第6話 静寂

飲み会から帰宅した三日月は、誰もいない家にただいまと告げて風呂に入った。

時刻は0時、朱音は今日も帰りが遅かった。

ダメ元で、帰宅時間を確認するメールを送信し、三日月は1人で薄暗いリビングで暖かいお茶を飲んでいた。

誰とも話さず、こうして椅子に座っていると、一人暮らしを始めた頃に感じた虚無感を感じてくる。

4人兄弟の次男で、3つ上の兄が家を出るまで兄と同室で暮らしていた三日月は、当時は一人の時間を欲していた。

それが今では、1人こうしている時間を酷く虚しく感じる。

最近多くなってきたこの時間と、実家を思い出させる暖かい緑茶。


同棲する際に買ったダブルベッド。

眠りにつく頃に誰かがいることは稀となっていた。

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