FILE.3 殺しの新星

「糞おぉお!」

何故だ。何故、出ない。もう2万は溶かしたぞ...!UR確率2.5倍じゃなかったのか...?糞ぉ...。緑翼天使ちゃんがめちゃめちゃ欲しい...!俺の性癖にd...

「先輩、何やってんすかぁ?」

「ストラァァァイク...」

「...へ?」

池本ぉ、急に話しかけてくんなやぁ...!狂人判定、食らうじゃんかぁ...!

「あ、『竜聖リュウセイショ』っすね。俺も始めたんすよ、最近。」

「ふっ。まだまだだな。俺は事前登録をし、リリース初日からやり込み、今や、どのイベントでも上位勢に名を連ねている。」

「うぉぉ、凄ぇっすね、先輩...!」

いや~、鼻が高いのなんの。

「あ...。」

「あ...?」

「先輩、見て下さい!」

「ん?」

10連ガシャの結果が画面に映し出されていた。

「えーと...ガーハ、カオス、ラッコイル、ミーター、サイノス、カイ、ラーハドール...ん...ラーハドール...?ラーハ...ドール...?」

「はぁぁぁあ?!」

緑翼天使ラーハドールだとおぉぉぉっ?!

「神引き成功!」

池本がピースしてくる。

「てめェ、ぶっ殺す...。俺の性癖てんこ盛りラーハドールちゃんを...よくも、よくも俺よりも先に...」

「先パァーイ、性癖って、別にいやらしい意味はなくて、本当は性質上の偏りとか、ただの癖って意味なんすよぉ。知ってましたぁ?だから、本当は『性的嗜好せいてきしこう』てんこ盛りラーハドールちゃんですよぉ。」

ほぉぉう、俺より早く当てたのを良い気に、揚げ足取って、煽ってくるかぁ...死にてぇようだな...?

「池本...鉛の味は体験したいか...?」

「へっ...?いや...」

「そうか、そうか...じゃあ、プレゼントだ...。」

「ひいっ...」

ボッッ

「痛っ!」

頭を何かで叩かれた。

「何やってんだ。」

「か、鎌形さん...」

鎌形さん、その手に持ったファイルは今度の事件の凶器ですか...。

「あ、お前またゲームやってんな...」

「いや、その...まあ、その...何て言うかな...」

「ほれ。」

鎌形さんが、スマホを見せてくる。

「ん...は?」

超覚醒・緑翼大天使聖ラーハドール・極。

「しゅ、終究進化合成...やったんすか...?」

「2回目でな...」

「に、2回で...」

俺なんて、前のイベントの時に60回かかって、ようやく成功したのに...

