第四話 もう怖くない


怖かった。


本当に怖かった。


だが、本物を見てしまったせいか…今迄中学で見た先輩や同級生が偽物なのは解った。


俺は、次の日 アメ横に行った。


繁華街に行くのは怖いが…これからの為だ。


催涙ガスの危ない方を購入。


売っている人の話ではカプサイシンの方はまだ安全だが、これは副作用もでる可能があるらしい。



カイザーナックル。


流石にナイフは怖いのでこれを選択した。


スタンパンチャー。


ナックルにスタンガンが搭載されたもの。


ボーガンが欲しかったがそこ迄金が回らなかった。


それらを買い…喧嘩に備えた。


◆◆◆


どうせやるならてっぺんだ。


準備は整った。


今日の俺は違う…


裏庭の昔使われていた体育倉庫。


そこが我が中学の不良のたまり場。


そこに出向いた。


上級生も含み…10人以上が居た。


「守神さん、俺とタイマンを張ってくれ…渋谷ルールで」


「お前馬鹿じゃねーの守神さんはこの学校の番だぜ」


「殺されちゃうからさぁ、生意気な口叩くなよ」


「もううんざりなんだ…脅し取られた金額は100万近い、断ると殴られて体は痣だらけ…」


「はぁ~俺は知らねーよ」


「そうかも知れないけど、あんたの名前をだしてクラスの奴らがやってるんだ責任あるだろうが…」


「そうかい! この中学の頭は俺だ仕方ねーな、そのタイマン受けた!」


大物ぶっているが此奴は雑魚だ!


俺は無言で催涙ガスを吹きかけた。


「ああっああああー-っげほっげほっ…目が目が痛ぇぇぇぇぇー――っ」


「それは、只の催涙ガスじゃねーんだよ! 場合によっては失明するんだぜ! ほら行くぜ、おりゃー――っ」


ガツガツガツ…


「ぎゃぁぁぁぁぁー――っ」


あはははっ!たかがカイザーナックルで殴っただけで悲鳴上げてやがるの。


「止めろやり過ぎだ…こんなの喧嘩じゃねー」


「俺は不良じゃ無くて一般人だったのに、脅して金を巻き上げていた奴らの仲間が良く言うぜ、お前も死ねやー-っ」


そのままカイザーナックルを振り回すと顔にあたり、そいつは悲鳴をあげて蹲った。


なんだ此奴ら弱いじゃん。


後はひたすら自分が渋谷でやられたように蹴りまくる。


ブーツは買えなかったから、鉄板入りの安全靴を履いておいた。


「ぎゃぁぁぁぁー-やめて、やめて」


「死ねよ、おらっ、死ねっ」


どれだけ、暴れたか解らない…気がつくと三人の番格の先輩は芋虫の様に転がり『ごめんなさい』を繰り返して。


なんだ、此奴ら弱いじゃないか…


他の人間は逃げたようだ。


『もう怖くなんてないな』


雑魚過ぎるじゃん此奴ら。

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