第98話 障ル
「——―ザッ、ザザッ
……えー?……汚くない?……他に……
……でも、あそこしか……トイレ……キャハハ……
……ずっ、ずずずっ
……ザッザッザッザッザッ、ギイイッ、バタンッ
……チョロチョロチョロチョロチョロ
……ガコンッ、ジャアアー
……シュッ、シュシュッ、ギイイッ、バタンッ、ザッザッ、ジャアーッ、ザッザッザッザッザッ……
……ずるっ、ずずずっ、ずずずずずっ
……チッ……チッ……ウ……
……ずずっ、ずずずっ
……ッチ……ッチッ……トッ……ウ……
……ずるるっ、ギィイイイイ……
……トッシャ……ノウ……チッ……
……ザッザッザッザッザッ
……うわっ、最悪……汚っ……もう……
……ザッザッ、ギイイッ
……っ!?きゃああっ!
……ずるっ、ずずっ
……きゃあああああっ!
……ッチッ……チッ……イトッ……シャ……ノウ
……きゃああああああああああっ!
……ガタンッ!ギイッ!ザッザッザッザッザッ……
……ずっ、ずずっ、ずるるっ
……チッ……イトッ……ノウ
……ギイイッ……ずずずっ……ずるるっ……
……ザザッ―――」
これは、石川県の某キャンプ施設のトイレに、盗撮目的で仕掛けられていた隠しカメラに記録されていた音声である。
カメラは貯水タンクの下に貼り付ける形で仕掛けられており、清掃を行っていた管理業者によって偶然発見された。警察に届けたが、仕掛けた犯人は不明のままに終わったという。
カメラに収められていた映像を検めた警察関係者によると、「あまりにも不可解なものが映り込んでいる為、証拠映像として保管することができなかった」らしく、現在では音声のみが記録として残されている――という噂が囁かれているが、真偽は定かではない。
ちなみに、その某キャンプ施設は、現在は営業していない。
その理由は、宿泊中に「変なものを見た」という利用者が相次ぎ、そう証言した者が全員、後に不可解な死を遂げたせいで、客が寄り付かなくなり、経営不振に陥ったからだと言われているが、これもまた、真偽が定かではない噂に過ぎない。
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