第7話 最期の戦い
ある日、一つの山が消えたという話を聞いたリンクらは、一つの思いに至る。「あいつからの合図だ」リンクらはその地へ向かう事を決意する。リンクらが聖剣を得た後に出会った者たちが応援する。「俺らは現在失われた英雄の子孫。初代の英雄たちが黒の剣士の凶刃に遭い倒れた後、封印されし聖剣を君らは抜いた。アルフレア・ヴォルケーノ、ミズーリオ・オーシャン、タイフーン・カルパ、クェーク・メガ、彼らの力の象徴、聖剣が君らに力を授けてくれる」「私は英雄たちに聖剣を贈呈した女神アナスタシア・ゴールドの子孫。女神もあなた方を見守っていることでしょう」その地に並び立つリンクらの前に、ワスプが現れる。「よく来た。では、始めるとしよう。最期の戦いを」そう宣言したワスプは礼の錠剤を飲み巨大化した。「私の完成させた力、とくと見るがいい」ワスプが集中し、手を地面に突く。激しい地響きと地割れが起きる。「ドラグーン!」ハヤテの呼び笛を聞いて現れたフェニックスとバハムートは、リンクらを背中に乗せ、飛翔する。「空を飛ぶとは卑怯な真似をする」「俺らが相手をするぜ」巨大な嵐を生みながら2人が言う。「俺が雷神、こいつは風神!」「何を勝手に言っている。おれ風は使えない。強いて言うなら、土神」「何でもいい。とにかく俺らが勝たないと本当の神様がお怒りになるぞ」「はいはい」「喰らえ!俺らが生む、神の嵐(ゴッドストーム)!!」「ドラグーン、ウィング!」ハヤテの指示で羽ばたく2匹の風が嵐をかき消す。「何を!」「すみません、親分」「安心し給え。君らの持つ力を最大限に引き出す、あれを使い給え」「あれか…ちょっと怖いが仕方ねえ。勝つ為だ。行くぜ、旦那」「おう、相棒」カトリーナとロックがワスプの飲んだものとは別の錠剤を飲む。「ううう」呻き声を上げ蹲る2人の身体から煙が噴き出る。2人の目は充血し、全身をオーラが纏う。「何だ!?」ロックが手を地面に突くと、盛り上がった地面がバハムートを襲う。続いて、カトリーナが起こした強烈な風がフェニックスを襲う。倒れた二匹から投げ出されるリンクら。「くっ。やってくれるぜ。俺らも本気出すしかないな」リンクらが聖剣を手に持ち、集中する。激しい炎と水と風が一つになり、カトリーナとロックの抵抗虚しく命中する。続いてワスプ目がけ発射するが、ワスプは元の大きさに縮み命中しない。「避けられた!」「痛いのは嫌いだ。それにしても2人は全力でこの様とは情けない。仕方ない。秘策のアレを出そう」ワスプは白衣からカプセルを取り出す。「行け!私の最高傑作の僕よ」ワスプが投げたカプセルからミニサイズのゴーレムが現れた。ゴーレムから邪悪な気配が漂う。「あの気配、あいつの相棒の鳥と、手下になってた時のオーディンと同じだ」ゴーレムは周りの地面を取り込み、巨大化する。リンクらは聖剣の力を発射し、命中する。「よっしゃ!デカい的は当てやすい!」ゴーレムは倒れ粉々になるが、破片がゴーレムの形を作り活動を始める。「分裂した!」倒しても復活するゴーレムに苦戦するリンクら。ついに取り押さえられるリンクら。一体のゴーレムが巨大化し、リンクら目掛け倒れてくる。「危ない!」何者かの一撃で粉々になるゴーレム。「俺らが来たからもう大丈夫」「大丈夫かなあって心配になっちゃって」「俺の店は臨時休業にしてきた!」「リンクの危機に駆けつけないのは仲間失格だからな」仲間の登場により解放されたリンクら。「ゴーレムは俺らに任せろ、なあ博士」「ハイ・ストールの言う通り、わしらは心配するな」「お前ら、頼りにしてるぜ」リンクらの前に立ちはだかるカトリーナとロック。