第7話 修行の成果

修行の旅を開始してから2週間が経過した。



お久しぶりです。みんな大好きルティンコさんです。今俺はマイホームの椅子に優雅に座りながら、最高級のコップで、最高級のリンゴジュースを優雅に嗜んでいます。時刻は朝8時頃だろうか。あ、突然ですが、今の俺のステータスをご覧下さい。


「ステータスオープン!」


名前:ミナギ=ルティンコ

年齢:16

種族:人間 Lv 83

HP:238/238

MP:238/238

攻撃:157(+100)

防御:157

敏捷:157

知能:157

装備:ボーンソード・真

スキル:体術Lv10 剣術Lv10 斧術Lv1 火魔法Lv10 水魔法Lv10 土魔法Lv10 回復魔法Lv10 重力魔法Lv10 痛覚耐性Lv10 料理Lv10 加工Lv10 採取Lv10 生活魔法Lvー アイテムボックスLvー


SP:81


取得可能スキル

なし




「くっくっくっ!だーっはっはっはー!」


はっきり言おう。俺は神になった!

すごいだろう!もう説明する所が盛り沢山すぎてどこから手をつけていいかわからん。


正直、この2週間は最初の3日間が鼻クソに思えるほど過酷な毎日だった。朝目覚めてすぐに畑の管理やら旅の準備を済ませ、そこから夕方ギリギリまでモンスターを狩り続ける。家に帰って来てからはひたすらに料理とものづくりを行い、疲労と睡魔と戦いながら作業を続けていると、気づいたら途中で気を失っていて、目覚めたら朝。というのがこの2週間のルーティンだった。


モンスターも結構強いのがいて、痛覚耐性がLv10になっている事からお察しいただけるだろうが、何度も死にかけた。こんなのやってられるかと何度思ったことだろう。だけどそんな俺の背中を支えたのは、ハーレム王国建国への強い意思だった。どんなに辛く苦しい時でも、可愛い女の子の笑顔及びおっぱい大先生を想うだけで不思議と力が湧いた。ムクムクと。そしてどんな敵にも立ち向かうことが出来た。本当に彼女達には感謝である。



それじゃあ新しく得たスキルとか、成長したスキル、この2週間で起きた変化などを説明していこうと思うのだが、


まず説明というか自慢したいのがこちら。


「アイテムボックス!」


うひぃいい!みなさん。あのアイテムボックスですよ!あの伝説のアイテムボックス!このスキルは修行を開始して割と直ぐに取得可能になった。名探偵ルティンコによると、モンスター100体討伐記念じゃないかって推測らしい。そんで必要なSPは20。過去最高額のSPを要求してきやがった。さすがの俺も思わずキレそうになったね。というかキレた。でもその時はSPがまだ10もあったし、なによりあの伝説のアイテムボックスだ。ちょうど倒したモンスターの肉をどうやって持って帰ろうかと困っていたので、一刻も早くアイテムボックスを取得しようと決めた。そっからはもう体術?剣術?ナニソレオイシイノ?って感じで集団を見つけては魔法をぶっ放して、とんでもないスピードでアイテムボックスを取得した。あの判断は今考えてみてもグッジョブだったと思う。


そのアイテムボックスだが、さすがにSP20も使っただけあってめちゃくちゃ優秀だった。まず、物が無限に入る。アイテムボックスを手に入れてから、食べられそうなモンスターとか素材で使えそうなモンスターを片っ端から突っ込んでいるんだけど全く物が溢れる気配がない。ちなみに、アイテムボックス内のモンスターも採取スキルで解体することができたので、採取スキルを育てるために、倒したモンスターはアイテムボックス内で全部解体しておいた。


アイテムボックスへの入れ方は非常に簡単で、手で触れて「収納!」と念じるだけ。ちなみに手で触れなくても魔法陣を使って収納する方法もある。こっちだと多少MPを消費するが、範囲指定して一気に収納することができるので非常に便利。それにクリーンと違って、範囲の中心に自分がいる必要も無い。出す時は手で出そうが魔法陣で出そうがMPは使わないみたい。


