第5話 新たな敵

 リンク島を襲った嵐は勢いを増し、海は荒れ、波が押し寄せる。島民は近隣の国へ避難せざるを得なかった。リンクはその事を知り、驚いた。「一体誰の仕業だ!ラウス、頼む!」ラウスは頷く。リンクを背負ったラウスは海の上を走る。「こんなことができるのか!ラウス、天才だ!」そこで、荒れた海の中、舟を漕ぐブルースを発見する。ラウスが船首を持ち、走る。「誰ですか!?この人は!凄すぎます!」「そうだろ!他にも凄い奴らと仲間になった!一緒に来い!」「分かりました!」合流したリンクらは嵐の原因について探ることに決める。ブルースの情報で嵐の発生場所へ向かう。辿り着いたのは、砂漠。しかし、人気はない。その時、アグルが驚きの発言をする。「この場所に人がいた事は明らかだ。おそらく争い、その後結託した。嵐が起きた時、そこに彼らはいる」そして、嵐が起きる。リンクらが急ぎ向かうと、そこに人影があった。ハイ・ストールが新品の剣で嵐を斬る。「良い切れ味だ」「おれらの嵐を斬るとは、強者の予感」「幾ら作ろうと斬るまでだ」「俺が丹精込めた嵐をよくも!反撃開始だ!」カトリーナが攻撃を仕掛ける。電撃がリンクらを襲う。「俺の稲妻、避けられるのも時間の問題だぜ」「よし!ラウス、博士を背負え。ラウスとブルースと俺で奴を引き付ける。ハヤテ、その内に何とかできるか」頷き、各々行動に移る。「すばしっこいな!早く当たれ!」ラウスが高速移動し撹乱する。「くそ!見えない」ウォーリーは生と死の境を彷徨う。(し、死ぬ…)ハヤテは考える。(ここにドラグーンは呼べない。僕が決めるしかない…!)ハヤテは集中し、電撃をカトリーナ目掛け放つ。「うおお!」見事命中。アグルが腕の形を剣に変える。「攻撃の構え」「俺も行くぞ」アグルとハイ・ストールがロックに向かう。「ふん!」ロックは両手に剣を持ち2人を押し返す。「食らえ!聖剣の一撃!」ロックが集中し、砂漠の地面が膨れ上がり、2人を襲う。「うああ!」リンクとロックが睨み合う。リンクが拳を固める。「フェニックスの力!!」炎を纏った拳がロックの腹部を捉える。「ぐっ。おれも負けん!!」ロックは先ほどよりも集中し、聖剣を振り下ろす。激しい砂嵐が辺りを包む。全員満身創痍の状態。そこに現れる1人の男。眼鏡を上げ、言う。「いい物を見せてもらった」「誰だ」「私はニセキングより遺志を授かった“ニセマスター”だ。そこの2人、私の部下となれ。そうすれば、あの者たちに勝利させてあげよう」「誰だ、お前。俺は誰の部下にもならねえ。特にお前のような弱そうな奴の部下には…」「おれも孤独に旅をするのが性に合っている。だから…」「これを見ても言えるかな」そういうと、ワスプは一つ錠剤をのみ巨大化した。それを見て2人はワスプの部下になることを決めた。「一旦手を引こう。実験が完成したら、その時が最期だ。また会おう、リンク」ワスプ、カトリーナ、ロックが去る。「一体、何者じゃ」「あれは、俺のいとこのワスプだ」「え!?リンク先輩、本当ですか?」「ああ。あいつは危険だ」「おそらく彼がこの星に潜む危険分子に間違いない。あの巨大化の能力、危険すぎる」「その上、戦った2人を部下にした。聖剣を持つ男、侮れねえ」「もう1人の男は間違いなく雷族だ。技に正確さはないけど、威力があった」「とんでもない相手を敵にしたようじゃのう」リンクは突然笑い出す。「みんな、顔色が悪すぎるぜ。まだ負けと決まったわけじゃない。大丈夫。俺らは勝てる、いや、絶対勝とう」リンクが拳を掲げると、仲間たちも拳を掲げた。

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