第6話 新たな力

 リンクは失われた聖剣を探すことを決める。「俺らは今のままでは勝てない」「じゃあ、どうする」「ヒントは近くにあり、だ」「近くじゃと?」「ああ。敵が持っていた聖剣、あれは伝説上では4本あったはず。残り3本手に入れる」「さすが先輩」最初に訪れたのは、火の力が宿る赤の聖剣が眠る森。「ここ博士の家の近所じゃない」「この森は、ある噂があってのう。森の奥深くに人を食べる植物が生えていて一度入ったら出られないという」「恐いですね、先輩」「話はまだ続いとる。その植物の群れの中に伝説の剣がありそれを抜くと願いが叶うというものじゃ」「うわあ、やめますか?」「行くぞ」リンクらは森の奥深くを目指し進む。そして、赤く光る剣を発見。「あった!何も襲ってこないじゃん!」抜いた剣を掲げるリンクに植物の蔓が絡みつく。「うわ!何これ!やめろ!」腕や足にも絡みつき、自由を奪おうとする。「ああ、先輩が!今助けに!」駆け寄るブルースにも蔓が絡みつく。その時、聖剣が強く光り、火が放たれる。リンクとブルースに絡みついた蔓が燃え、自由になる。喜んだのも束の間、巨大な植物の獣が出現。「あれが噂の人食い植物じゃ!」「気をつけろ、リンク」「任せとけ。今、もの凄い力が出せる気がする…」リンクが集中すると、聖剣から巨大な炎が放たれリンクの全身を覆う。「行くぜ。爆炎地獄(フレイムバースト)!!」奇声を発し燃え盛るフォレストラフレシア。「勝った」「それよりこの炎どうやって消しますか」ブルースの身体にも炎が覆う。「不思議と熱くない」「俺らなら火が消せる」リンクとブルースが火に触れると次第に弱まっていく。「吸い込んどる!これぞまさしく奇跡の人じゃ」消化活動を終え、後にするリンクら。それを見守る白い獣。続いて訪れたのは、水の力が宿る青の聖剣が眠る湖。「何かいる」アグルの予想は的中。湖から八つの首を持つ首長竜が現れる。「ヤマタノオロチじゃ」「こんな巨大な奴、どう戦う?」「私に考えがある」アグルがラウスに耳打ちする。頷き、ラウスがヤマタノオロチの後ろに回り込む。一つの首がラウスを追う。残りの首はリンクらを狙い、水を吐く攻撃。避けた地面は抉れている。「当たったらお仕舞だ!アグル、考えは合っているか?」「合っている。心配するな」アグルは剣の形の腕をラウスが惹きつけた首を斬り落とす。ラウスが一周し、一つの首が追う。それをアグルが斬る。残りの首の攻撃をリンクらが避ける。これを繰り返して首が残り一つとなる。「止めだ!」叫びながら倒れるヤマタノオロチ。「考えは合っていただろう」「そのようだな。俺らにあえて言わなかったのはなんでだ?」「本能を働かせるため。その方が効率的だ」「怖い奴」切り口から聖剣が出現。「竜の中から聖剣、何かの神話のようじゃ」「竜を倒して、聖剣も手に入れた!一石二鳥とはこのことだな」「この聖剣は誰が持つ?」「そりゃもちろんお前だ、アグル」アグルが聖剣を握ると強く光り、水が全身を覆う。「確かにとてつもない力を感じる」同時にラウスも水の力を得た。最後に訪れたのは、風の力が宿る緑の聖剣が眠る谷。ここは、強い突風が吹き抜ける渓谷。人が1人しか通れない狭さの道を、その奥に向かいハヤテが必死に進む。最奥に突き刺さる聖剣を抜くと、強く光り、ハヤテの全身を風が覆う。ハヤテは翼を得た鳥のように空を飛んで、リンクらの元に戻る。「手に入れたよ!」「よし!これで全部揃った!後は戦いに備えて修行するぞ」それからリンクらは日夜修行に励んだ。「走り込みの後は試合形式だ!」「先輩、厳しすぎますよ。ちょっと休みませんか」「休みたくなるのはまだ弱い証拠だ!弱い心に打ち勝て!強くなってあいつに勝つ!」「はい!」自らを追い込み続け、その力を極限まで引き出すための厳しい修行が続いた。そして、ワスプの実験が完成する。「時が来た」

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