ep.2 思い出した者と、其の絶望
どう見ても女神様!
は、やはり女神様であった。
そして、俺はイレギュラーの
死亡のせいでいったん
他の世界担当の女神様預かりに
なったのらしいのだが…。
後でわかったのだが、実は死に
かなり近かったが生きていた。
そして…、本人の意向すら聴かずに
勝手に転生処理された?
俺は、もうこの世から解脱して
次の段階に行きたいのだが?
聞くと、その後で自殺未遂した
上司の、経歴データーが
間違って俺のデーターとして
渡されて、
[現世で、もっと苦労して
その腐った根性を改めよ!]
って、意識不明状態のオレの
魂を勝手に、
住む世界ではかなり
生きる能力が無い遺伝子の身体に
転生させたらしいのだ。
俺は、すぐに即答する。
「俺は、生きていたはずだし
すぐに、元の身体に戻してくれ!」
段々と、確かに生きていたという
あの後の記憶と
転生させられてからの
母親の虐待や、他の兄弟の
イジメの記憶が蘇ってきた。
受けないでいいような、
罰なんていらない!
俺は、デスマーチを何回も
経験してやっと、その当たり前の
真理にたどり着いた!
ため息混じりに説明された
事には、無理だと言う。
今の身体を即死させて、
魂を元の身体に戻すにも
既にオレの元の身体は
焼かれた後だと言うのだ。
過去の、焼かれる前時間の
オレに魂を戻して
目覚めさせたらそれで
解決じゃん!というと、
無理だと、言われた。
理由は、転生させた身体の
魂の登録が既に済んでおり
よっぽどな事がない限り
魂を抜くという行為は
禁止されているという。
そして、魂が空っぽになった
身体はゾンビとなるので
それを製造する行為も、
禁止されているから
無理だと言う。
だから!
言った!
よっぽどな事じゃないのか?
なら、代わりの魂に自殺したらしい
上司の魂を入れたら
転生罰の執行は、目的通り
執行されるのと、
俺は、変な夢でも見ていたとして
それからの人生を、
続けたら万事解決じゃないか!
まぁ、痛い思いをした3年間は
我慢するから、早く是正してくれと
言ったのだが…。
□□
女神様に苦い顔をされて、
いきなり、転生させられた
六男のシックスの身体のまま
目が覚めた。
父専属のメイドさんが、
側にいた。
なんと、5日意識不明だったらしい。
ハァ?
グー!
確かに、お腹が空っぽだ!
そこにやってきたのはビスガス!
母親だ!
ビスガス
「オラ!起きろ!
今日は、かわいい
フォーとフィフ(四男と五女)の
「授かりの儀」なんだよ!
テェーが、蹴ったぐらいで
5日も寝やがるから
私が、叱られただろうが!
さっさと着替えさせろ!
教会では、何も喋るなよ!」
なぜ、こんな目に合わないと
いけないのだ!
是正は、されていないし…。
そして、母親と、フィフとフォーは
豪華な馬車に乗って、
俺は上の荷台に放り投げられた。
クソ!
俺を放り投げた執事は
無言で、馬車を走らせた。
痛みが、なんとかおさまって
少し落ち着いてくると、
「授かりの儀」って事は、
今から教会に行くのだから
やっと元の世界に戻れるのか?
と、あの女神の苦い顔を思い出して
かなり不安になるが
良心を信じて、
まぁ、3年間の苦痛を
悪夢扱いとして我慢する事で
手を打つかと、痛い身体を
馬車の屋根の荷台から落ちないように
バランスをとりながら
揺られて教会に向かった。
まぁ、入れ替わるだろう元?上司は、
これまで散々俺に仕事を押し付けて
残業時間の賃金やボーナスまで
無しにしやがったのだから
この、狂った母親や
兄弟達にこれからは
苦労してくれと、思って
もう少しの辛抱だと
なんとか、気持ち悪い
馬車の振動に耐えた。
その日の夕方。
俺は、なぜかまだルットライン家の
しかも、物置き小屋で
具のないスープとカビの生えた
パンを食べていた。
何も起こらなかった。
教会では、あの双子は
アサシンという、ジョブだったと
して、まぁ普通に教会から退場した。
その後、俺はさぁ入れ替わりの
時が来たとして
確かに白い空間で見た女神そっくりの
神像に祈りを捧げて
それでは、帰還お願い致します。
と、心の底から祈ったのだが…
何も起こらなかった。
遅すぎる?
まだなのですか?
と、心から訴えていたが、
ビスガスの蹴りが、入った!
ビスガス
「おら!行くぞ!
このノロマ!」
しかし、司祭に祈りをしているものに
蹴るとは、何事かと
言われても蹴り続ける
ビスガスに遂に、聖書の角で
ガツン!と頭を叩かれた
ビスガスは、執事に連れられて
退場させられた。
司祭
「大変だったね。
なにかあったら、
此処に逃げてきなさい。」
礼をいって、なんとか
帰ってきた途端に
物置きをに直行させられた。
どういうことなんだよ!
あの女神!
自分のやらかしを、
隠蔽しやがった?
それとも、手続きに
時間がかかっている?
わからねぇ…。
そして、窓の外は雪が降り始めた。
寒い!
クソ!
ここを出て、なんとか
屋敷に入らないと!
