか梨だとは思わなかった!


だが、いい刺激なった。


状況を整理すると、

今は10月の終わり。

明日は11月である。

そして、「授かりの儀」の月でもある。


ハァ、

俺が記憶を取り戻して

そろそろ1年ってことか…。


まったく、早く元の世界に

戻せよな〜。


この世界…

ハード過ぎるだろ。


久しぶりの食事をしたせいか

眠くなったので、部屋に結界を

張って眠りに落ちた。



□□

その頃、迷宮都市ザガルゴー手前の

村は、騎士団に包囲されていた。


乗り合い馬車の御者

「待ってくれよ!

俺は、何も知らね〜。

盗賊に襲われて、直に逃げた事は

謝るよ。


だけど、そうしないと俺は

殺されていた。」


乗り合い馬車に乗っていた女?

「調べはついている。

最近、王都行きの人の交通が

少ないのはお前たちが

片っ端から攫って

奴隷として、他国に売り払って

あるからだろうが!


しかし、子供を、殺すとは。

てっきり、捕まえていたと

思ったがな。」


御者

「なんの事だよ!

俺達は、殺してなんかいない!

殺すと頭に売り物を殺すなと

殺される!」


騎士A

「語るに落ちたな!

連れて行け!」


騎士B

「変だな。やつら

今回の成果はなかったとか

全員言ってます。


 馬車に乗っていた、

盗賊の奴は、ガキは

いつの間にかいなくなっていた

とか言うんですよ。」


「だが、あの死体は

短剣で刺されて死んでいたぞ。


そういえば、血があまり

流れでいなかったのが

妙だったのだが、

他には何も不審な点はなかった。」



あの女の二人組は騎士だったようだ。

そして、どうもシックスと

自分達を囮にして

盗賊の取り締まりをしていた

らしいのだが…。



騎士団長

「まぁ、子供を殺してしまって

その頭領から殺されるから

言わないだけかもな?


それにしても、

(うん、みんな雪に埋まった。

家も埋まった。

母親は、モンスターに、なった。)

なんて、言っていたな。


つまり…辺境伯領か、

ルットライン領から逃げて来たのか?

母親がモンスターに、なった?

今かんがえても、よくわからん。」


騎士副団長

「まったく、こんな淑女に

老けた変装をさせて!

まぁ、手柄を立てたから

いいとします。


 なんで、団長と夫婦役を

しないといけないのよ!」


あの馬車に乗っていた、

ニセ夫婦も騎士だった!


女騎士

「とても、3歳とは思えない

落ち着きようと、

なにか悲壮な決意の顔でしたね。


あの後、会話をしようと

しましたけど、

なんて声をかけようか

わからなかったので

結局、ずっと黙ったままでした。」



そして、騎士達は

盗賊達の村を全員縛って

王都に連行していった。


頭領は、シックスの

予想とは、少しズレて

村長の息子を演じていた。



□□


次の日の朝


シックスは、また寝をした!


疲れていたのである。

しょうがない!


昼頃起きたシックスは、

まず、宿の主人から

冒険者ギルドと、教会の場所を

聞き出す。


そして、まず冒険者ギルドに

向かった。


「授かりの儀」で、

ステータウインドウが出せるまでは

登録できないが

(仮)登録はできる。


まぁ、かなり多い子供の労働力も

いるって事だね。


そして、俺には身分証明書がいるのだ。

そうだ!

登録するときに、名前がいるな。

どうしよう?

偽名を考える?

だけど、ステータスウインドウに

名前は表記されるから

登録更新とかが、あったら

マズイな…。


うん、この身体の名前通り

シックスとだけ、名乗っておこう。


名字はつけない。

どうせ、六男なのだから

廃嫡とかに、なるだろうからな。


それに、なんとなく

もやもやと感じていたが、

あの父親が、他の子供が

自分の子供では無いと疑った

時点でなぜ?調べなかった?

そして、正さなかった?