「てか、鎌形さん、やってたんすね...。」

「池本。鎌形さんは、ガチ中のガチ勢だ。俺ですら、全く敵う気がしない...。」

「えぇ...」

「ほーら、皆事件だよー。」

手を叩きながら、カリンが来た。

「何でそんな、晩御飯だよー、のノリなんだよ。」

「カリンちゃん、パンツ見せてよー。」

「池本、テメェ殺すぞ。」

ウズラ。鷺ヒ...鷺坂サギサカは?」

「腹壊して、便所に立て籠ってます。」

「お、おう...」

鶉カリン。俺の後輩で、池本にとっては先輩。性格はまぁ、はい。

「鷺坂、帰還致しました。」

「うぉっ...」

背後を取られたカリンがぎょっとする。

鷺坂姫乃ヒメノ渾名あだな鷺姫サギヒメ。カリンの同僚。名前負けの真骨頂というか。明るめ茶髪陽キャのカリンがすぐ側にいるのもあるが、黒髪黒縁丸眼鏡陰キャである。

「鷺姫先輩、大丈夫ですか?」

「死んでないから、多分大丈夫。」

「なら良かったっす。」

「つーかカリン、事件って?」

「嗚呼、また土宮ツチミヤ高校の生徒が死んでた。」

「えーと...前のは先月のか。」

「そそ。」

先月、都立土宮高校2年生の川添寧々カワゾエネネが学校近くの公園で死んでいた。首をロープ状のもので絞められた可能性が高く、性的暴行を受けた様子は無し。しかし、何よりも目を引いたのは、遺体の頭部のすぐ横にあった「3」の文字。この数字を警察はこう解釈している。「順番」。「警察への挑戦」。順番というのは、文字通り殺された順番。なぜ警察がこう考えているかと言うと、「1」も「2」もいたから。「1」は、川添殺害の1ヶ月前、路地裏で桐谷達哉キリタニタツヤという20代の会社員が撲殺されていた。「2」は桐谷殺害の2週間後、安田栄次ヤスダエイジという40代のニートがコンビニの駐車場で刺殺されていた。「4」、「5」、「6」、「7」、「8」。老婆、板前、OL、女子大学生、小学校教諭。性別も年齢もバラバラと来たもんだから、容疑者が一向に絞り込めない。警察への挑戦は、わざわざ番号書いて、同じ犯人ですよ、って教えてくれちゃう辺り、こっちのことを煽ってるようにしか思えない。

9件目の遺体は、墓地のトイレで発見された。被害者は、榊原琥晴サカキバラコハル。川添と同じ2年生。だが、クラスは違う。アイスピックとか桐の類のもので、首を刺されている。相変わらず

「私、絶対にお墓のトイレで死にたくないです。」

鷺姫が言う。

「アタシも嫌。こんな辛気臭い所で死にたくねー。つーか、マジ、犯人は何がしてーのよ。ヤッた跡があるなら、ただの広範囲守備の性欲モンスターの仕業なのによー。」

カリンが嘆く。

「マジで証拠無いっすね。」

「嗚呼。」

「ダリー。」

カリンがアメスピを1本出す。

「あ?死んだ?」

カリンがライターを、ポケットに突っ込む。

「鷺、火。」

鷺姫がライターをカリンに投げる。

「サンクス。」

カリンは火を付けると、投げ返す。

「うい。」

受け取った鷺姫はそのまま食わえていたアメスピに火を付けた。

鷺姫はカリンと一緒に過ごし過ぎて、影響を色々食らっているようである。そのせいで、謎キャラになりつつある。

「嗚呼もう。撤退だ。撤退。」

鎌形さんが声を上げる。

「ういー。」

俺らが車に戻った時、

「ん、何だ。」

「無線っすね。」

「...新大久保駅にて、殺人未遂事件発生...」

「殺人...」

「...未遂?」

どうやら、中坊が女子高生に襲われたらしく、何とか逃げて、大人に助けを求めたらしい。

「...応援に向かいます。」

「にしても、女子高生が女子中学生を襲うなんて、凄い世の中っすね。」

「そうだな。」

俺達が現場に着いた頃には、女子高生は取り抑えられていた。

「警察です。」

「あーあ、負けかー。」

女子高生は、俺達が来るなり、そう言った。

負け?何言ってんだ。

「襲われた中学生は?」

「もう病院に行きました。」

「そうですか。」

「ねー、トイレ行きたいんだけどー。」

「...?」

この子、何なん...?

バッグにあった生徒手帳から、身元は土宮高校の2年、田辺夜惠タナベヤエということがわかった。

「何で百々俐夏子モモリカコさんを襲った?」

「んー?」

つーか、え、髪の色凄いな。蛍光イエローみたいなの混じっとるやん。最近の高校ってそんなフリー?

「あ、何。あの子、俐夏子ちゃんて言うんだ。へー。」

「先輩、この子ヤバないすか。」

今日は池本も来てる。

「嗚呼。一筋縄じゃいかないだろうな。」

嫌やな。

「ねー、何こそこそ話してんのー。仲間外れにしないでよー。」

足をバタ付かせながら、田辺が言う。

「先輩。土宮って、頭良いトコっすよね。」

「俺の知ってる土宮は...そうだな...。」

「ヤバ。イヤリングどこ行ったし。ねぇ、ウチのイヤリング知らなーい?」

「ん、知らない。で、何であのを襲ったん?」

「何でって。何となく?今までもそんな感じだったし。」

え、今まで?