そして何よりやばいのが、アイテムボックスに入れたものは入れた時の状態で時間が止まるのだ。これでもう肉を干し肉にして日持ちさせる必要が無くなった。料理を作ってすぐアイテムボックスに入れておけばいつでもどこでも出来たてホヤホヤの料理が食べられるのだ。更に、逆に時間を早めて熟成などに使うこともできる。マジで素晴らしすぎる。ちなみに今俺のアイテムボックスには、解体されたモンスターの他に、料理スキルと加工スキルを鍛えるために作りまくった大量の料理と作品たち、そして大量の野菜とリンゴが入っている。


あ、そうそう。前に畑に植えた種達が無事立派に成長したんだ。6種類の小袋の種は、トマト、キャベツ、レタス、ニンジン、ダイコン、キュウリだった。もう片方に入ってた種は、なんか見たこともない金色のリンゴが実る木になっていた。修行を開始した日の朝に種を植えてから7日目の朝には、どれも収穫できる状態になっていたので、アイテムボックスの範囲指定で一気に収穫した。


するとここで不思議なことが起こった。ちゃんと収穫出来ているかアイテムボックスの中身を確認したら、なんか収穫量がおかしい。例にあげると、2本しかなかったニンジンが16本収穫されてる。どういうことだ。ほら名探偵ルティンコ、出番だぞ。


「あれれー?おかしいぞー?いつの間にか採取スキルLv8が発動してるぞー?」


なにぃいい!名人、あんたそんなことも出来たのか!さすがは名人だ。Lv8だから8倍になったのか。Lv10になったらまさか10倍になるのだろうか。てか今気づいたけど、アイテムボックス内で解体したモンスターの素材の数もおかしい様な気がする。気のせいかな。




…ということがありまして、採取スキルがLv10になってからはやっぱり収穫量が10倍になった。あと採取スキルレベルが上がる毎に種をまいてから収穫できるまでの時間が短くなった。Lv10の今では朝に植えればお昼には収穫できるようになった。種をまくのも収穫するのもアイテムボックスの範囲指定を使えば一瞬なので非常に楽ちんだ。


こんなに簡単ならばと、1ヘクタール(1辺が100mの正方形)の畑を2つ作って、それぞれ野菜用、リンゴ用とした。


それに伴って周りの木も伐採したので、今や始まりの地は大体3ヘクタールくらいのスペースがある。ふむ。だいぶ広くなったものだ。



あとは、なんだ。ああ新しく増えた回復魔法と重力魔法だな。まずは、


「回復魔法!」


こいつは強敵と戦っては死にかけ、HPの回復を待ってから、また強敵と戦って死にかけてを繰り返していたら取得可能になった。必要なSPは5。アイテムボックスのSP20で感覚がバグってしまった俺は、高いともなんとも思わず速攻で回復魔法を取得した。Lv1のときはかすり傷が治せる程度だったが、Lv10の今ではもう俺に治せないものは無いんじゃないかと思うレベルでなんでも治せる。こいつのおかけで痛覚耐性の強化が大幅に捗ったと言ってもいいだろうな。ちなみにこいつもアイテムボックスの指定範囲と同じ仕様で、広範囲に対して使用する事ができる。エリアヒールってやつだな。


そして最後は、


「重力魔法!」


こいつは火魔法と水魔法と土魔法をLv10にしたら取得可能になった。必要SPは10。こいつが取得可能になった時はアホみたいにSPが溜まっていたので迷わず取得した。重力魔法は自分の体を軽くしたり、対象のものを重くしたりなど、質量や圧力を操作することが出来る。まあそのまんまだな。武器に対しても使えるので、相手に攻撃を当てる瞬間だけ武器を重くして威力を上げるという使い方もできる。そして、