おかしい…。


侯爵って、王様から数えて

3番目だろ?


貴族の序列としては

まぁまぁ上だよな?


王様


公爵


侯爵


伯爵


子爵


男爵


準男爵


騎士爵


準騎士爵


そして平民


非合法だが、奴隷


の、身分序列だ。


何の思惑があるが知らないけど

まぁ、殺されかけたのだから

逃亡しても問題無いよね!


え?

父親が、踏ん切りついてないとか

自分の子供かどうか、

わからないから長男達を生かしている

可能性があるって?


それも、あるかもな?

DNA鑑定魔法とかの魔導書は

まだ出会っていないし、

無い可能性が高い。


だが、あのまま、あの館にいたら

殺されるだろう。


毒入りワインならぬ、

毒入り、具のない塩スープを飲んで

死亡なんて、お断りだ!



見えた!

剣と盾と杖の看板!

冒険者ギルドだ!


あ!

3歳でも、ラノベで

テンプレの酒臭い冒険者に

絡まれるのか?


まぁ、ラノベはラノベ!

創作物!


現実は違うのだよ!

って、ギルドの中に入る。


昼だからなのか、かなり

人がいないな。


あ!あれがクエスト表か!


受付嬢さんを発見!

オー!

かなりの美人だ!

アイドルとか、女優出来るよな?


受付嬢

「ボク?

クエストの依頼かな?」


シックス(辛党 大助)

「(ここは、3歳3歳3歳!)

ちがゆ〜!ぼうけんしゃの

とうろくにきたの!


かりとうろくにきたの〜。」


受付嬢

「(仮)登録?

そうか、まだ「授かりの儀」は

受けてないのね?」



シックス(辛党 大助)

「うん! あとすこししたら

きょうかいでうける。


いえがゆきにうまったから

ぼくひとりで、ぼうけんしゃを

するの〜。」


受付嬢は、事情がわかったらしい。

すぐに、(仮)登録してくれた。


ギルドには、ランクがある。


SSS


SS


AA


A


B


C


D


E


F


G(見習い・(仮)登録)


となっているらしい。

自身のランクの一つ上のランクの

クエストまで請けるコトが出来る。


冒険者として一人前は

Dランクから!

実質的に最高ランクはA級!

だいたいバケモノと呼ばれるらしい。


そんな所だ。


さてと、これで身分証明書は

確保出来た。


次は、教会で「授かりの儀」の

事を、聞かないといけない。


予約制とか、あるかもしれないから

聞いておかないと。


その前に、屋台で買い食いをする。


そうだ!栄養をつけないと

この身体は成長しない。


これからは、積極的に食事を

しないといけない。


まぁ、そんな事考えるのも

あと少し!

あと少しの辛抱!


教会についたので、聞くと

事前申し込み制だった。


なんでも、辺境伯領と

ルットライン領の雪害で、

王都で「授かりの儀」を受ける

者が急増して

こちらでもかなり多いらしい。


まぁ、ルットライン家の奴は

来ないから大丈夫だろうと

思って、申し込みをする。


名前はシックスとだけ書いた。


儀式は1週間後らしい。


図書館の場所を聞いて、

図書館に行くが、閉鎖されていた。

門番に聞くと、

辺境伯領と、ルットライン領の

雪害のせいで、人が流入してきて

かなり治安が悪くなり、

領が立て直る来年まで閉鎖らしい。


うわー!


まぁ…

仕方ないね…。


そして、ギルドでみていた

常設クエストの

薬草集めに向かう事にした。


門を出て、近くの森に入る。


時空間魔法のサーチを使って

薬草を補足する。


よし!いい感じだ!


マジックバックにかなりの

量が集まった。


あれ?


マップに、反応が!

敵性?


ゴブリン?だよな?たぶん…。


緑のかなり悪そうな顔の

3歳のオレの、身体よりも少し背が高い

存在だ!


け!

オレを見つけて襲って来たぞ!


ウインドカッター!


剣で斬る?