「今までって、どういう意味だ?」

池本も同意見のようだ。

「あれ?ウチの犯行、バレてないの?まさか。」

何か勝手に自白してるけど、何なんだ。

「余罪あんの?」

「あるある!」

無邪気な笑顔で挙手しながら答える。

「9件くらいかな。」

9件...?万引きとかそういう軽いのか?

「何やったんだ?」

池本が問う。

「え?殺人。」

え?まさかの超凶悪犯?いや、待てよ。9件の殺人って、まさか...

「9件って、あの、無差別に、番号書いてたアレ?」

「BINGO!てっきり、そっちの方もわかってたのかと思ったよ。やっぱ、ウチの勝ち?」

「はは...」

マジか。

「てか、勝ちってなんだよ。」

池本が問う。

「ん?お巡りさんが、ウチが犯人だって突き止められるかどうかってゲーム。」

「何だと...?」

「んー、そうだナー。『Escape from police』って名前は?どう、ウチのネーミングセンス?」

「自慢げに言われてもなぁ...。」

「駄目ー?」

「そういうことじゃなくてなぁ。」

「じゃ、どーゆーこと?」

「そもそも何で警察から逃げ回ろうなんて思った訳?」

「え、暇潰し。」

は?

俺も池本も開いた口が塞がらなかった。

「何?どーしたの?」

「あの、いや、あのな。田辺ちゃん。」

「夜惠で良いよ。」

「夜惠ちゃん、暇潰しで殺人ってのは...流石にどうなの?その、何つーか...。」

「何?言うならハッキリ言ってくれちゃって良いよ。ウチの心は鋼で出来てるからな。」

何かまた威張ってる...。

「あんなー...人殺さなくても、暇潰す方法はいくらでもあるでしょ?」

「確かにさ、SNSとかは楽しいし、好きだよ。でもねー、何か足りないの。それに比べて、人を殺して、お巡りさんに追いかけられるのはね。スリル増シ増シじゃん。」

おうおう、想像よりもヤバいかも。

「でも、スリルなら、高所に行っても得られるじゃん。」

「ははっ。」

むぅ...、リズム崩される...。

「ウチね、先週、両親殺してみたんだー。」

「はぁっ?!」

「お巡りさんにはバラす気がないタイプの殺し。初めてやってみたけどね。楽しかったよ。」

「...」

俺と池本は思わず顔を見合わせる。

「ウチさー、ゲーム大好きでさー。色んなゲームやんのよー。気分はまさに主人公プレイヤーだね。夜遅くに、起こさないように慎重に動いて、なるべく手短に。色々と考えて動いて、面白かったなー。」

こんな感じのはニュータイプ過ぎないか。

「御両親の御遺体はどうしたんだ。」

池本、俺には見えるぞ。平然と質問してるようで、足をガタガタ震わしてんの。

「ん?嗚呼ー。邪魔だし臭いから、バラして捨てようと思ったんだけど、目立っちゃうから、近くの適当な空き気に放り込んで、火葬してあげた。」

「空き家...放火...あの一件もお前なのかよ。」

思い出した。先週、深夜に空き家が燃えて、近隣の家、計8軒に燃え移った事件。結果、4人の死者と数人の怪我人を出した。出火元が空き家だったから、警察は放火と判断していた。

