絶対、あの画像を消してもらう!

 次の日。僕はいつも通り、登校する準備をする。


佳奈ちゃんが僕のを撮った…。嘘のような本当の話になる。

こんなことを聞いて信じる人がいたら、教えて欲しいぐらいだよ。


それだけでは飽き足らず、彼女はを待ち受けにするとか言い出すし…。

こればっかりは、彼氏として絶対に止めないと!



 登校準備を終えた僕は、門扉を出て隣の家に住む佳奈ちゃんが出てくるのを待つ。

中学生の時は佳奈ちゃんを待たせてたけど、本来は男の僕が待っているべきだよね。


そう思い始めたので、なるべく彼女を待たせないように早めにすることにした。



 「…なぎちゃん。今日も早いね」

佳奈ちゃんは門扉を開け、僕と合流する。


「佳奈ちゃん、昨日の…」


言っている途中で、彼女は口に指を当てる。…家の前では話すな、ってこと?


「わかった。後で言うよ」


「早く行こ♪」

佳奈ちゃんが手を握ってきたので、僕も握り返す。


駅に着くまでに、話を切り出さないと。



 …もうそろそろ話して良いかな。お互いの家から離れたし。

手を放してから、話を切り出す…。


「佳奈ちゃん。携帯見せて!」

待ち受けにしたなら、すぐ確認できる。


「いいよ」

佳奈ちゃんは暗証番号を入力後、僕に携帯を渡してきた。


よし、やっと待ち受けを確認できるぞ。…あれ? 普通だ。


「その顔、本当になぎちゃんのを待ち受けにすると思ったの?」

彼女はクスクス笑う。


これって、からかわれた?


「念のため、コピーはしておいたけど♪」


だったら、コピー含めてすべて削除するまでだ! そう思った時…。


「パソコンに移したから、携帯にはないよ♪」


…それが本当なら、削除できる手段はないんじゃないか?


わざわざ教えてくれたって事は、消されない自信があるって事だ。

パソコンのパスワードがわからないと、ログインできないからね。


「…そんなに心配しなくても大丈夫だって。分別はついてるから♪」


分別がつくなら、撮ること自体しないと思うけど…。



 何はともあれ、今の待ち受けは普通だし今後もを待ち受けにする気がないから、とやかく言う必要はないな…。


僕は携帯を佳奈ちゃんに返す。


「待ち受けにはしないけど、これからもどんどん撮る気だからよろしくね♪」

笑顔で言う彼女…。


それって、のこと? それとも別のところ?

どっちでも良いや。


「わかったよ」

佳奈ちゃんの笑顔が可愛いので、承諾しておいた。

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