イヤ…

3歳児には無理!


なので魔法でサクッと

真っ二つになってもらいました。


討伐部位は耳?


だけど、今は警戒対象に

なりたくないから

目立ちたくない。


やはり、3歳の身体では

限界がある。


ゴブリン?は放置することにした。


ギルドに戻って薬草を納めて

銅貨を一枚もらった。


この世界の貨幣単位とか

教えてもらった。


金貨一枚が100銀貨


銀貨一枚が小銀貨100枚


小銀貨一枚で銅貨100枚


銅貨一枚で鉄貨100枚


単位がギター


ちなみに、オレがいる

安い宿は1日鉄貨90枚。


まぁ、薬草集めが一日分の

最低の稼ぎって事だよ。


これなら、怪しまれないと思う。


まぁ…後1週間でこの世界とも、

おさらばだ!


そして、宿に戻って追加で

1ヶ月分を払っておく。


なぜか?

まぁ、いきなりチェンジした

上司の奴が

いきなり、訳がわからない

事にならないように

書き置きはしておくけど、

事態を飲み込むまで、

時間がかかるだろうから

猶予期間を取るために

あと、1ヶ月延長したのだ。


俺って、散々あの上司に

やられたのに、優しいね〜。


あの、クソ家族から既に

脱出済みとか、かなり厳しい

イベントを攻略済みとは

あの上司は、幸運だよね〜。


さてと、

いくら、テンションを

上げてもやはり夜が来る。


だが、街の雑音はいい。

雪の静寂さと、暗闇の恐怖より

かなりいい。


まだ読んでなかった、

迷惑吹雪の禁書の魔導書を

読む事にした。


その時、気がついた!


あ!

あの禁書ラベル!

なにかの追跡魔法がかかっていたのか!


あのラベルを温泉の所で

捨てたのを思い出す。


そして、あの騎士の紋章は

父親の書斎の紋章名鑑でも

載ってなかったから

帝国の追跡隊だったのか!


まぁ、いいか!


気にしない!気にしない!


そして、この禁書を解読にかかるが、

ハァ?

これは…?!

全自動洗濯機開発をしようとして

失敗した?


そういえば。吹雪が回転していたな。


ほ〜?


つまり、洗濯機魔法で

2つの王国領が飢饉になったと…。


汚水処理魔法の開発を放棄?


本当に、開発するつもり有るのか?

この作者さんよ〜?


全て読んでみたが…

隠し書庫の魔導書レベルよりも

少し下なのか?


つまり、あの書庫はヤバい。


見たことは、黙るしかないな。


そして、夜になったので寝た。



□□

その頃、

その禁書ラベルは、

バルガード王国の近衛魔導師団の

所に持ち込まれていた。


「付近での、強力な魔力反応が

あったのはこれだけでした。


山を走る、強い魔力反応は

わかりませんでした。」


近衛魔導師団長

ルベイド・フォン・ルットライン

「う〜む。

確かに強い魔力反応だな。


封印魔法と追跡魔法か!


恐らく禁書に、貼られていた

ものだろうが、それを外すと

なるとかなりの魔力が必要になる。

既に、禁書は持ち去られた後か。」


何者が吹雪を、止めたのか?

そして、禁書の行方は?


帝国は、吹雪が事故であり

止められなかったとして

いくばくかの賠償金を出して

王国と手打にしようとした。


帝国の首都、帝都にも

吹雪が来てとても今は

資金が出せないと言う。


いわば、自爆だった。


山が、吹雪を遮ったのが

バルガード王国の被害が

少なかった要因だったらしいが、

帝国では、中央部まで吹雪が

襲って来て首都機能は停止した

ままだとスパイも報告していた。


そして、賠償請求権を

保有してでの

一応の手打ちにするしか

バルガード王国も手段がなかった。


まだ戦争するだけの

経済力がない。



しかし、この出来事は

後に、かなり悪影響を及ぼす事は

決定的なのであった。




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