ep.3 わかって来たこと。
一週間!
なんとか、この世界の文字を、
覚えたぞ!
そして、もう一週間なのか!
という気持ちでもある。
何も娯楽の無い状態で、
活字があることは、かなり
精神的に助かった。
そして、
一週間ぶりに、とりあえず
食料庫に向かって
俺の扱いがどうなっかの
確認にいった。
どうせ、ゴミと一緒に
遺体を捨てたとかの
扱いとなったか、
死体がなかったから
逃げられたと知って、
追手を放ったか?
しかし、事態は
斜め上に行ってしまっていた。
実は、まだ雪に閉ざされていて
しかも、1ヶ月は覚悟しないと
いけない見通しになり、
食料が無くなったので、
3階から外に出て、
裏山の魔物か動物を狩って
なんとか飢えをしのいでいたらしい。
しかし、それにも限界がある。
長男が、火魔法で雪を溶かすように
ビスガスに命令されて
やったのだが雪の降る量が
勝っており、馬すら既に凍死している
事が判明したようだ。
執事と、料理長と、騎士団長たちが
外に出て、街に食べ物を調達する
事になったのだが…。
オイオイ…。
普通なら、物置小屋にいる
俺を救出するのが先だろうが!
本当にムカついて、
書庫に戻り、後1週間は
雪の中だろうと思って
今度は、片っ端から
書庫の本を読みだした。
この国は、バルガード王国
というらしい。
大陸の海に面した、端っこの
小国とは言えないが
大国でもない王国制の国だ。
そして、このルットライン領は
いわゆる辺境と言われる
土地で、山向こうと大国の
ドドーガー帝国と接している。
そして、山奥なので雪がよく降る
みたいだな。
この世界には、
魔法がある。
火 水 風 土 闇 光 など
数々の属性があり、
使える魔法は、与えられたジョブの
特色により変化する。
やはりジョブによって得手不得手が
存在するらしい。
そして、魔王がいたらしいのだが
今は、討伐されたとしている。
ふ〜ん。
一応、平和なのか?
まぁ、新聞なんて今は読めないから
わからないけど…。
まず、「授かりの儀」にて、
ジョブを授かると
ステータスウインドウって
モノが、使えるようになるみたいだ。
そこには項目として
名前
ジョブ
体力値
魔力値
スキル
称号
が表記されていると言う。
ラノベだよな〜。
ゲーム的と言うか…。
あと、
魔物やモンスターを倒したときに
経験値っていうものが
獲得できてそれを貯めると
レベルアップするらしい。
そして、魔力!
それは、一応ジョブを授かってから
練習させるらしい。
属性の適正とかも、
調べる方法はあった。
だが、ジョブを授かった後の
方が成長率が高くなるのと
その教育に対する投資を
効率よくできるために
ジョブが、授かるまでは
貴族・平民な体問わず
体力をつけさせるらしいのだ。
そうすると、少し補正がかかって
レベルアップの時に
少し多めに体力値が増えていくと言う。
そういえば、あの女神様…
遺伝子的に生きる力が
無いとか、弱い身体に
俺の魂を入れたとか
言っていたな。
ふざけんなよ!
早く、元に戻せよ!
クソ!
館が、雪に埋もれたからか
静かだ!
雪は、音を吸収するから
シーンとなっている。
暇だ!
魔導師入門?
読んでみるか?
魔力の感知の仕方?
もうすぐ、いやあの女神の
良心を、信じてもうすぐ
元の身体に戻るのに
この世界の知識を得ても
何もならないのだがな〜。
3時間後…
クソ!
暇だ!
ええい!
そして、大雪による恐ろしく
静寂な中を、
暇と孤独と言う人を狂わす
毒から逃げるように
片っ端から本を読んでは、
実践的していった。
□□
その頃、
静寂は、長男ワンを
狂わそうとしていた。
窓を開けて、火魔法を放つが
すぐに雪に消されるだけだった。
ワン
「クソ!
オイ!リリー!