「まだ立ち上がるか。しぶとい」「俺が相手する」「ラウスが自ら主張した…!」「先輩、あの男やっつけちゃってください!」「分かった!任せろ!」リンク、アグル、ハヤテの3人は聖剣を構える。「来たか…」再び巨大化するワスプ。「この姿、“クジャ”が仕留める」ワスプが山を砕き、落ちる岩を聖剣で斬るハヤテ。踏みつけようとする足を堪えるアグル。リンクが炎の拳を放ち、避けて体勢を崩すワスプ。そのまま山に倒れた後、自動車の荷台に積まれた大量の錠剤をわしづかむ。「やはり一筋縄ではいかない。私が持つ全てを引き出した、真の姿、“オズマ”。これで最期だ…」錠剤をすべて飲み込むワスプ。「うああああ!!!」呻き声が地響きを起こす。苦痛を抑えきれない様子で頭を抱え地団太を踏むワスプ。激しい地響きで立つ場所が割れ、ゴーレムらが落ちていく。リンクらはドラグーンに乗り助かる。「ワスプ!今助ける!」一瞬リンクを見据え、言う。「…その名で呼ぶな」力が暴発し、口から光線が出る。「危ない!」バハムートが盾になる。アグルとハヤテは聖剣の力で落下の衝撃を和らげる。ワスプは苦痛に耐えられず一つ向こうの山へ跳躍する。「ごめん」「気にしないで」「俺、行って来る」「ああ、行って来い」「行くぞ、相棒」リンクはフェニックスと共にワスプの元へ飛ぶ。ワスプが口だけでなく目からも発射した光線が遠くの山を削る。苦しむワスプ目がけリンクが飛ぶ。「ワスプ!」フェニックスも力を上乗せした、リンクの渾身の力を集めた拳が、ワスプの頬を殴る。ワスプが気を失い、行き場を失ったエネルギーが爆発する。「ゆっくり眠れよ」戦いが終わり、別れを告げる仲間たち。「じゃあな、リンク」「まさかゴールド家があの女神の子孫とは!頑張って繁盛させないとな」「また会おう」「僕らの探していたカトリーナも捕まえられた。これから覚悟しろよ」「分かったから離せ!もうこりごりだぜ」「先輩、一緒に帰りましょう」「ごめん、俺英雄になる」「ええ!?本当ですか」「本当だとも。俺の家の婿に来るそうだ」「そういう事だから、帰れない。道場は任せた」「はい、任せてください!」船に乗り1人で帰るブルース。「僕たちは泉にいるから、いつでも来て」「また行くよ」ドラグーンと共に帰るハヤテ。岩に似た物体がゆっくりと飛来する。「迎えに来たぞ、アグル、ラウス」「セブンか。感謝する。私とラウスは故郷の星へ帰る」「もう会えないのか」「星に危険がない限りは」「寂しいな」「暇を見つけたら来るかもしれない。結構忙しいからあまり期待するな」「待ってるぞ」岩に似た宇宙船で帰るアグルとラウス。「主よ。また必要があれば呼べ。手を貸す」「ああ」森へ姿を消すハイ・ストール。「わしに出来る事があれば協力するぞ」「ありがとう、博士」小屋に帰るウォーリー。「リンク様、何か御用ですか」「これは、あんたらのものだ」リンクは、聖剣を英雄たちに渡す。「おれはすでに所持している」ロックが言う。「これで、英雄復活だ」その後、復活した英雄たちは世界各地で活躍し、各地で伝説を残す。「それもこれもリンク様のお陰だ」「聖剣に再び光を当ててくれた」「やはりあなたは、繋げる人、リンク様だ」「おれは戦った時からそう思っていた」「そう言えば、オーディン、どこ行った?」オーディンは、世界一の強者を決める闘技大会に参加して優勝した。その開催地、カタナランドの姫と結婚し、繁栄させていく。
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