「なー、初めて人殺したのは?」

「え...?」

池本が驚いた様子でこちらを見ている。。

「んーとね、小四・五かな。妹を殺したの。」

「...」

池本が完全に混乱しているようだ。

「何で?」

「ウチが借した漫画、返してくれなかったから。事故に見せかけた。」

「先輩...」

「ん?」

「ちよっとトイレ行ってきます。」

「こういうので、お巡りさんがさっきにリタイアしちゃうんだね。」

「君の場合は、しゃあないというか、何と言うか。」

「お巡りさんは、大丈夫なん?」

「俺は君みたいに結構ヤバい系の相手したことあるからね。」

「へー、凄っ。」

「暇潰しで、そのー...なんだ。Escape from policeをやってたんだよね?」

「うん。」

「じゃあ、殺す人はどうやって決めてたの?」

「嗚呼。自分が殺したいなーって思った時に、近くにいた人を殺ってる感じかな。」

「ふーん...」

「だから、鞄の中には常に、ロープとトンカチと桐と包丁が入ってる。ウチ、準備は怠らないタイプだから。」

池本が取調室を出ると、カリンと鷺姫がいた。

「あ...カリンちゃん、鷺姫先輩...」

「どうしたんだ、池本。田辺の奴、まだ終わってないだろ?」

「あの娘、頭おかしいですって。」

「どういうこと?」

「何か例の番号の事件や、先週の空き家の放火、やったの全部あの子です。」

「はぁ?!」

カリンが、取調室に向かおうとしていた。

「ウズ、取調室行って、どうする気?」

「どうするって、つ。」

「んぅ...」

カリンの友人は、先週の空き家の放火で死んでいる。余計な心配はかけまいと、次の日にはいつも通りを装った。

「ねー。飽きた。帰って良?」

「良い訳ないだろ。」

「えー。」

すると、扉が開いた。

「あ。池本、大丈...うっ...!」

カリンじゃねぇか...。池本、話したな...。

「ん、お姉さん、だr...わっ。」

「黙れクソビッチ。」

カリンが夜惠の胸倉を掴む。

ヤバい。

「カリン...!」

「あぁん?」

「うっ...」

鬼の形相のカリンに、俺は怯んでしまった。

「...うっ...」

夜惠もさっきまでの余裕はどこに行ったのか、半泣き気味で萎縮している。

「おい。何で、火付けた。酒井糸サカイイトを何で殺した。」

いつもより、2回りは低いトーンで問い詰める。

「えーと。そのー、何つーか。証拠隠滅?」

おうおう、正直に答えやがった。

「あぁ?何のだよ。」

「死体の処理...。」

「死体?てめェ人殺して更に火付けてよ、また人殺したのか?」

「そーなるね...ハハ...」

あー、死んだな。

ガンッ

「うっっ...!」

カリンが夜惠を壁に叩き付ける。

「頭おかしいんじゃねぇの?」

流石に音に驚いた池本と鷺姫が入って来る。

「...」

カリンが一瞬だけ、こっちを睨む。

「...」

鷺姫にすら、汗が見えた。

カリンは空いている左手をゆっくり、夜惠の首に近付けている。

「つっ...」

泣きながら、迫り来る左手の軌道を目で追っている。

左手は二の腕にそっと着くと、ゆっくり、そのまま上に流れていく。手は肩で静かに止まると、そのまま右にスッとスライドされていく。胸の真上に止まると、小さな喉仏へ向かう。夜惠の冷や汗が中指に流れ着くと、手を離し、人差し指で喉仏を2回トントンと突く。

