第306話 我王髑髏のドロップ鑑定
ミズモチさんから出てきたガシャドクロのドロップ品をすぐにカリンさんがきてくれて鑑定をしてくれました。
「相変わらず凄いね。これはもう異常なレベルだけどね」
「いつもご近所ダンジョンを少しずつ調査しておりまして」
「なるほどね」
カリンさんが鑑定結果を置いてくれます。
我王髑髏の兜(最高級品) 1 推定1億5000万
我王髑髏の鎧(最高級品) 1 推定3億
我王髑髏の具足左右(最高級品) 1セット 推定2億
刀剣(鬼切丸)(専用武器) 買取不可
我王髑髏の魔石 3500万
え〜と、先ほどのオークションで驚いたのがバカになるほど一つの値段だけで、オークション金額程度の金額が記されています。
しかも推定ということは……。
「あの頭が痛くなってきたんですが」
「それはこっちのセリフなんだけどね。私もさ、ここまでの物は鑑定したことがないから、マジでビビった」
「もう、今までのギルド最高金額なんて軽々と超えていますね」
金沢ダンジョンで城狸を倒した際に2000万もらった時もすごい金額だと思いましたが、今回のガシャドクロさん。改めて
しかも魔石だけで今まで一番凄い額です。
「ヒデオさんがどんどん凄い人になっていきますね。今回もオークションに出されますか?」
「そうですね。鎧一色は私は必要ないように感じます。ですが胸当てだけは残してもらってもいいですか?」
現在のブーツと胸当てよりも、胸当てだけでも十分に強度が高いと思います。
「真っ白な全身タイツに真っ赤な鎧は目立つね」
カリンさんに茶化されますが、強くなるなら見た目など気にしません。
「それにこれが一番ヤバいよね」
そう言ってカリンさんが視線を向けたのは、名を与えられた刀です。
「鬼切丸。それは日本の伝説では、鬼の腕を切ったと言われる平安時代の刀ですね」
ユイさんが名前の由来を教えてくれて、鬼を切る刀は私以外には使えない専用武器だそうです。
「前の指輪とか、杖と同じやね」
白金さんと同じ物でありながら、落としたのが我王髑髏だったこともあり、白金さんよりも強力であると思えます。
「鬼切丸とは、また物騒ですね」
「なら、また名前をつけてあげたらいいんじゃない」
「そうですね。考えておきます」
「それでは、兜と、左右の具足、それと魔石はオークションですね」
「えっ? 魔石もオークションに出すのですか?」
「流石にここまで大きな魔石ですから、世界中から求められることになります」
ユイさんから説明を受けてオークションを頼みました。
ボクサーカンガルーの報告に来たはずですが、いつの間にやらオークションやお金の話になってしまって、とんでもない金額が口座に振り込まれてしまいました。
「これも全てカオリさんに相談しないといけませんね。ミズモチさん。帰りましょう」
《は〜い!》
前なら、買い物に言って美味しい物を買って帰るところですが、今日は美味しい物を食べにいきましょうとカオリさんに報告しました。
予約ができない店なのですが、たくさん食べるので行っても大丈夫ですかと連絡を先にさせていただきました。
「ここですか?」
「はい。最近テレビでやっているのを見て、来てみたかったんです」
カウンターだけの焼肉屋さんなのですが、上塩タンと上ハラミがとても美味しそうな映像をテレビで見ました。他にもホルモンやセンマイにキムチなど、一通りのメニューを注文させていただきました。
テレビでは美味しそうに見えたので、来たかったお店です。
「関西発祥で、こちらにも最近進出して来られたそうです」
狭い店内はカウンター席だけで、注文してからお肉を切り分けてくださっていました。
「凄い! 全然臭みがないですね」
「本当に! 私も初めて来ましたが、これは美味しいですね」
カウンターだけのお店なのですが、一皿2000円以上するので、正直来るのを躊躇っていました。
ですが、一応億万長者になったのですから、一皿2000円でも一度ぐらいならいいですよね?
《ウマ〜!!!》
ミズモチさんも相当気に入ってくれたようです。
早速、上タンを20皿と上ハラミを20皿、ロースを20皿、ホルモンを20皿頼みました。全種類とゼンマイにビールで乾杯です。
「ふぅ〜これは本当に美味しいですね」
カオリさんと分けながら全種類を食べましたが、ミズモチさんは待ちきれなくて生焼けでも食べておられました。
《ウマウマ!!!》
声を出すのも忘れて、念話で楽しそうにウマウマとリズミカルに歌っているミズモチさんは嬉しそうで良かったです。
その後もミズモチさんが満足するまで注文を続けました。
今回は事前に魔物を連れていくことと、最低でも100皿は食べることを告げていたので、用意をしていただけて良かったです。
支払いは三十万ほどで足りてくれました。
締めに食べたカレーオジヤは本当に美味しかったです。
ミズモチさんはお鍋いっぱい食べたいと言っていましたが、なんとか十杯で満足してくれたようです。
「美味しかったですね!」
「ええ、ですが、相当に良い収入が入らないとなかなか来れない場所でした」
「ふふ、そうですね。今度は私のボーナスが入ったら奢ります」
「ありがとうございます!」
カオリさんは、年内は会社にいるので年末のボーナスで奢っていただけるそうです。
やっぱり三人で食べる食事は美味しいです。
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