いざこざと露店街

 マナは怒りに満ちた表情で、こちら目掛けて殴りかかってくる。


「うぉッ!危ねぇ」


 間一髪でマナの右ストレートを避けるが足に強烈な蹴りを食らう。


「おぉ!喧嘩だァァ」


 ギャラリーが俺たちを見て騒ぎ始める。


「うわ!痛った!痛って!ま...え?中々痛いなぁ」


「グルルルル」


 マナは不機嫌そうに唸っている機嫌を直してもらう為に、好物のりんごを渡そうと鞄を見るが、りんごは無く代わりに食べかけのりんごがあった。


「こうなったら、ダメ元でやるしかねぇ、

 マナ!ほらりんごだよ」


 本当は手渡しで渡したいが、足痛いし近付いて下手に刺激したら怖いから投げてみたマナのことだからキャッチしてくれるだろ。


「グル...ん?な───」


 ゴン.....


 あ、死んだわ。


 投げたりんごマナ右目に当てる。


「痛い...なんだ?妾に本気で喧嘩を売ってきたのか?······乗ってやるぞ」


 マナは生気の無くなった目でこちらを睨みながら向かってくる。


 するとギャラリーから

『お、おいそろそろ止めた方が...』

『だよな···流石にまずくねぇか』

 と、焦る声が聞こえ止めに入ろうとする冒険者がマナに近付く。


『俺が止める···おい!嬢ちゃんもう辞めな、男の方怖がってるよアンタの勝ちだから分かったら辞めな』


「黙れ」

 ドンッ!──『ぐぶぅ』──ガンッガシャン


 筋肉質な冒険者が止めに入るが鈍い音と共に、騒いでるギャラリーの方に吹っ飛ばされる。


「は、え?待ってごめんそんなつもりじゃ...てゆうか喧嘩売ってきたのお前じゃね?ふざけんなこっちにとっては理不尽だ!」


「黙れ...くたばれクソが」


 一方的に殴られ蹴られ顔面にも容赦なく拳が飛び腹も何度も殴られ蹴られ、俺は意識を失った仲間になった暁がこれかよ─────。


 俺は、なんでこんな世界来たんだっけ...そうだ第二の人生を楽しむ為にブラック企業をバックれてる途中に...ん?第二の人生······俺、

 全然第二の人生楽しめてないじゃん、てゆうか知らない子が、勝手に仲間になってそいつが理不尽に暴れてこっちが苦労する。

 元いた世界と変わってないじゃん。


「────ハッ!あれ?俺、マナに理不尽に殴られて···」


 目が覚めると、そこはベットの上で目の前には受付嬢が居た。


 <大丈夫ですか?ここはギルド2階にある宿場です。>


「色々とすいません...そういえばマナは?」


 <マナさんは貴方が気絶した後も暴れたので、背後から忍び寄って鎮静剤を打ちました>


「えぇ?明らかに怒り狂ってたのに近付けたの!?」


 <はい!慣れてるんで!それにはい>


 受付嬢は1枚の写真を見せたそこには、鎧を来た受付嬢が居る。


「え?これってもしや·····」


 <はい!私、元はこの国の国防軍でした!中々高い階級だったのですよ>


 この写真の彼女が来ている軍服には階級を示している模様が印されている、まぁ分かるわけないんだけど。


 <それでは!私はそろそろ...あとマナさんは隣で寝ていますよ>

 <あと、鎮静剤を打つ際暴れたせいで誤って大量に投与してしまったけど大丈夫だと思います...だってこの子人間に擬態してるドラゴンでしょ?>


「あっはい」


 ん?マナって確か角も尻尾も隠してたはず?隠してたよな?隠してたっけ?。


 受付嬢は行ってしまった、マナの正体を簡単に見破ったり怒り狂ったマナ押さえ付けたり...彼女軍隊に入って中々の階級って言ってたけど本当に中々で収まるのか?。


「怖いなぁ·····」


 マナは意識が無いし、まぁ意識が戻るまで自由に街回るかぁ!。


 俺は、ギルドを出て広場に出た相変わらず広場は人で溢れかえっている。


「広場の人混みをくぐり抜けてすぐに露店街に出た」


 露店街には広場よりは人が少ないが、露店には飯屋が多くあり、ご飯の時間帯になると広場と同じく、人混みで溢れかえるのだろう。


「タイの屋台街に来たみたいだなぁ」


 タイの屋台街は実際行ったことないが、テレビとかで何度か見たことはある。


「なんか、買おうかな···そういえばこの世界の金持ってないじゃん」


 財布を見ると、元いた世界の通貨が入っている。


「1万円札に500円が3つ、100が5つぐらいか····待てよ、これ合金だけど銅と銀として売れるんじゃね···?」


 早速、近くの換金ショップを見つけ銀と銅として売りにいった。


 露店街を出て換金ショップの中に入ると、中年ぐらいの人が椅子に腰掛けていたカウンターの奥には若者がいて何かをしている。


「いらっしゃい」


「あのーこのコイン換金出来ますか?」


「銅が3枚····銀が5枚····あっこれは1000クレジットぐらいじゃな」


 どうやらこの世界の通貨はクレジット、というらしい。


「本来は3000クレジットぐらいじゃが···こりゃ合金だし、価値は下がるなそれでもいいか?」


「あ...全然大丈夫です」


 まぁバレるよな...。


「ありがとうございましたー」


 俺は店を出た便利なことにクレジットは日本円とほぼ同じだったことだ。


「1000円かぁ飯以外で何か買えるかな」


 露店街に戻ると、まずマナの機嫌を直してもらう為にアクセサリーを買ったまあ予算の都合で、日本の300円ショップとかによくある安い物だが。


 後は、露店でおにぎりみたいなのを買った後、ほぼ忘れてた異界の採取を使いりんごを何個か手に入れた。


「りんごが地面から採れるの面白いな、さてそろそろ帰ろうかな」


 俺はお土産を持ちギルドの宿場へと足を進めた。





 ───後書き────

 どうも、1月から忙しくなるのに、12月24日以降ほぼやってなかった作者です。

すいません多分こんなのがこれからも続きますそれに全然能力使ってないやんけ。



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せっかく転生したので、第二の人生好きなように楽しみたい! モコウモコ @kymoko

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