こっちに来い!」
ワンは、専属メイドのリリーを
呼ぶが、全く部屋に来なかった。
ワンは、エルフ美人のリリーを
自分の妾にしようとしていたが
ずっと失敗していた。
リリー達、専属メイド達は
ビスカスを始め双子を交えて
食堂に集まっていた。
誰が、裏山に行って
モンスターを狩るのかの
相談である。
そこに、自称・次期当主が
やってきた。
ビスガス
「ちょうどいいときに来たザマス。
食料庫が空になり、
もはや、飢えに耐えるか
狩りに行くかの時に来るのは
この家を継ぐべき者の資質を
示す時でも、あるザマス!
ワン!
狩りに行ってきなさい!
私は、角ウサギのソテーが
食べたいザマス!
夕刻までには6羽狩って
帰ってくるザマス!」
もはや、空腹なので
問答無用に狩りに行かされる
長男ワン。
騎士護衛が2人着いて、
出動させられた。
だが…
ワンの眼の前は、
真っ白!
家の二階まで既に積もっている
雪の下のモンスターを
狩れと言われても…
父親のルベイドなら、
スキル気配察知を会得しているが
やはり冬眠状態や
巣穴に閉じ籠もっている
モンスターや動物を
補足できるかどうか…。
ワンは、護衛の、騎士に
気配察知を使えるかどうか
聞いたが、騎士団長しか
持っていなかった。
とりあえず、
初級火魔法ファイヤーボールを
森の辺りに撃ちまくる。
ドーン!と、木に当たった
ファイヤーボールは爆発したが…
他のファイヤーボールは、
雪に消されてしまう。
向きになって、雪を溶かす
ワンは、やっと森の地面に
たどり着いたが、
こんな音によって、やってきた
ホワイトビッグベアーという、
デカいクマのモンスターが
襲来してきて、
雪で走れないので
戦う事になった。
しかし、ゆっくりと
後退するしか無い。
護衛達も、盾が既に壊されて
ヘトヘトである。
その頃、屋敷では騎士団が
屋敷の出入口を
雪からなんとか開放して
ゆっくりと降る雪の中
雪かきをしていた。
しかし、そこに逃げ込んだワン。
屋敷中が大騒ぎとなる。
地球のクマは普通冬眠するが、
魔獣となったモノは
生態系がかなり変わってしまう。
冬眠していなかったのと、
ホワイトビッグベアーの
空腹による、
凶暴化で、とんでもない被害を出す。
屋敷の警備の騎士団は
半壊した。
そして、執事達が還って来るまで
少しずつこのモンスターを
食べることになったのである。
□□
そんな事を、無視して
1ヶ月!
結局、執事達は
1ヶ月後に帰ってきた。
それまで、吹雪に閉ざされて
街すら、食料がなかったらしい。
かなり遠くから、食料を買い付けて
来たみたいだ。
え?オレ?
まぁ1日1食にして、
魔力を感じ取れと言う
魔導師入門の書に従って
毎日鍛錬をやっていたよ。
まぁ、ドタドタ運動して
居場所がバレると
食料を取られるだろうから
静かに、魔力の鍛錬をやっていたよ。
食料?
この調子だと、
2ヶ月いけるな!
2日に1回は、
食料庫の方に行って
情報収集をすることにした。
そして、ある日の事である。
食料庫の隙間から
耳をそばだてていると
何やら騒がしい。
なに!
かの吹雪は、隣国の
魔導師団が、最近の解読出来た
古代の禁書の魔法を使って
よく合わば
魔法騎士団長のルベイド侯爵を
暗殺しようと、
国境付近で実験をした結果
らしいとの、帝国からのスパイの
情報が来たので、
まだ吹雪が来るので
避難しろと言われて、
王都に逃げるという事らしいのだ。
なぜ、吹雪が続くのか?
帝国でも制御不能となって
いくつかの貴族領が雪に閉ざされて
その領主達が死亡したらしい。
だめやんか!
そして、禁書こえ〜!
「大吹雪がやってくるぞ〜!」
この掛け声と共に、
この屋敷は、鍵を閉めて
無人となった…。
シックス(辛党 大助)
を置いて、もぬけの殻となったのだ。
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