第41話 新幹線に乗ったらそこは京都
東京駅にやって参りました。
相変わらず凄く広いですね。人も多くてミズモチさんが潰されないように守らなくてはいけませんね。
でも、お店や見る物が多くて楽しいですね。
東京お土産に、東京バナナとごまたまご、それに両親と飲もうと思って日本酒を買いました。
両親と会うのも四年ぶりになるので楽しみですね。
新幹線はだいたい京都へ1時間30分ほどで到着します。駅弁も買い忘れてはいませんよ。
私、シウマイ弁当が大好きなので、実家に帰る時は必ず購入しています。
ミズモチさんには牛タン弁当を購入しました。
ミズモチさんに、ずっとリュック中へ居てもらうのも悪いので、二席確保しました。
ゆったりとミズモチさんと新幹線を満喫します。
もちろん、富士山が見えるほうをチョイスしたので、晴れやかな場合は富士山もバッチリです。
失念していましたね。横浜を出ると名古屋まで止まらないそうです。
静岡に止まって、ゆっくりと富士山が見れる新幹線を選べばよかったと少し後悔です。
今では、富士山もダンジョンが出現したそうなので、日本一のダンジョンとして有名になりました。
強力な魔物も多く出現するそうです。
ドロップする装備も凄い物が発見されているとか……いや~ご近所ダンジョンさんだけでも、私には十分なので関係ありませんが冒険者って凄いですね。
一攫千金を夢見る人たちには危険と隣合わせですが、成功すれば億万長者も夢じゃない。
私、人生ゲームが子供の頃は大好きだったのです。
最近は人生ゲームとは言わないそうです。ゲーム内容も変わってしまったとテレビで見て、時代の変化を感じましたね。
そういえば湊さんからあのときの報酬で装備を一新したと連絡が来ていました。写真も添付されていましたね。
【湊】『阿部さんのお陰で冒険者らしくなりました』
届いたメッセージには返信しましたが、添付の写真は見ていませんでした。
「どれどれ」
写真には三人が冒険者らしい格好をした姿で写っていました。
腰に剣を携えて、重いと言っていた鉄の胸当てを付けた高良君。
黒いローブにステッキのような物を持った魔女っこ鴻上さん。
白いローブに木の杖を持った湊さん。
若いっていいですね。見た目を変えるだけでここまで冒険者らしく見えるものなんですね。
【私】『お写真とても素敵ですね。私は今から大阪の実家へ行って参ります。お土産を買ってきますので、楽しみにしていてください』
私が湊さんへメッセージを送るとすぐに既読が尽きました。ついでに矢場沢さんからもメッセージが来ておりますね。
【湊】『お気を付けて行ってきてくださいね。お土産楽しみにしてます』
大阪のお土産ってなんでしょうか?京都なら八つ橋かな?
【矢場沢】『昨日はありがとうございました。本日は実家に帰られると言っておられたので、お気を付けて』
ふふ、矢場沢さんは本当に見た目とのギャップが凄いですね。あの派手なメイクを止めればいいと思うのですが、あれも一種の個性なんでしょう。私からは何も言えませんね。
【私】『ありがとうございます。今、新幹線が走り出したところです。行って参ります。お土産を買って帰りますね』
お昼の新幹線でしたので、横浜を越えたら駅弁を食べましょうかね。
食べている間に富士山が見えてくるでしょうか?
「ミズモチさん、もう出てきていいですよ」
《ミズモチさんはプルプルしながら、はいと言っています》
窓際の席をミズモチさんにお譲りして、私は通路側に座ります。本日のミズモチさんの大きさは、マグカップサイズです。人の目もありますからね。
他の方に魔物がいるぞ!と騒がれるのも困りますので、席は取りましたが、なるべく見えないようにしてもらっています。
「テーブルを出しましたので、どうぞ牛タンを堪能してください」
いつもは身体に取り込んで消化してしまうミズモチさんですが、本日はお弁当にミズモチさんが取り込まれて、なんだがお弁当の中をミズモチさんが泳いでいるようです。
「ふふ、どんな景色が広がっているんでしょうね。美味しいですか?」
《ミズモチさんはプルプルしながら、はいと言っています》
「それはよかったです」
私もシウマイ弁当を開けましょう。
シウマイ弁当に入ったアンズが好きなんです。
タケノコ煮も最高ですよね。
そして、メインのシウマイは冷めても味がしっかりしていて、ハァ~美味しいです。
駅弁のひんやりさと温かいお茶が結構好きです。
お弁当を片付けた後は、ミズモチさんと遊びます。
小さなミズモチさんは、どこから見ても水餅さんです。
突くとプルプルしていて、撫でてあげるとプルプルしていて、膝の上に乗せるとプルプルしています。
ハァ~ミズモチさんが可愛すぎて、すぐに京都についてしまいました。
あっ、ちゃんと富士山の写真は撮ることができましたよ。
富士山の上に乗るミズモチさん。
なかなかに絶景ですね。
京都駅は4年ぶりですが、景色はそれほど変わりませんね。お土産さんで八つ橋と赤福餅も追加で購入です。私が好きなんです。
懐かしい電車の乗り継ぎを終えると、枚方市駅に到着です。2時間半ほどで東京からついてしまうので、案外早いですね。
「随分と駅から見える景色が綺麗になりましたね」
ダンジョンが各地に出来たため、駅前には冒険者ギルドの看板が見えています。
私は家へと帰るためにバスに乗り込みました。
「ミズモチさん、もうすぐですよ」
《ミズモチさんはプルプルしながら、はいと言っています》
「あっ見えてきました。ただいま!!!」
玄関から中へ入ると、自宅で和裁をする母と父の姿がありました。
「秀雄!あんた早かったね」
四年ぶりに会う母は少し老けましてね。
「おう、男前になったな」
父の頭髪に追いついてしまいました。
「ただいま帰りました。今日は私の友人のミズモチさんも一緒です」
そう言って二人に掌サイズのミズモチさんを紹介しました。
「なんやこれ?」
「うん?スライム?お前……その年で……」
「違いますよ。魔物のスライムなんです。ちゃんと生きています。私、冒険者になってテイマーをしているんです。こちらは魔物のスライムで、ミズモチさんです」
《ミズモチさんはプルプルしながら、はいと言っています》
「おお!動いた。ホンマや!」
「あらあら、なんや可愛いやん」
二人はノリよく、ミズモチさんを受け入れてくれました。
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あとがき
どうも作者のイコです。
なんとか、この話で10万字を達成することができました。カクヨムコンテストの規定にやっと到達です。
たくさんの方に読んで頂き応援ありがとうございます。レビュー☆やいいね♡が頂けきありがとうございます\(//∇//)\
しばらくは大阪編です。どうぞよろしくお願いします。
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