凍え死ぬぞ!
しかし、外から鍵がかけられて
いたので開ける事はできなかった。
3歳の身体では、
体当りしてもそんなに
威力もないし、ガリガリの
身体だからそんなに
体力も無い。
どうする?
物置きには、
役に立ちそうも無いものばかり…
ビューオー!
オイ!
外は吹雪になってきたぞ!
まじか!
もう、身体を縮こませて
転がるしかなかった。
痛い!
なにかの角に
頭をぶつけた。
物置き小屋の床は地面だ。
地面に、なにか冷たい
硬い板状の者がひかれて
土を被せて隠してある?
なぜ?
この世界は、地球での文化レベルで
言うと中世のヨーロッパの
時代の頃だ。
ただ、公然と人は魔法を使う。
そんな時代に、こんな大きな
恐らく鉄?鉛?の板なんて
物置小屋に置くよりも
剣や盾、鎧になるのが
常識であるが…。
なにか、あるかもしれない!
3歳の特有のなにかの期待感が
絶望のどん底の俺を
動かしている。
テコの原理を使って、
なんとか鉄板を上げると
穴があった!
そうだ!
土の中は一定の温度だから、
寒さをしのげるかもしれないと、
中に入るとトンネルだった。
身体は3歳!
だけど心と魂は30歳!
だけど、真っ暗闇は何歳に
なっても怖いものは怖い!
ヒュー!
風?
このトンネル、
外に繋がっているのか?
と、いう事は?
まさか!
屋敷の非常脱出トンネル
なのかもしれないと
思って、風の流れの
反対に向って四つん這いで
進みだした。
進んでいるときに、
気がついたが…
3歳の身体でのサイズだよな
このトンネル…。
とても、大人の脱出トンネル
とは思えないのだが…
しかし、物置小屋比べて
まだ温かいので助かった。
そうだな…。
体感的に、昔バイトで入った
巨大冷凍庫の中よりも寒かったから
氷点下はいっていたよな。
そして、トンネルは
ある、ハシゴのある
上の穴に繋がった。
まだトンネルの先には
2〜3上からの光が漏れて
いるような所が見えていた。
だが、上に行ってみよう。
なんとかして、ハシゴを登る。
3歳の身体には、かなりキツイ。
汗だくになって、何時間たったか
わからないけど、なんとか
登りきった所は、本棚が
ズラリと並んだ所であった。
屋敷の中に入れた!
これで、凍え死にしなくてもいいと
少し落ち着く。
しかし、出入口が無かった。
どういう事だ?
そして、気がつく。
窓が無いのに明るい。
いろいろ探索すると、
このには、なんと日本語の
本が一冊あった!
なになに?
勇者語翻訳入門?
ハァ?勇者?
中を読むと、ひらがなと、
一部の漢字のこの世界との
翻訳入門書であった。
書いたのは、この世界に
魔王討伐の為に召喚された
日本人(山田 太郎)さんで
あった。
そして、その勇者パーティに
魔導士として参戦を命じられたのが
ルットライン家のご先祖?
いや…、この日本人は、
昭和生まれだと書いてあるから
え?
年齢的…にオレの爺さんくらいか?
いや、父親世代か?
恐らく
まだ生きているかもな?
という事は、
2歳の時の記憶から
父親の年齢を推測して
勇者パーティーに参戦したのは
オレの爺さんか?
まぁいいか。
その後また、トンネルを戻って
他のトンネルを探索する。
一つは書庫?
一つは、台所の食料庫!
一つは、武器庫!
に繋がっていた。
やっと、まともな物を食べることが
出来たのだが、
どうも、屋敷の中が騒がしい。
食料庫から、食料を取れるだけとって
書庫に運び込む。
そして保存食を少し残して
全てこちらに移した。
そして、食料庫の隠し取り出し口
から、漏れてくる人の会話を
聞くと…。
「料理長!大雪で、玄関も
閉ざされて二階まで雪で
埋まってしまいました!」
マジか!
ヤバかった!
物置小屋にいたら
酸欠と寒さで死んでいたところだった!
「あと、どれくらい倉庫に
食料はあるのだ?」
これは、あのクソ執事の声だな!
「昨日、入荷したので、
あと1週間は保ちます。」
「マズイな!
侯爵様から、あと3ヶ月は
帰ってこれないと連絡が
あったのだが、
シックスが、物置小屋ごと
埋まってしまった。
決して、別け隔てなく
教育しろと昨日命令が
来たばかりなのに
困ったぞ!」
なんだって!なら
その命令をされたその日に
オレを馬車の荷台に
投げやがったのか!このクソ執事!
「なにを言っているザマス!
殺す手間が省けただけでも
儲けもの!
態度がなっていなかったから
物置小屋に、とじこめたら
さらに態度が悪く、
勝手に許可なく死んだと
いえばいいのですザマス!」
ハァ?
この声は、ビスガス!
本当に俺の母親か?
全く、とんでもない所に
女神は放り込みやがった。
この言葉で、
俺はマジでブチギレて
日持ちしそうな食べ物を
バレないように積極的に
他の食料庫からも
持ち出した。
そして、書庫にこもる事になる。
あそこは、明るいのと
気温か一定だから
なんとか過ごせるだろうと、
この日から、この国の言葉を、
独学で勉強し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます