運命は変えられる?

「ボブ 行こう!僕は姉上とジェリさんお似合いだと思うんだ!」


「左様でございますか」


ボブはいつもの無表情に戻り、僕の半歩後ろをいつものように歩き出した。

ジェリさんと姉上が恋人同士になったらお似合いだよ


僕は”カエルの王子様”のストーリーを変えてしまった事、僕が呪いを受けたことを後悔していたけれど、この世界でさえ運命って変えられる可能性に気が付いてしまった。


子ブタくんの言う通り、僕達には与えられた役割がある。子ブタくんは役割変更は出来ないって泣いていたけれど、

泣くよりも、チャレンジしてみたらよかったんじゃないかな?

せめて、先回りしてレンガを手に入れて家を建てちゃうとかさ?


まあ、運命を受け入れるっているのも、自分の選択ではあるけどね。



森を振り返ってみる。

あの森へ入って、お菓子の家のお菓子を食べてみる事も僕には出来る。もちろん、オオカミに出会って食べられてしまう可能性だってあるけどさ


うん、次にまた旅に出る時までに剣でも弓でも練習して上達しておく必要が有るね



運命は変えられないっていう人いるけど、個人差があるんじゃないのかな?

僕やジュリさんみたいに、ここがどこか分かっているなら有利だよね?帰ったらすぐに姉上に話をしよう。

もしも、野獣予定の人なんて嫌だわって言われたらどうしよう?

その時はジェリさんに手紙を書いて、会いに来てもらえばいいね。



ニヤニヤと笑いながら歩く僕にボブが不審げな目を向ける


「王子?どうかしましたか?」


「うん、本当にいいこと考えたんだ!」


「左様でございますか」


セリフはいつもの通りだけど、ボブの頬が少しだけ緩んでいる。



僕の前にレールは無い、だから、僕は自由に歩く。

姉上の前にレールはあったかもしれない。でも、僕が破壊しちゃった。

ごめんなさい姉上、でも、レールのない道を歩くのもきっと楽しいと思うんだ

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