「そーらを自由にっ飛ーびたいなー♪ はい!重力魔法!」


なんと重力のベクトルを操作することで俺は鳥のように空を飛べるようになったのだ!ライト兄弟に見せたらブチ切れられそうなほど、あっさり飛べるようになってしまったけど、実はこれMP消費が半端ないので長距離飛ぶことは無理そう。長距離移動の際は、身体を極限まで軽くして大ジャンプを繰り返す、名付けてぴょんぴょんバッタ大作戦でいこうと思う。


これで新しいスキルの説明は終わりだな。あとは成長したスキル達だ。


体術と剣術スキルがLv10になったことで、一切の無駄がない体の使い方、剣の振り方を身につけることが出来た。体術と剣術はMPを消費しないのでMPが残り少ない時には頼りになる。そんくらい。終わり。



火魔法、水魔法、土魔法は、MP効率が格段に向上した。としか言いようがない。べ、別にディスってるわけじゃないよ?どのくらい効率が良くなったかと言うと、火魔法でMP1を使った時の火の玉の大きさが、Lv1のときは野球ボールくらいだったのに対して、Lv10は日本のネズミーランドの地球儀くらい。とにかく凄くなった。そう。凄くなったんだもんっ!はいそこの男子!MPをめっちゃ使えばLv1でも同じことが出来たとか言わない!



劇的に進化したのはどちらかと言うと生産系の皆さんだ。


料理スキルだが、Lv10になった今、俺はもう自分以外の作った料理を食べれる気がしない。無論、可愛い女の子が作ったものは別だがね。

たしか元いた世界では、最高級のレストランは三ツ星レストランと呼ばれていたが、もし俺がレストランを開いたら三億ツ星レストランとか呼ばれるに違いない。冗談じゃないよ?本気でそう思うほど美味い。ネットのクチコミには「店長がかっこよかった。星5」、「店長の笑顔が素敵だった。星5」、「店長に抱かれたい。星5」などの高評価が殺到するだろう。いや料理関係ねえじゃねーかってな!ぐははは。ちなみに三ツ星レストランを食べたことは無い。(すまん)



加工スキル親分はもうバケモンになった。どんな素材を使っても完成する作品は超一流品。日本では国宝とか呼ばれるレベルのものを超スピードで大量生産できる。よっぽど手の込んだものじゃなければMPもほぼ使わなくなったしな。あ、そうそう。皿を作るまで思いっきり忘れてたけど、でっかい窯を作ったんだ。そのおかげで俺のアイテムボックスには超一級品の皿が何千枚も入っている。


ちなみに今使っているボーンソード・真は、最初に使っていたボーンソードと同じマッスルラビットの骨を使っているのだが、同じ素材を使っているにも関わらず、攻撃力には、95の差がある。名前もなんか変わっちゃってるし。え?なんでもっと強そうな素材を使わないのかって?いい質問ですねー。それはだな、なんかずっと使ってたら愛着が湧いてしまったのだ!そんだけ。とはいえ親分さんのおかげで攻撃力+100だかんね?もうね、親分さん大好き。これからもよろしくお願いしゃーす!



採取スキル名人は少し説明したけど、アイテムボックス内での高速解体、作物収穫量の補正、あとやっぱりアイテムボックス内で解体した時のみ、数に補正がかかるみたいだ。アイテムボックスと名人でなにか協定を結んだのだろうか。まあ俺としてはただのラッキーなので深くは考えまい。それと、採取能力の圧倒的向上だな。今ではあの強敵だったユグドラシルも、もはやゼリーを切るようにスパスパと伐採できる。こんな簡単に切れちゃうなんてユグドラシルという名前を背負った(勝手につけた)木として情けない。もうユグドラシルと呼ぶのはやめよう。今後はカタイ木で十分だ。



さて。説明はこんなものでいいだろう。こうして見てると、俺もだいぶ強くなったもんだぜ。地獄の修行を耐え抜いた甲斐があったというもんだ。そして俺は自らに問いかける。お前はなんのために修行をしようと思ったのかと。そう、


「街へ行くぞー!」


街へ出て目立ちまくってハーレム王国を築くのだ!待っててね!可愛い女の子達!今行くぜ!


というわけで街へ行くための身支度を整えることにした。

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