幼馴染はブラを飾る

 僕のお母さんに、下着プレゼントのことを話した佳奈ちゃん。

これにより、僕の部屋に佳奈ちゃんの下着があっても不自然ではなくなった。


用件が済んだ後、再び僕の部屋に戻ることになる…。


「なぎちゃん。これであたしのブラを隠す必要はなくなったよ♪」


「そうだね…」


隠す必要はなくなったけど、出す必要もないわけで…。

このままタンスに入れっぱなしじゃダメなのかな?


「どこに飾ろうかな~?」


佳奈ちゃんはタンスにしまってあるブラを取り出した後、壁の空いたスペースをジロジロ見ている。


「飾るのは止めようよ。大体、どうやってブラを飾るのさ?」

画鋲とかで、壁に穴をあける気なの?


「そうね~。両面テープで壁に貼るわ。壁に穴はあけたくないし」


佳奈ちゃんの気遣いは嬉しいけど、方向がズレている…。

そもそも僕、一言も『飾る』なんて言ってないけど。


「…両面テープ、家から持ってくるね」

そう言って、僕の部屋を出る佳奈ちゃん。


今からブラを飾ってほしくない理由を考えるのは難しいな~。

万が一思い付いたとしても、佳奈ちゃんを説得できるとは思えない。


それに、壁にスペースがあるのを確認されてしまった。

今からスペースを埋めることは不可能だ。


僕はこのまま、佳奈ちゃんの行動を見守るしかないのかな?



 「お待たせ~」

笑顔で僕の部屋に戻ってきた佳奈ちゃん。


「飾るのは…、ここにしよ♪」

佳奈ちゃんが見つめた場所は、部屋の扉だ。


「壁じゃないの!?」

不意打ちされた気分だよ。


「そう思ったんだけど、どうせなら絶対なぎちゃんの目に入るところが良いな~って思ったから、扉に変えたの♪」


確かに扉を見ない時はないから、絶対目に入る…。

何が佳奈ちゃんをここまでさせるんだろう?


佳奈ちゃんは両面テープを出し、ブラを貼り始めた。

…多くのテープを出している。剥がれ落ちない対策か…。


「このブラは、あたしのお気に入りなの。だからなぎちゃんにプレゼントしたんだ」

ブラを貼りながら、僕に話しかける佳奈ちゃん。


「お気に入りをプレゼントしたの?」

だったら着ければいいのに。


「お気に入りだからこそよ。大好きななぎちゃんのためなら、惜しまないわ」


行動はともかく、僕を想ってくれるのは嬉しいな…。



 「…できたわ!」

僕の部屋の扉の中央に、佳奈ちゃんのブラが貼られている…。


たくさんのテープを使ってあるから、そう簡単には剥がれないだろう。


「あたしのブラを観てムラムラしたら、いつでも呼んでね♪」


男の僕が見ても可愛いと思えるデザインのブラだ。

ムラムラしないと言ったら嘘になるけど…。



 「昨日、あたしの誕生日プレゼントに困ったら、なぎちゃんのパンツが欲しいって言ったの覚えてる?」


「もちろん」

そんな事言われたら、まず忘れないでしょ…。


じゃなくて、なぎちゃんのパンツが欲しいの。だから、お願い♪」


「……」

それを聴いた僕は、放心状態になる…。

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