そして、手を下ろす。

「え...?」

ガッ

「ぐえぇ...!」

刹那、左手で夜惠の首を握り潰し始めた。

流石にヤバいと判断した池本がカリンに向かう。が

、カリンは向かってくる池本の鳩尾に蹴りを入れる。俺は飛んでくる池本を避けようとしたが、間に合わず、吹き飛ばされる。

「うわっ...!」

鷺姫は静かにカリンを見守る。

「やめ...てッ...苦...しッ...」

「苦しませてんだから、当たり前だろ。良いから、」

「うぅっ...」

「苦しんで死ね。」

「いッ...やッ...クハァッ...ハァァッ...やだッ...いやッ...駄目ッ...」

五月蝿うるせえな。これでもしゃぶってろ。」

カリンは銃を抜くと、迷わず銃口を夜惠の口の中に、押し込む。

「ふんっ...ふっーんぅぅぅ....!ふんっふんっ...ふーぅぅぅぅん...!」

「ウズ。そのままじゃ、餓鬼ガキが死んじゃう。一旦止めな。」

鷺姫が止める。

カリンは鷺姫を一瞥すると、舌打ちして、首から手を放す。

「銃貸して。」

カリンは銃を口から出すと、鷺姫に渡す。

「うへっ...あはっ...はっ...はっ...えほっ...くゎぁっ...!」

鷺姫は咳き込んでいる夜惠の顳顬こめかみに、銃のグリップを思いっ切りぶつける。

床に倒れた夜惠に鷺姫は馬乗りになる。

「もう、股間グショグショじゃん。このままヤッちゃう?」

「違うッ...やだっ...やめっ...」

「お前、竿ねーだろ。」

「フフッ。じゃ、死のっか。」

鷺姫は夜惠の口に入った部分を舐めた。

「バイバーイ。」

そして、額に照準を合わせて、引き金を引く。

「パーン!」

「ぎゃああぁ...」

「あれ、空砲なのになぁ?」

「何やってんだか。」

「ねぇ、ウズ?」

「ん?」

「この子にキスして良いかな?もう...我慢、無理...!」

「良んじゃね?」

「はあぁぁあ...有難ぉぉう!」

「うっ...」

何だ、何が起きたんだ...あ、そうだ。カリンが暴走して、池本がぶっ飛んできて、俺は巻き込まれて...。

ん...?

俺は今、目前に広がる光景に目を疑った。

鷺姫が夜惠とキスしてて、カリンが爆睡してる。しかも、この臭いッ...誰か漏らした...?

何、何が起きてたの...?

「鷺姫、何してんの?」

「あ?起きたぁ...?」

「意味がわからないんだけど...」

「嗚呼、我慢できなくてっさ...」

誰かこの地獄を助けてくれ...。

結局、カリンを叩き起こして、渋る鷺姫を離して、夜惠と池本を病院に送ったりと後始末が大変だった。

後日、改めて取り調べが行われた。

「先日は災難だったね。」

「えーと、大久保さんだっけ?そっちも大変だったんだよねー?」

「名前、覚えてくれたんだね。」

「まあ、うん。」

あれ?何話そうとしたんだっけ?

「あれ、結局のところ、夜惠ちゃんは、警察から逃げるのがゲームみたいで楽しくて、人殺しまくったんだね?」

「そそ。」

「生まれてきた国が、日本で良かったね。」

「そだね。Escapeに加えて、両親殺し、放火。他国なら、今頃ここに風穴開いてただろうね。それで済めば良い方かな?ウチ、痛いの嫌なんだけどナー。」

よくこの状況でそんなこと言えんな...

「え?もう隠してる罪は流石にないよな?」

急に怖くなった。この娘は何すんかわかんないからな...。

「ちま。思い出すー。」

あ、記憶振り絞んなきゃいけんのかい。

「無い!」

「本当?」

「おーよ!」

夜惠はピースした。

「てか、両親死んで1週間はどうやって生活してたの?」

「ん、家の中にある食糧で食い繋いでた。ウチ、料理苦手やもん。」

「あ、そ」

夜惠は少し不満そうな顔をした。

「俐夏子ちゃんのことは誤算だった。背後から奇襲を仕掛けたウチに気付くなんて。」

夜惠は天を仰いだ。だからさ、上を向いて喋んな。どいつもこいつも、聞き取り辛い。

「...」

「ウチが色んな人を殺したのは、適当に目に入った人を選んだっていうのだけじゃなくて、容疑者を絞り込ませなくするため。」

「嗚呼、お陰で大変だったよ。」

「暇を潰すためにしたのに、余計な暇を増やしちゃった。」

「...」

「あーあ...」

「夜惠...?」

「決めた。許さない。自由になったら、ウチ、俐夏子ちゃん殺す。」

「え...?」

今、何つった...

「だから、大久保さん。その時はゲームの続きをしよう。ウチを止めてみナ。」

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