第8話 休日

バタバタした数日も終わり、三日月は珍しくお互いが居る休日に朱音と少し遠くのショッピングモールに来ていた。


このショッピングモールは、付き合い始めてから三日月が学生の間、何十回とデートしていた場所だ。

2人は群馬県出身、遊ぶ場所が何も無い上朱音は運動もゲーム類もスイーツも好きでは無いので、ショッピングモールに2人で来ては、ウインドウショッピングをするのが恒例となっていた。


「何かみたいものとかある?服とか見ていく?」

「うーん……。今日は良いかな。」

このやり取りは、物欲の少ない彼らの恒例となっていた。

この後、ぶらぶらとゆっくりモール内を巡ってから専門店街で朱音のお気に入りの海鮮を食べるのがお決まりの流れであったが……。


今日は今までとは違かった。

いつもであれば、2人で手を繋いで歩いていくところ……。

今日の彼女は三日月の服の裾を軽く握ったまま、左右に目もくれず俯き気味に歩いていく。


──全てはどこで変わってしまったのだろうか──


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