過去編 その2 思い出①

2人は出会ってから意気投合し、付き合い始めた。

朱音は高卒から働き始めて3年目、対して三日月は時間の限られている多忙な学生だったが、なんとかして時間を作り朱音と会う時間を作っていた。


朱音は毎日でも会いたい、長く一緒に居たいという考え方出会ったため、1度会うと一緒に夜を明かす事も度々あったのだった。



そんな日々が続き早4ヶ月、三日月の誕生日を目前とした秋のとある日。

三日月と朱音は、地元で有名な温泉旅館へと来ていたのだった。


これは三日月の誕生日にと、朱音がプレゼントしてくれた旅行だった。決して安くは無い宿泊費を出してくれることに、三日月は感謝と喜びをひしひしと感じていた。


秋の夜空に、彼女の火照った頬と艶やかな髪が照らし出されていた。

2人は湯上りの火照ったからだを落ち着かせながら、今後のことや将来やりたい事などを話し合っていた。


「……また来たいね。」

「そうだね。今度は俺がプロポーズする時に、この旅館の宿泊をプレゼントするよ!」


そんな青年の淡く澄んだ言葉は……。

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