街に行こう

「んで、契約ってどうやるの?」


 俺はマナが用意してくれた。椅子に腰掛けながら問う。


「は···?お前知ってて言ってるだろ妾を見くびらない方がいいぞ。」


「マジで知らないんだって」


「は?でもお前、ここに来ている時点で中々の腕前の冒険者でしょ。それなのに何故知らないの?」


「はぁ?冒険者??俺そんなのになってないよ」


「え??は??何故?なんで?そもそもここの山はダンジョンとして認められていて、中々の腕前の冒険者にならないと入れないように結界が貼ってあるのに...」


「あー···その結界破っちゃったかも...」


「あの結界破れるの?マジ...妾でも破れないのに...」


 マナはドン引きしている。無理もない何せ今まで破れなかった結界を冒険者も契約の仕方も知らない奴に破られたからだ。


「じゃあ何故ここに来た?ここはダンジョン...山の奥深く《ボス部屋》だぞ!お前みたいな冒険者では無い素人が来るなんて...あ!わかったぞ!人生に絶望したんだろ」


「え?いや全然違う」


「まぁまぁ誤魔化さなくて良いどれ、悩みなら聞くぞ」


「だから違うって!てゆうか、こここボス部屋だったの!?」


「あぁもう何!久しぶりの中々の腕前の冒険者と思ったら素人でしかも、基本も知らない奴だなんて!妾はこんな奴にドラゴン形態になるまで、追い詰められたのか!?」


 マナは取り乱し、しばらく喚いた。

しばらくすると落ち着き契約の仕方を話始めた。


「はぁはぁ...契約は、まずギルドというところで冒険者として登録してから、出来るようになるんだよ、わかった?妾はこんな奴と契約するのか不安だなぁ...」


 マナはまだ驚いた表情をしている、暇つぶしで街を燃やしてる奴に驚かれるほど、俺はこの世界において、かなり意味不明でおかしいことをしているらしい。


「しょうがねぇだろ第一この世界の街にも行ったことねぇし」


「ん?この世界?まるで別世界に住んでいたような言い方だな」


 言い訳しても話が伸びて、さっきの様になりそうで、めんどくさいので全て話すことにした。


「そうそう俺、別世界から···なんだっけ?...そうだ転生してきたんだよ。車っていう、この世界でいう馬車みたいなもんにドン!って引かれてな、ウェーワーイテェみたいな感じで死んじまったそしたらあの世みたいなところで、なんやかんやあってイェーイ転生だぁっていう感じ以上!簡単にわかるだろw」


 汚名返上件警戒をといて貰うために、愉快な感じを出そうと自分なりに、調子に乗ってに面白くボケて話してみた······本当は自分の悪い癖でもある、だいたいなんて言われるかわかっている。


「お前はこんなのが面白いと思うのか、いい歳してこんなガキみたいなこと言うのか?」


 滑った、しかもオーバーキルまでされた。


「いや、確かに面白くもないし普段はこんな事言わない」


俺は、悪い癖が出て当たり前のように傷ついた後、嘘をつき誤魔化す。でも何故だろう、めっちゃ心に来る.....。


 俺とマナは席を立つと、洞窟の外に出る。


「ま、まぁいいやそれより早く街に行こうぜギルドに行って冒険者として登録すれば、契約も出来るんだろ」


 さっきの件をこれ以上言われたくなく、勝手に話を進めて行った俺は、早速黒歴史を作ってしまったのかもしれない。


「あ、あぁわかった。ほれ腕出せ」


 言われた通り腕を出すとマナは俺の腕を掴み

 目の前の崖から飛び降りた。


「うわぁぁぁああああああぁぁぁぁあああ」


 崖の側面にぶつかりそうな瞬間、マナは背から翼を出し空に向かって飛んだ。


「おぅふ...風圧が...腕も痛ェ」


 マナは俺の腕を掴み、ぶら下げるように持ち飛んでいる。


「さっきからうるさいなぁ少しは耐えること出来ないの?」


「無理だろ!誰だって始めてこんな形で飛ぶことになったら騒ぐは!」


 マナにとっては普通だが俺にはどう見ても異常である。しかし中々便利だ(腕は痛いけど)。


「なぁそれよりも、何故ドラゴンの姿にならないんだ?ドラゴンの姿の方が便利だろ」


「はぁ?お前は馬鹿か?妾はドラゴンの姿で、いくつもの村や街を燃やしたと言ったはずだろう、そんなドラゴン姿で街に向かっても攻撃されるに決まっている。そしたら冒険者になるどころの話じゃなくなるぞ」


「え?...ぁぁそうだった」


 そういえばこいつ、街や村を破壊してるんだった、こいつに復讐誓ってる奴ら結構いそうだけどそいつらに、正体がバレたら?俺も殺されそうなんだが。


「なぁ、後どれくらいで着く?」


 腕が痛くなって来て、足は疲れてきた。


「20分」


「うわぁ、着いた頃には足と腕が死んでそうところで今向かってる街の名前はなんて言うんだ?」


「知らん!看板に書いてあるだろ」


「それも、そうか!!」


 俺はマナの正体がバレたらと、不安になりながらもついに、本格的な異世界の生活が始まるという希望を持ち俺達は街へと向かって行った。








 ───後書き───


 お久しぶりです、すいません!!FPSに熱中して気づいたら10日ぐらい経っていました。

 また、こうなりそうですが、次からはちゃんと告知していきます。

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